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放課後。 桜井凛は両腕に教科書を抱え、学園の図書館へと向かっていた。
桜井凛
図書館の扉を開けると、外の喧騒が嘘みたいに静まり返る。
高い本棚、並んだ机、 窓から差す柔らかな夕陽。
凛は深呼吸しながら歩き出した。
参考書を探して本棚を覗き込むとーー
黒瀬慧
桜井凛
突然、隣から低い声がして、 凛は飛び退いた。
そこにいたのはピンク髪の男子生徒。
整った顔立ちに鋭い目つき。 黒瀬慧ーー同じクラスの無愛想で有名な男子だ。
桜井凛
黒瀬慧
桜井凛
黒瀬慧
慧は無言で棚の上段から1冊を抜き取り凛に差し出した。
黒瀬慧
桜井凛
黒瀬慧
慧はすぐ視線を逸らし、 自分の本を読み始める。
そのそっけなさに、凛は少しむっとしながらも本を抱えて机へ向かった。
机に向かってノートを広げる凛。 だが、参考書を見てもやっぱり難しい
桜井凛
その声に隣の席で本を読んでいた慧が、小さくため息をついた。
黒瀬慧
桜井凛
慧は凛のノートを引き寄せ、 さらさらとペンを走らせる。
黒瀬慧
桜井凛
思わず笑顔になる凛。 慧は少しだけ目を丸くしたが、 すぐに視線を逸らした。
黒瀬慧
桜井凛
その時、別の席から声がした。
ソフィア▪️アスカルト
白い肌に銀髪の少女ーー ソフィア▪️アスカルトが近づいてきた。手には分厚いロマンス小説を抱えている。
桜井凛
ソフィア▪️アスカルト
桜井凛
ソフィア▪️アスカルト
ソフィアはにっこりと笑い、慧にも軽く会釈をした。
ソフィア▪️アスカルト
黒瀬慧
さらに奥の席から、 別の人物が現れる。
宮野志保
冷たい声。 現れたのは3年生の宮野志保。 茶色い髪のショートヘアで知的な雰囲気を漂わせている。
桜井凛
宮野志保
桜井凛
宮野志保
冷たく突き放すように言うが、 その瞳は真剣だった。
ソフィア▪️アスカルト
桜井凛
その後も、凛は慧に数問教えてもらいながら宿題を進めた。
桜井凛
黒瀬慧
桜井凛
慧は顔を少し赤らめ、咳払いした。
黒瀬慧
帰り際。 ソフィアと志保も一緒に図書館を出ることになった。
ソフィア▪️アスカルト
宮野志保
桜井凛
黒瀬慧
慧はその言葉を小さく繰り返し、ほんの少しだけ笑った。
夕陽が差し込む廊下を4人は並んで歩く。静かな図書館で芽生えた小さな交流は凛の学園生活にまた新しい色を加えていくのだった。