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星を知っているだろうか
図形のやデザインで見かける星
聖夜にオーナメントとして飾られる それもまさしく星なのだろう
憧憬する人物だって星だ
この世に星はたくさん存在する
そう、まさしく星の数ほど
こんな話を知っているだろうか
人は死ぬと星になるらしい
決して手の届かない位置から 自分にとって大切な人達への 幸福を願うのだという
見守り、慈しむ
慈愛の星
ならば、彼らはどうなのだろう?
人ならざる者も 等しく星となれるのだろうか?
【 星になりたい子 】
戦争から始まったこと
ありきたりで二番煎じな話始め
でもそれは確かにその戦争の中で なんの脈絡もなく
ぽーん
と投げ込まれたものだった
みどりくん
中央に向かって緩やかな弧を描く それはどう見ても爆弾のように思える
着弾すればらだおくんどころか その周囲にいる敵味方諸共 吹っ飛ぶだろう
みどりくん
今は敵と切り結んでいる最中… 力の弱い俺が相手を押し返してから 助けに向かって間に合うのか?
みどりくん
みどりくん
それならどうするか
みどりくん
ググッ…とその場の空間が歪んで 相手ごと少々強引に上空に飛び出す
間に合わないなら 着弾する前に対処してしまえばいい
少なくとも俺が被弾した方が 戦局的、物理的に考えても ダメージが少ないはずだ
みどりくん
風にはためく袖から手を伸ばして 初めて見た形の爆弾に指先が触れた…
その時
みどりくん
夜空の一等星に直接触れたと思う程 眩い光が目を奥の奥まで焼き貫き 鋭い痛みが両目に走った
同時に激しい爆音が至近距離で 被爆したことで鼓膜を劈いて その音が頭の中でハウリングする
強制的にブラックアウトした視界
みどりくん
あの爆弾が従来の閃光弾のように 視覚を潰すための物だと理解すると
「自分の行動は正しかった」
そう心の底から安堵した
このレベルの目潰しに加えて 近距離被爆による鼓膜破壊とか…
もし止められていなかったら
混乱の渦中に敵軍が本物の爆弾を 投げ込みミナゴロシ…
なんてことになっていたかも
みどりくん
機械か何かで投擲されでお陰で かなり上空にある状態で爆破できた
らだおくんたちへの被害は 軽微であるはず…
みどりくん
みどりくん
少しよろめきつつ着地して 辺りを警戒を始めた
視力と聴覚が戻り次第 みんなのところに避難しよう
みどりくん
誰かが勢いよく駆け寄って来た 反射的に剣を振ると受け止められ…
いや、これは横槍が入っ… あれ…ちがう…?
みどりくん
これは… お日様みたいな、あったかい気配
みどりくん
みどりくん
すっかり手に馴染んでいるはずの 磨き上げられたダイヤモンドの剣は 俺の手から簡単に滑り落ちた
澄んだ音を拾うはずの耳からは 今だに何も伝わらない
状況を把握するために開いている 目からは爆発した時と変わりない 暗闇が広がっているだけ…
みどりくん
何も把握できないのに 鈍い感触を受け止めた手は冷たくて 目からはボロボロと涙が流れていた