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ああ、ないこの人だったのかと彼を決して見ないようにしながら思った。そして私は絶対にこの人だけは好きにならない、と自分に誓った。
奏
あっ女の子と喋ってる
不意に奏がそう言うのが聞こえて、ぼんやりあの日のことを思い返していた私は我に返った。
奏は、フェンスに手をかけて、乗り出すようにして彼を見ている。
奏
あれ、2組の理沙ちゃんだ。可愛いよね。あのこ。。。性格もいいらしい
陸上部の部員がマネージャーの子と話すのは、当然のこと。でも奏は、心底悲しそうな顔をしている。
奏
あ、颯馬君笑ってる！いいなあ。笑顔可愛い。。。。
ショックそうにしたり、頬を赤らめたり、忙しそうな奏を見て春夏が噴き出した。
奏が
奏
ええー
と顔をしからめて春夏を見る
奏
嫉妬って、言葉悪いなあ
春夏
でも、本当でしょ
奏
そりゃそうだよ、好きな人が女の子と喋ってたらそりゃ妬くよ
菜々美が奏の頭をくしゃくしゃとかきまわして
菜々美
奏可愛いー
と笑った
菜々美
そんなに好きならさあ、もう告っちゃえばいいのに
菜々美が言うと春夏がキラキラと目を輝かせた。
春夏
そうだよ！告っちゃえ！奏だったら絶対OK貰えるよ、こんなに可愛いんだもん
2人に言われて、奏が
奏
ええっ
と声を上げて顔を真っ赤にした
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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