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すち

美味しかったぁ…

俺らは幾つかの屋台を巡った。

りんご飴に綿飴、たこ焼きにイカ焼き

カステラとかそう言うのも、 あ、焼きそばも食べた。

適当に食べ歩いても結構腹には溜まる

お腹いっぱいになって、 俺らはまたベンチに座った。

暇72

人、増えたね、

暇ちゃんはそう言って、 満天の星空を見つめる。

すち

そうだね、増えた。

俺もそう答える。

暇72

…また、来れるかな。

暇ちゃんはそう呟く。

なんで、そんなことー…

紺色のキャンパスには、 白い星が散らばっている。

これが、俺らの最後かもしれない。

今の俺にとっては、最初で最後なのかもしれない。

奇跡、なんてものは信じない。

彼が、もう時期亡くなるのは、 決まってしまったのだから。

なにか、できることといえば、

今生きている彼を

存分に楽しませてあげることだと

俺は思った。

後ろにあるライトが、 光を増す。

そう思えば、少しだけ、 目頭が熱くなった。

夏祭り。

年に一度の夏の祭り。

町が祭りを開いて

たくさんの人を呼んで

混雑ながらも、花の咲く、空を見上げる。

そんな祭りが、

俺らの思い出になる。

いくつもの口にした

その屋台の食べ物でさえ

すれ違いざまでぶつかった

人の感覚まで、

遠くて届かないのに、

空に手を伸ばす君でさえ。

俺の、全てであった。

心に残る、

最高の思い出になるんだ。

届かないね、

とそう笑う君は、

どこかの星の王子さまなのだろうか

儚くて、尊くて

いつかすぐ、居なくなってしまうのだろうか

きらりとひかる瞳。

夢を追いかける、子供のようだった。

なぜ彼が死ななくては行けないのか

なぜ彼が

病という呪いに、かからなくては行けなかったのか。

不意に、彼を抱きしめたいと思った。

頰を伝う水滴に、

俺は今更気がついた。

一人じゃないと、教えてくれたのは 君だから。

俺を残して、

いかないでー…。

アナウンス

…夏祭りにお越しの皆様に連絡します

アナウンス

午後8時、ーー川にて花火が打ち上げられます。

アナウンス

残り時間わずかとなりますので、お急ぎめに移動をお願いします。

君の記憶が、途絶えた日。

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