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私は小さいときから兄とふたり暮らしだった。
物心ついたときからふたりだけだった。
そして、私は吸血鬼だ。
それは、兄も同じだった。
先生
最近、吸血鬼が事件を起こしてるそうだけど
先生
お前らも気を付けろよ
先生
おい、橘
先生
話を聞け！
紅華
すみません…
気を付けようがない
こんな風に私だって人間に紛れ込んでいるのだから。
凛
紅華怒られてたねw
紅華
吸血鬼なんて興味ないし
紅華
つまんない
凛
怖いと思わないの？
紅華
別に
暁斗
ごめん紅華
暁斗
血がなくなったみたいだ
暁斗
取ってくる
紅華
待って、
紅華
お兄ちゃん、私にも行かせて
暁斗
ダメだ、危ないから
暁斗
紅華は女だろう
紅華
でも…
紅華
ごめんなさい
暁斗
待っていて。
紅華
うん。
暁斗
はぁ、僕のかわいい妹
暁斗
僕の血を飲んでるなんて知らずにな…
暁斗
紅華は僕の血しか飲めないのに…
暁斗
紅華…愛してるよ…
暁斗
ただいま
暁斗
取ってきたよ
紅華
ありがとう
紅華
うん、美味しい
紅華
ねえ、いつも同じ人だけどさ
紅華
なんでなの？
暁斗
味が分かるのか？
紅華
私だって、味くらい分かるよ
紅華
この人の、すごく美味しい
紅華
いつもありがとう、お兄ちゃん
凛
ねえ、紅華ってなんでいつもお弁当なの？
凛
学食食べられないの？
紅華
私、結構アレルギーあるの
凛
いいなー、お兄ちゃんが優しくて
紅華
うん。自慢のお兄ちゃんだよ
凛
ねえ、一口ちょうだい！
紅華
え、ちょっと待って！！
ﾊﾟｸ
凛
うえっ、ゲホッ
凛
なにこれ、まっず！
凛
可笑しいよ、変なの
紅華
…
凛
あんたも、あんたのお兄ちゃんも可笑しいよっ
凛
ゲホッｳｴｯ
紅華
え？
紅華
凛…
紅華
お兄ちゃんのこと、悪く言わないでよ…！
ガッシャン
凛
きゃあ！
紅華
お兄ちゃんのこと、悪くいったやつは許さない…！
ﾓﾜｰｰﾝ
凛
うわ、紅華
凛
なにそれ、血！？
凛
もしかして、紅華吸血鬼！？
凛
きゃあぁぁぁ！
紅華
ごめん、お兄ちゃん
暁斗
どうした？
紅華
やらかした
暁斗
今いくから
紅華
ごめんなさい、わたしのせいで
暁斗
謝ることじゃない
暁斗
しょうがないよ
紅華
ごめんね、ごめん
暁斗
大丈夫
暁斗
それより、僕のことをあんなに想ってくれてるなんてね
紅華
え、どういうこと？
暁斗
ずっと見てたよ
暁斗
紅華のこと好きだから
紅華
え、意味わかんない
紅華
気持ち悪いよ…
暁斗
は？
暁斗
今まで血を飲ませてやってたのは誰だと思ってるんだ
暁斗
紅華と僕は誓約を結んだ
暁斗
ずっと、何があっても紅華のことを守ると誓った
暁斗
その代わり、紅華は俺の血しか飲めない体になった
紅華
あ…
暁斗
お前は俺から逃れられない
暁斗
愛してるよ、紅華
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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