会員制レストラン

目の前に並ぶのは

豪華な料理ばかり

今日は

6歳になる孫の

入学祝いだ

知り合いの店であるココは

会員制のレストラン

若い頃は何でも美味く感じた

何を食べても

沢山食べれば満足できた

しかし、

仕事からのストレスで

体調を崩した

それからというもの

何よりの楽しみだった食事は

喉を通らない

それどころか

味を感じなくなってしまった

どんどん痩せていく私を見て

妻は心配をしてくれた

知り合いに相談

かかりつけの医師に相談

味の濃い料理を作ったり

私のために何でもしてくれた

それでも何も感じないのだ

ある日、

知り合いが店を始めるというので

妻と一緒に

その店を訪ねた

温かな料理が運ばれるなか

私はこの料理も味を感じないと思うと

悲しくなった

前菜を終え

メインディッシュ

運ばれてきたそれは

ハンバーグ

一口

口に運ぶ

！！！！

美味しい……

味がわかる…

美味しい！！

私は涙を流しながら

そのハンバーグを

口に運んだ

久しぶりの満足感

幸福感

妻も喜んでいたようだった

店を出る前

店長である知人に何の肉を使っていたのか

聞いた

そうそう

私が子供の頃は

肉は貴重な食材であったために

猫や

犬を食べていたこともあった

今では愛玩動物であるがね

あ、

人間も例外ではなかったそうな

ここは

会員制レストラン

珍しい食材も揃っている。

ここは

数少ない

人肉専門店だ