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深友〜君には言えないカクシゴト〜

第1話 - 深友〜君には言えないカクシゴト〜

2020年12月04日

#今週のストーリー大喜利

#ホラー

#サスペンス

#友情

#男の友情

#脱出

野鐘(ノベル)

12/5(土) 目が覚めると知らない部屋に閉じ込められていた。親友のアヤトと2人。

部屋には唯一、スクリーンがあり、そこに脱出の条件が示されていた。

『互いの秘密を暴露しろ』

タケル

俺たちは深い友情で結ばれた親友だ。
秘密なんてないよな。

アヤト

ああ。でも…

タケル

でもなんだよ？
何か秘密あんのかよ？

アヤト

お前に借りてたマンガ、実はジュースこぼしちゃって…

タケル

まじかよー

アヤト

ごめん。だからずっと返してなかったんだ

タケル

でも、だったら俺も、
お前にテスト前に借りたノート
コーラこぼしちゃった。

アヤト

まじかよ？！てか、言えよ

タケル

しれっと返せばバレないと思って

アヤト

ひどいなー。でも、これで2人とも秘密を暴露したんだから、出られるよな？

スクリーンの文字が切り替わった

それは本当に秘密にしておきたかったことではありませんよね？『互いの本当の秘密を暴露しろ』

12/6(日) あれから、24時間。俺たちは色々な秘密を打ち明けたが、『互いの本当の秘密を暴露しろ』この一点張り。

タケル

なあ、割とガチめの秘密言い合おうか

アヤト

ガチめな秘密ってなんだよ？

タケル

お前に幻滅されるかもしれないけど、このまま出られないよりはマシだから言うわ

アヤト

なんだよ

タケル

俺、この前の期末テスト、
お前の答案カンニングしたんだ

アヤト

え…

タケル

本当にごめん。直前までノート借りて
真面目に勉強してたんだけど、どうしてもダメで…

アヤト

そうか…お前直前で頑張ってたから、カンニングなんて…少しガッカリだけど、正直に打ち明けてくれてありがとう。

タケル

お前は…何かないのか？

アヤト

お前、机の下にタバコ落ちてて、
先生に問い詰められただろ？

タケル

うん。結局鞄からは出なかったから
セーフだったけど

アヤト

あのタバコ、俺のだったんだ。
お前が疑われてるのは心苦しかったんだけど、言い出せなくて…

タケル

嘘だろ？お前成績良いから、疑われもされなかったのにー

アヤト

本当にごめん

タケル

いや、俺もカンニングの件あるからお互い様だよ

アヤト

そう言ってくれて、救われるよ

タケル

これで、ここから出られるな。
脱出できたら、また親友に戻れるよな

アヤト

ああ

スクリーンには次の言葉が

それは本当に秘密にしておきたかったことではありませんよね？『互いの本当の秘密を暴露しろ』

12/13(日) 俺たちはまだここを出られずにいた。最小限の食事と水分が与えられるが、精神的に疲弊してゆく。

アヤト

タケルの親父さんが脱税してるって噂聞いて、軽い気持ちでSNSで拡散した。これで出られるだろ？

タケル

アヤト、ごめんな。

アヤト

なんでお前が謝るんだ？

タケル

たぶん、俺のせいでこの部屋を出られないんだ。

アヤト

どういうこと？

タケル

俺にはとんでもない秘密がある

アヤト

なんだ？

タケル

アヤトの彼女と関係を持った。
ずっと好きだったけど、言い出せなくて…

アヤト

タケル？

タケル

告白できないうちに、アヤトがあの子と付き合いだして。
でも、この前偶然駅で会って…つい…

アヤト

嘘だろ？

タケル

嘘じゃない！本当にごめんなさい！
謝って許してもらえることじゃないことはわかってるけど…

アヤト

信じられない…だって、俺もずっとお前に相談してて…

タケル

そうだよ！お前がどんなに彼女を好きか分かっていながら、お前の気持ちを知りながら、踏みにじった

アヤト

今すぐ許すことはできないけど、
正直に話してくれてありがとう。

タケル

俺はどう償えばいいのか…

アヤト

それなら、なんでも俺の言いなりになってくれる？

タケル

もちろん、もちろんだ！

12/4(金) いよいよ明日。親友と、深い関係の友達と楽しいゲームをする。

アヤト

大好きな親友、タケルと
狭い部屋で2人きりだ。

アヤト

『互いの秘密を暴露しろ』
そうしないと出られない

この日まで努力をしてきた。壮大な計画を実行してきた。

タケルの好きな人を好きになったフリをして相談

アヤト

自分も彼女が好きだと
言い出せないタケル

アヤト

タケルのそんな優しいところが
好きだよ

彼女と付き合うことになる。運良く彼女、ちょっと尻軽なところがあって…

俺がいつも一緒にいるタケルをチラチラ見てる。タケルも彼女を見てるからそりゃ目が合うよね

アヤト

それで能天気にドキっとしちゃう
ちょっとおバカなとこ、好きだよ

それで、偶然駅で会って、彼女と関係を持ってしまったタケル

アヤト

その罪悪感で壊れそうになってる。
か弱くて愛おしい。ああ…好きだな

アヤト

そして、罪悪感をもったタケルは
なんでも俺の言いなり。

そして互いに秘密を持った僕らは部屋に閉じ込められた。

アヤト

互いの秘密を暴露するまで出られない

アヤト

だから、ずっと一緒にいられる

アヤト

これが僕の秘密。
絶対にタケルには言わないよ。

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野鐘(ノベル)

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