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雨
真
真
百目真が声をかけると、建物の影に身を潜めていた民衆が安堵の色を浮かべて顔をのぞかせた
街に徐々に活気が取り戻されていく
その様子を見届け、2人―百目真と寿雨はハイタッチをする
その時、足元から声が聞こえた
少女
雨
少女
もじもじと照れくさそうに頬を赤らめ、少女は四つ葉のクローバーを雨に手渡した
雨
少女は嬉しそうに笑い、彼女らに向かって敬礼をした
思わず彼女らも手を掲げる
雨
寿 雨(コトブキ アメ) 影特殊部隊第三部隊所属。真の"恋人"である女性。利益主義。血液操作・転移能力保持
真
雨
声をかけられハッとする
真
真
百目 真(ヒャクメ シン) 影特殊部隊第三部隊所属。明るく快活な女性。深く考えることは苦手。半人半影体質
お互い顔を合わせて笑う
「ボクたちを楽しませてヨ!」
真
その時、通信機から声が聞こえた
???
真
界人
界人
大げさに雨がため息をつく
雨
雨
界人と真がため息をついた
界人
界人
通信はそこで途切れた
渋る雨の手を引き、真は歩みを進めた
街に大きな異常はなく、淡々といつも通りのルートを探索した
第三次世界大戦から20年余―街は整備されており、中央都市に認定されるほどにまで復興が進んでいる
よくもまあここまで建て直したよなぁ、と雨は感心した
雨
真
雨
真はジトッとした目で雨を見つめる
真
雨
真
ふと雨が歩みを止めた
真
雨
「13時だけど」と真は答える
雨
雨
彼女の視線の先には一人の少年がいた
電子機器片手に、ひどく混乱しているように見える
真
雨
2人顔を見合わせ、頷く
真
少年は小動物のように体を縮め、こちらに目を向けた
少年
雨
またもや少年は縮こまった
少年
彼は羽織っていたカーディガンをギュッと握る
彼の濃紺がかった黒髪は緩やかにウェーブしており、目にかかるほど伸ばされている
その隙間からゆらゆらときらめく瞳がのぞいていた
突然、雨は彼に顔を近づけた
雨
真
彼女はミルクティー色の毛髪をねじりながら考え込む
雨
雨
真
真
情況が掴めないという風に少年は2人を交互に見ている
真は彼に向き合い、話しかける
真
少年
少年
彼の言葉に嘘はなさそうだった
例に漏れず、彼も誤って"こちらの時空"に来てしまった異邦人らしい
まさか本当に出会う日が来るとはなあ、と真は興味深げに彼を見つめた
雨
思わず真と少年は同時に雨の方を見る
雨
通話を終え、スマホを外套のポケットに入れる
雨
―影特殊部隊本部―
真
界人
九条 界人(クジョウ カイト) 影特殊部隊第三部隊長。冷徹そうに思われるがただ不器用なだけ。身体強化異能保持
界人は取り出しかけた煙草を箱に戻し、スラックスのポケットに手を入れた
総隊長室は一見整然とされているが、机上には数多の資料や封筒が積み重なっている
ダークウッドを基調とした扉とワインレッドの絨毯が映える
雨
界人
彼の背後から10代の少女が顔を出した
ピンク色のリボンが頭上でぴょこんと跳ねる
目にはクローバーのような模様が刻まれていた。異邦人の特徴としてわかりやすい
少女
少年
異邦人2人はお互いの姿を見て目を丸くした
雨
界人は小さく咳払いをして告げた
界人
界人
界人
雨
「あ、真ちゃんは私の恋人だからでは出すなよ」と真顔で付け加えた
真
真
上下関係を感じさせない雰囲気に、少し2人の表情も和やかなものとなった
矢城
矢城 勇也(ヤシロ ユウヤ) 異邦人の少年。礼儀正しく物腰が柔らかい。ただ、その笑顔の裏には…?
矢城
先程の動揺ぶりからは想像もつかない笑顔だった
矢城に肘でこづかれ、少女はびくりと肩を上げた
美羽
園崎 美羽(ソノザキ ミウ) 異邦人の少女。天真爛漫。正義感が強すぎるあまり行動が裏目に出ることがある。
美羽
美羽
矢城
頭上のリボンに似合う元気な少女だ
穏やかな少年とハツラツとした少女。並ぶだけで画になるなと3人は思った
真
扉が勢いよく開かれた
一同の視線が扉に集中する
しかし、矢城と美羽の視界に人は見当たらなかった
いや、正式には―視界の更に下にいた
雪
雪(ユキ) 影特殊部隊総隊長。少女の外見を持つ不老の女性。重力操作異能保持。
『こ、子供?!』
矢城と美羽は声を揃えて叫んだ
横では3人が笑いを堪えている
雪
矢城
雪
美羽
界人
「すまんすまん」と表情を変えずに雪は返事をした
雪
雪
雪
初めて見る異邦人、しかも2人
真は密かに心を躍らせるのだった