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車に揺られるなか
外には清々しいくらいの青い海
開いた窓から海風が入ってくる
あまりにも天気がよくて
数日前までの寒さが嘘のようだ
隣を見ると、また昆虫のような サングラスをつけていて
窓から入る風が栗色の髪をかきあげる。
なんて海が似合う男なんだろう
"🎵お~おっきなのっこの古時計~↑"
江名子
"🎵おじい~さんの~~ﾄ↑ｹイ"
江名子
江名子
樹
江名子
江名子
樹
風に揺られながら、少しはにかむ
なんとなく樹がモテるのが 分かった気がした
樹
手際の良い手つきで駐車場に バックで入れる樹
周りを見渡すと、
なんだかカラフルでお洒落な 店が一軒。
樹
店員さん
樹
江名子
ドアを開けるなり、
ヘアカット最中の美容師さんたちが 一斉に頭を下げる
江名子
店員さん
樹
店員さん
江名子
店員さん
店員さん
樹
店員さん
江名子
店員さん
店員さんはニッコリ微笑み
ガラスの扉を開けると
江名子
広い部屋の一面に服が並んでいる
店員さん
店員さん
女性たちが流れるように目の前に マネキンを置いていく
江名子
店員さん
店員さん
江名子
いつも着ているような 上は黒いV字の半袖
下はエスニック風の柄スカート
カーテンを開けると
ソファに深く座る樹と対面する
目が合うなり
樹
左手をヒラヒラさせる
江名子
樹
２着目
樹
３着目
樹
４着目
樹
江名子
江名子
店員さん
店員さん
店員さん
樹
樹は照れくさそうに前髪をくしゃっとする
店員さん
５着目
恐る恐るカーテンを開ける
いつもとは真逆の
上はふんわりレースで透け感があって
下はピチッとした桜色のスカート
江名子
樹
樹は見るなり口を空けている
そして
持っていたサングラスを落とす
江名子
樹
そう真面目な顔で呟くから
江名子
思わず顔が熱くなっていく
店員さん
店員さん
店員さんは樹に近づくと、こそこそっと囁く
店員さん
樹
江名子
何の話だろ
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