これはテオドールの過去の物語

僕ら兄弟はどんなときもここで遊んでいた

僕は確か...大のお姉ちゃん好きだった

それで兄上とも仲良かったよな

でもいつからみんなバラバラになっちゃったんだろ

確か僕が姉上を殺してしまった時からだ

僕ら姉弟は何故か人間の血の方が少し強かった

そして父の手によって 魔族の血を濃くした

たしかあれは3回目の血を貰った時

僕は何かが変わり暴れたんだよな…

僕を止めようとしてくれた兄上は父の魔法によってどこかへ消された

両親は僕を1番に愛してくれた 姉上と兄上よりも遥かに

だから勘違いしたんだ でも僕ら姉弟はただ利用されるだけの道具 に過ぎなかった

父は直ぐに逃げ 僕が豹変しかけた時

姉上が助けに来てくれた

姉上は魔法を使い 僕をお鎮めようとした

だけど無駄だった

父上の持ってくる毒が強力で 姉上の強力魔法は効かなかった

そして僕はついに自分を抑えれなくなり

姉上を手にかけてしまった

そしてその数分後

僕はやっと正気を取り戻した

だけどその時にはもう遅かった

血を大量に流し身体が冷たくなっていた姉上の姿があった

その時1つの光が姉上の心臓を差した

魔族特有のお別れの言葉を言う時間

神様が与えてくれる時間

この言葉を言い残し姉上は旅立った

兄上は父からの呪いを解き たどり着いた時にはもう遅かった

兄上は全てを察した顔をしていた

泣きまくる僕に手を差し伸べてくれる人はもう居ない

これからは自分で何とかしなきゃと思いこんでわざと強く見せた

今まで誰にもバレなかったことなんてなかったのに

なのに

この時思った

僕は誰かに気付いて欲しかった 誰かからあの時みたいに光が欲しかった 偽りだらけの僕を壊して欲しかった と

この子は分かってくれた

嬉しかった 今まで隠してたもの全てが溢れ出てきた

闇の世界、闇の心、闇に包まれた世界に1本の心の光が差し込んだ

姉上は不器用で優しい言葉が棘のある言葉になっている時があったけど

僕はある意味救われてたんだ

きっと、この子に会いに行ってたのは 姉上と自然と重ねてたのかもしれない