泥の中から泡の様に浮き上がる、そんな感覚。
こんな目覚め方は久し振りだ。
気持ちの悪い、複雑な気持ち。
中原 中也
中也が辺りを見回す。 紛れも無い保健室のベッド、其れも中也のお気に入りの窓側だ。
先刻迄の事も、夢、なのだろうか。
否、夢であって欲しかった。
太宰 治
中原 中也
太宰 治
太宰 治
太宰 治
途切れ途切れに、確認を取る太宰。
中原 中也
中也が硬く拳を握り締める。
中原 中也
瞳孔を開き、背を震わせて云う中也。
太宰は腕を組み、背凭れに身体を預けている。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
太宰 治
中原 中也
中也が息を呑む。
力が抜けた様に、握って居た手を開いた。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
太宰 治
中原 中也
太宰と希望者、二人きりで話すのだ。亜矢はきっと同じ事を云うのだろう。
口元に人差し指を充てる太宰。
太宰 治
きっちり三度、ノックの音。
国木田 独歩
中原 中也
太宰 治
国木田 独歩
太宰が中也を見る。 中也は腹を決め、頷いた。 太宰が唇を噛む。
太宰 治
国木田 独歩
中原 中也
答えにはならない応え。
中也の瞳に国木田が映る。
国木田 独歩
国木田 独歩
国木田 独歩
中原 中也
心当たりが多過ぎる。
授業に出て居ない事。 ずっと保健室に居る事。 きちんと面識のある先生なんて、数人しか居ない。
恐らく、一番中也の事を分かって居る太宰が必死に彼を庇ったのだろう。 だから教師達は判断が難しい。
国木田 独歩
黙って居る国木田の気持ちは中也にも痛い程分かった。
亜矢が自作自演したのでは、と思いつつも中也の事を信じ切れない。
中原 中也
何が違うのか。否…多過ぎるのだ。何もかもが違う。
答えとして、相応しくない。
国木田が中也を見る。
国木田 独歩
何に対しての謝罪なのか。これもまた、何もかもに対して居るのだろう。
国木田 独歩
太宰 治
国木田 独歩
出て行く際、太宰に云った国木田。太宰が目線を落とした。
太宰 治
再び太宰と中也の二人が部屋に残る。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
太宰 治
太宰 治
太宰 治
中原 中也
太宰が自分を安心させようとして居るのはわかる。 でも、中也の頭を埋め尽くすのは三文字だけ。
〝なんで〟
何故、自分が?
中原 中也
中原 中也
太宰 治
中原 中也
中原 中也
太宰 治
太宰 治
中原 中也
熱い息を吐き出す中也。 ぐっと瞳を揺らし、俯いた。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
中原 中也
何処かの教室からの笑い声が、妙に大きく聞こえた。
コメント
10件
初コメ失礼します!もう本当に好きです✨あフォロー失礼します
不穏ダァァァァでも好きィィィ 読者さん全員で亜美を処そう
二人の間の壁なんて!日本からブラジルまでの分厚い壁だろうと、無かったことになるほど消しとばしてやるぜ!!!今回も最高でした!ありがとうございます!!!