夜side
紗菜
君はそう言っていた 梅雨時ずぶ濡れのまんま 部屋の前で泣いていた
夏が始まったばかりというのに 君酷く震えていた そんな話で始まる あの夏の日の記憶だ
紗菜
いじめっ子
紗菜
ドンッ
いじめっ子
紗菜
紗菜
そんな君に私は言った
夜
財布を持って ナイフを持って ケータイゲームもカバンに詰めて いらないものは全部壊していこ!! あの写真も あの日記も 今となっちゃもういらないさ 人殺しとダメ人間の君と私の旅だ ooh,ah-ah
夜
紗菜
そして私達は逃げ出した この狭い狭い世界から 家族もクラスの奴らも 何もかも全部捨てて君と2人で 遠い遠い場所で死のうよ この世界に意味などないよ 人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか!! 君は何も悪くないよ 君は悪くないよ
ギュッ
結局私達誰にも愛されたことなど無かったんだ 嫌な共通で 私達は簡単に信じ合っていた 君の手を握った時 微かな震えもなくなっていて 誰にも縛られないで二人で線路の上で歩いた
夜
紗菜
店員
物を盗んで 二人で逃げて どこにも行ける気がしたんだ今更怖いものは私達にはないんだ! 額の汗も 落ちたメガネも
夜
夜
紗菜
紗菜
あてもない彷徨う蝉の群れに 水も無く 揺れ出す視界に 迫り狂う鬼に怒号に バカみたいにはしゃぎあい ふと君はナイフを取った
紗菜
紗菜
そして君は首を切った まるで何かの映画のワンシーンだ 白昼夢を見ている気がした
夜
カチャン
警察
夜
気づけば私は捕まって 君がどこにも見つからなくって 君がどこにも居なくって
数ヶ月後
そして時は過ぎてった ただ暑い日暑い日が過ぎってた 家族もクラスの奴らもいるのに 君だけがどこにもいない あの夏の日を思い出す 僕は今でも歌ってる 君をずっと探しているんだ 君に言いたいことがあるんだ
九月の終わりにくしゃみして 六月の匂いを繰り返す 君の笑顔は 君の無邪気さは 頭の中を飽和している
夜
夜
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