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優子
おっはよぉー！
智彦
…
優子
どうしたの、暗い顔してさぁ？
智彦
昨日、ビックリしたんだぞ！
優子
あぁ…そうだったね！
智彦
そうだったね！じゃないだろ？
智彦
なんでお父さんが電話に出るんだよ？
智彦
いつも通りかけたのに
優子
ごめん！ごめん！
優子
その日に限って父が早く帰って来てて…油断してた
智彦
思わず「誰だよ？」ってタメ口で聞いちゃったぞ
優子
父はなんて？
智彦
優子の父です…と
智彦
逆に「おたくは？」と聞かれて
優子
なんて答えたの？
智彦
高校三年生の渡辺智彦です…と
優子
高校三年生って必要？
智彦
頭が真っ白になったんだよ！
優子
あはは！なるほどね
智彦
勘弁しろよ、まったくもぉ…
優子
父には電話に出ないように言っておくから…ね？
智彦
いくら仲が良くてもそうしといてくれよ
優子
ところでさぁ…
優子
進路は決まった？
智彦
あぁ…やっぱり東京の大学に行く
智彦
優子は？
優子
私は…やっぱりここに残ることにした
智彦
そっか…
優子
寂しい？
智彦
ぜ、全然寂しくないから！
優子
無理しちゃって
智彦
そうなると…
智彦
遠距離恋愛になるよな、俺たち？
優子
そうね、こんな私で良ければ
智彦
そ、そりゃ…
優子
そりゃ…なに？
智彦
ゆ、優子じゃなきゃ…ダメだ
優子
あら、そう？
智彦
何だよ⁈
智彦
少しは感動しろよ！
優子
してるわよ、十分にね
智彦
…ならいいけど
優子
遠距離が始まったら手紙書くね
智彦
手紙⁈
智彦
今どき？
優子
今だから必要なんじゃない！
智彦
そうか？
優子
そうなの！
優子
書いてる時間も幸せなの！
智彦
ふ〜ん
優子
リアクションうすっ！
智彦
冗談だよ！俺も書くわ
智彦
…とか言いながら書いたことあるんだっけ、俺？
優子
知らないわよ、そんなこと
智彦
けどよ、やっぱり会えないのは寂しいよな
優子
なによ、急に…
智彦
寂しくないのか？
優子
…そりゃ寂しいわよ、私だって
智彦
どこでもドアがあればいいのにな
優子
ほんとそうね
優子
いつかできるかな？
智彦
そうだな
智彦
そんな未来が…
優子
そうだ！
智彦
な、何だよ⁈今、いいところだったのに…
優子
手紙と一緒に写真も送っていい？
智彦
わざわざ？
智彦
もぉ…好きにしてくれよ
優子
じゃあ、送るね！
智彦
…俺も送るよ
優子
素直じゃないんだから
智彦
うるせぇ！
優子
父に開けられないように注意するね！
智彦
笑えないよ…
智彦
いっそのこと、手紙や写真が優子に直接届けばいいのにな
優子
あら、それは便利ね
智彦
だろ？ついでに電話もさぁ
優子
あはは！言えてる
優子
…例えば、私専用の電話とか
智彦
ついでにそれに手紙や写真も届けばもっと便利じゃない？
優子
素敵ね！
智彦
名付けて…
智彦
個人専用小型万能電話なんてどう？
優子
ダサっ！
智彦
じゃあ、なんて名前にするんだよ？
優子
電話は英語でフォン…
優子
色々できて賢いってことだから
優子
スマートフォンってどう？
智彦
いいんじゃないか！
優子
ワクワクするね！
智彦
絶対…
智彦
そんな未来がくる
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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