ぺいんと
きっちりと閉めたはずのカーテンから、鋭く日差しが入り込んでくる。もうとっくに太陽は昇り切った頃だとわかる
ぺいんと
昨晩少しばかり前に録画した動画の編集をし、そのまま眠くなるまでひたすらゲームをして倒れ込むように眠った
自堕落、と言われそうな生活だが案外規則正しいのではと本人は思っている
昼も過ぎたころ起きるのはいつも通りだし、軽く体を動かしたらシャワーを浴びて家事諸々を済ませつつ、馴染みの宅配業者に食事を頼む
家から一歩も出ないで生きていけるなんて、最高だなとしみじみ思うほど、ぺいんとは外に出るのをかなり嫌がっていた。
ぺいんと
配達されたファストフードを頬張りつつ、スマホやPCに届く通知やメッセージをざくざくと拾い上げていく。
見知った名前を偶々見つけて開いたら、やはりコラボのお誘いだった。
ぺいんと
ぺいんと達四人と、相手のグループと、さらにまた有名な配信者グループとの企画らしく、企画案を読むだけでもワクワクさせられる。
ぺいんと
夜にまた集まるいつものメンバーだが、知ったからにはワクワクして早く話したくなる。しかしこういうのはそうなかなか口外できるわけがない。
だとすれば仲間内しか話せない。
ぺいんと
ぱっと思いついたのがクロノアの名前と顔だったが、おそらく取り込み中だ。
なんの用事かなんて、聞くのも野暮だし仲は良くても私生活に踏み込みすぎるのは申し訳ない。
きっと忙しいところに、ぺいんとがテンション高く報告してもすぐ反応は無理だろう。
ぺいんと
今日遅れて来た彼を驚かせようと企んで、それも含めてトラゾーとしにがみに話をした。
二人とも時差はあれど、めちゃくちゃ驚いて喜んでくれた。うんうん、その反応が見たかった。
人様の企画だけども。
ぺいんと
ぺいんと
その時、なんとも言えない寂しさが胸の奥に湧き出てきた。仲間内四人ともそれぞれ価値観も恋愛観も違う。トラゾーは既に運命のお相手と出会っているし、しにがみはいつのまにか恋人がいるとさりげなく報告してくる。
ただ、クロノアは好きな事に対する情熱や恋愛観はぺいんとに似ていて、恋人を作るなんて到底まだ先だと勝手に思ってはいた。
勝手に恋人がいると決めつけて、勝手にセンチメンタルになるなんて。
ぺいんと
だからと言ってぺいんとも恋人を…と思えない。一人で毎日面白く楽しく生きる事で必死すぎるのもあって。
自分は変わらなくても、仲間が変わっていく事が少し、────怖い。
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