第三十七話 たった一人で戦い続ける者達 神の欠片1
視界が変わって 最初に見えたものは暗闇だった
そこから押し出されるように 門から出たきりやんは
足を滑らせて地面に転がった
きりやん
Nakamu
Broooock
きりやん
そこから次々と転がってきた NakamuとBroooockが
きりやんにのしかかり
きりやんはカエルが 潰れたような声を出した
門にはきんときと シャークんが立っていて
二人は門から顔を出して きょろきょろと辺りを見回していた
きんとき
地面が赤黒く染められて出来ており 全体的に光源が少ないためか薄暗い
それに熱気が辺りを覆っていて 次第に汗が出てくる暑さだ
きりやん
きりやん
Nakamu
Nakamu
Broooock
Nakamu
Nakamu
Broooock
Broooock
きりやん
一番下にきりやん、その上にNakamu そして一番上にBroooockが乗っている
三人がわちゃわちゃしているところに シャークんがぱっと笑みを浮かべて
上着を脱ごうとしているBroooockの隣 つまりNakamuの上に座った
Nakamu
Nakamu
シャークん
Broooock
きりやん
きんとき
きんときがぺいぺいっと Broooockとシャークんの背中を押して
Nakamuの上から下ろし Nakamuを立ち上がらせた
きんとき
Nakamu
Broooock
Broooock
シャークん
シャークん
きりやん
きりやん
きりやんも立ち上がり 五人はようやく周囲を確認し始めた
周りはでこぼことした壁があり どこか洞窟に閉じ込められている様子だ
道という道はなさそうに見えたが なんとか人が通れそうな穴はあった
Nakamu
きりやん
シャークん
きりやん
全員がシャークんに注目した
きりやん
シャークん
きりやん
Nakamu
Broooock
きりやん
きりやん
きりやん
こくんと頷いたシャークんに
きりやんはぴきっと眼鏡に ひびが入った気がした
Nakamu
きんとき
シャークん
Broooock
きんとき
シャークん
きりやん
きりやん
Nakamu
きりやん
きりやん
きりやんはふらふらとよろけながら 門に戻ると下界へと戻っていった
Nakamu
Broooock
Broooock
シャークん
四人は楽しそうに地獄探索を始めた
下界に戻って 一人で準備を始めたきりやんは
眠るスマイルの様子を見てから Broooockの館を旅立った
地図には見せたが
彼らは町からここまでたどり着くまでに
どれほどの時間を要するか 理解できただろうか
きりやん
きりやん
人間の身であるきりやんは徒歩だ
きりやんは四日間歩き続けた
神話遺跡にやってきたきりやんは 深い森の中に佇む廃墟に辿り着いた
きりやん
きりやんは――
この廃墟のような病棟で誕生した
彼の最も旧い記憶――
それがこの病棟での生活だった
彼は気付いたときからそこにいた
ここにはもう一人 自分と同じような奴がいた
互いに名前もなく 二人でここで育った
彼らには力があった
創る力と、壊す力
その力は大きいとは言えなかった
例えば手のひらに 丸いボールを創り出すとか
例えば小さな石つぶてを 粉々に砕いてみせるとか
そんな些細な力だった
彼らはいつもその力で遊んでいた
外に世界はなかった
柵で囲われたこの場所だけが 存在していた
彼らは二人だけで この病棟で生きていた
呟いたのはどちらだっただろうか――
どちらでも良かった
彼らはそれを自分だと思っていたから
そこでの記憶は あまりにも短いものだった
柵の外を創りたいと言った彼は
病棟にあったもので 色んな実験と試行錯誤を繰り返した
もう一人も手伝って 彼らは一つの可能性を見出した
それは、彼らの存在だった
二人が持つ小さな力
これをかけ合わせれば 柵の先を創造できる事を発見した
問題はどうやってその力を 掛け合わせるかだった
一人は悩み続け――
一人は結論を出した
結論を出した彼は――
もう一人が眠っている間に すべてを終わらせてしまった
彼は日記を認めた
待っていて 必ず戻ってくるから
彼は眠っていたもう一人を 機械につなぐ
そうして自らも機械につないだ
眠っている彼を見つめて
彼は子供のように無邪気に笑った
スイッチを押した彼は
機械の光に飲み込まれて消えた
目覚めた残されたもう一人には
創造の力が備わっていた
目覚めたもう一人――
きりやんは、その全貌を知らなかった
きりやん
きりやん
きりやん
こつこつと床を踏み鳴らして
きりやんはゆったりと歩きながら 病棟を見て回る
ここに誰かを案内したことはなかった
ワイテルズの皆を連れてくるなら
彼らが初めての客になるだろう
歩いていると 一冊の日記が目に留まった
それを触ろうとはしなかった
多分触れると ぼろぼろに崩れ去ってしまうだろうから
だがきりやんは その内容をすべて覚えていた
きりやん
漏れ出た声を聴かなかったかのように きりやんは歩き出した
天界へ至るための門―― エンドポータルは閉じられていた
きりやん
きりやん
きりやん
天界へ至るための門までの ルートは確立できた
きりやんは静かに病棟を後にした
地獄を探索していた四人は 地獄を満喫していた
Nakamu
きんとき
Broooock
シャークん
シャークん
地獄には魔力が満ち溢れていた
記憶を取り戻した四人は 元来覚えていた魔法を使いながら
モンスターをなぎ倒していた
Nakamu
シャークん
シャークん
Broooock
きんとき
二足歩行して剣を持っている モンスターが多く見受けられたが
どうやらこの種族は 襲ってこないらしい
ところどころ腐蝕している 皮膚があるように見える事から
彼らはゾンビの類だろう
Nakamu
崖から下を覗き込んだNakamuが げっそりとする
その声を聞いた全員も下を覗き込んだ
シャークん
シャークん
Nakamu
シャークん
Nakamu
シャークん
見たことのないモンスターを見つけて Nakamuとシャークんがはしゃぐ中
きんときは帰り道を確認していた
Broooockはふわりと浮かぶと 崖から飛び立って地獄の空を飛び始めた
それを見たNakamuもBroooockに 続いて黒い翼を出して飛び始める
シャークんは飛び立つ二人を見送った
その隣にきんときが戻ってきた
きんとき
きんとき
シャークん
シャークん
きんとき
きんとき
シャークんは地面に手を付くと
そこから魔法で地面を伸ばして 崖を伸ばしはじめた
きんとき
シャークん
きんとき
シャークん
きんとき
きんとき
シャークん
きんときは崖から飛び降りて
溶岩すれすれまで下りて ふわりと浮かんだ
きんとき
溶岩の熱気で 身体が徐々に焼けていく
きんときの本体は霊体のため
身体に傷を負ったところで 支障は一切ない
きんとき
きんときは魔法で 溶岩の底から地面を盛り上げ始めた
コメント
2件
とても素敵な世界観、引き込まれました。 続きを楽しみにしています😃