ビブリオテラー企画用コラム

こちらは鬼怒川美葵さんによるビブリオテラー企画に則った

独断と偏見による紹介コラムです

小説とはまた違う読み物ではありますが

これを読む方にも楽しんでいただけるよう務めますので

どうぞ最後までご覧いただけますと幸いです

今回の表題は小気味よさ

少々意味が分かりにくいかも知れませんが

簡単に言うと、胸がすっとするという意味です

胸がすっとする状況というと、どんな物があるでしょう

筆者が思う小気味よい状況というと

やはり悪者がその悪事に応じた報いを受ける展開は

納得とともに小気味よさを覚えます

あえて後味が悪い展開にする作品も魅力ではありますが

小気味よい展開が続く方が読者的ストレスがないのも

確かなことではないでしょうか

そんな展開を魅力的に書く作家さんがいます

小紅べに子さんです

ではこの方の作品のどこが魅力的であるのか

より詳しくご紹介していきたいと思います

まずご紹介したいのはこちらの作品

「呪い屋さん」

あらすじ

どんな呪いも自在に操る力を持つ少年･春希

チャット上でのやり取り１つするだけで

相応の対価を受け取る代わり

どんな呪いや呪具も売ってくれる

そんな春希の元には、常に様々な依頼が舞い込む

ある日春希に届いたのは、激しい怒りを伴う依頼

幼い娘を殺された父親からのそれは

やがて思いがけない展開へと進んでいく――

ちょっとマニアックな情報になるのですが

呪いには「逆凪(さかなぎ)」と呼ばれるモノがつきものです

人を呪わば穴二つということわざもあるほどに

人にかけた呪詛は、呪った人間自身にも

同じ大きさの呪いが返って来るという摂理

因果応報関係がはっきりと成立しているわけです

この作品の依頼者達は様々な状況で呪いを求めますが

悪いことを考える人間ほど、相応の報いを受けます

だからこそどんな展開が来ても安心して読める

これは特に、ハッピーエンドを好む人にとって

かなり読み始めやすい要素ではないでしょうか

また、実は

小紅べに子さんは以前もTELLERを利用なさっていました

その頃はみじんこMimimiのお名前で活動なさっており

ご紹介している「呪い屋さん」シリーズや、関連シリーズの

第１作がそちらのアカウントで投稿されています

このコラムで作品に興味を持ってくださいましたら

是非そちらも併せてご覧いただければと思います

次にご紹介したいのはこちらの作品

「花いちおとめの紙しばい」

あらすじ

天気予報に反し、土砂降りの雨に見舞われた主人公

雨宿り先を探すうち、なにかに呼ばれた気がして

暗い森の中に足を踏み入れていく

辿り着いた小さな館は鍵が開いていたこともあり

主人公は恐怖を抱きながら、濡れた体を休めることにする

そこで出会ったのは、一人の不気味な少女

紙芝居屋の花いちおとめだった――

こちらはまだプロローグしか公開されていませんが

だからこそ、リアルタイムで楽しめる利点があります

ただし、こちらには少々注意事項が。

タグには「実話含む」とあります

さらに作中にはこんな文言も。

「調べてはいけない、歌ってはいけない」

有名な実在の呪い、「コトリバコ」のように

調べてはいけない類いのモノが出てくるかも知れません

好奇心の強い人は、くれぐれもご注意を

こちらの作品を読んで、本当になにかが起こっても

それは調べたり、歌ったりしたアナタの責任です……

いかがでしょうか、小紅べに子さんの作品

少しでも興味をそそり、好奇心をくすぐり

魅力の片鱗を感じていただけたのなら嬉しいです

Twitterでもたくさんの創作をなさっている方で

イラストもすべて自作でお描きになっています

小説の内容そのものももちろんですが、

イラストも充分以上に楽しめる作家さんです

是非一度個人ページもご覧ください