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先生、好きです。

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先生、好きです。

4 - 先生、好きです。

♥

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2024年08月15日

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あの日から、やたらあの神代先生が気になる。

俺は見かけたら声をかけるようになった。

彰人

お、神代先生〜

神代先生

おや、東雲くん。シャツはしまいなさい。

彰人

えぇ?別に良くないですか?

神代先生

駄目だよ。ボタンも開けるなら第一ボタンまでにして。第二ボタンは閉じなさい。

彰人

はいはい、分かりましたよ〜っと。

声をかける度に、こんな風に何かしら注意される。

神代先生

未だに課題、出さないらしいじゃないか。

彰人

え?あぁ、そうですね。

神代先生

君がそれでいいと思ってるなら、僕は何も言わないからね。

彰人

はぁ?

彰人

そんな事を言われて、ちょっとムカついた。

だから、試しに課題を出してみた。

彰人

天馬先生、これ。

天馬先生

ん?これは…

天馬先生

か、課題か?!?!?!

彰人

はい。

天馬先生

や、やって来たのか…っ!!!!偉い!偉いぞ彰人!!

天馬先生

この調子で次も頑張ろうな!!

彰人

それは分からないっすね。

彰人

(課題1つで大袈裟な…)

神代先生

あ、東雲くん。

彰人

ん?おぉ、神代先生。

神代先生

聞いたよ。課題出したらしいね。

彰人

はい。ま、でも普通の事なんでしょ。

神代先生

ああ、そうだね。でも…

神代先生

偉いと思うよ。やれば出来るじゃないか。

彰人

神代先生

これが続けられたら、もっと良いんだけどね。

少し胸がくすぐったいような感覚がした。

彰人

(??)

彰人

(何だこれ、変な感じがする…)

彰人

(…次も、出してみよっかな。)

職員室

天馬先生

♪〜

神代先生

天馬先生、最近機嫌良いですね。

青柳先生

あぁ。東雲の問題行動が減ったらしいですよ。

青柳先生

課題も3回に1回くらいの頻度で出すようになりましたし。

神代先生

ああ…毎回では無いんですね。

青柳先生

でも、授業はサボらずに受けるようになりましたよ。

神代先生

へぇ、いい事ですね。

天馬先生

神代先生のお陰です!

神代先生

えぇ?いや、天馬先生の努力の賜物だと思いますけど…

天馬先生

それもそうですけど、きっかけを与えたのは絶対に神代先生です。

天馬先生

ほら、最近よく彰人が神代先生に話しかけるようになりましたし。

神代先生

あぁ…たしかに、廊下ですれ違うと話しかけてくれますし、お昼もよく誘われるようになりましたね。

青柳先生

え、かなり懐かれてますね。

神代先生

本当に、何が面白くて僕なんかに懐くのか理解不能ですよ。

神代先生

天馬先生の方が面白いし、からかいがいがあるだろうに。

天馬先生

んん??褒められてるんですか…??

青柳先生

まぁ…神代先生にそれだけ懐いてるんだったら、神代先生が言ってくれればもっと課題も出すようになってくれるんですかね?

神代先生

そこまで懐かれている自信はないですけど…

神代先生

まぁ、僕も気にかけるようにしますね。

天馬先生

お願いします!!

彰人

あ、神代先せ…

三年生の生徒

あはははっw類にゃんしんどwww

神代先生

ちょっと、その呼び方やめてってば。神代先生でしょ。

三年生の生徒

ごめん〜!でも、類にゃんって可愛くない?

神代先生

いやいや、流石にキツイから。

神代先生

というか君、受験生なのに課題も出さずに遊び呆けてるって?

三年生の生徒

ぎゃ〜〜!!!やめて現実突きつけて来ないでぇ!!!

神代先生

まだ5月だからって油断してちゃダメだよ。あっという間に周りの子と差がついちゃうんだから。

三年生の生徒

耳が痛いよぉ〜〜

神代先生

だったら、せめて課題くらいは出しなさい。

三年生の生徒

わー!授業始まる!行かなきゃ!

三年生の生徒

ばいばい!類にゃん!

神代先生

あっ!もう…!って、おや。東雲くんじゃないか。

彰人

こんにちは〜

神代先生

こんにちは。移動教室かい?

彰人

はい、次理科なんで。

神代先生

そうかい。頑張ってね。

彰人

はーい。

彰人

分かっていた事だ。

先生の数より生徒の数の方が断然多い。

それに、神代先生は三年担当の先生だ。

自分の受け持つ生徒と話すのは普通の事。もちろん分かってる。

なのに、

彰人

(なんか面白くねぇ…つか、モヤモヤする…)

その時、思った。

きっとこのまま真面目に授業受けて、課題出して、問題を起こさなくなれば、段々と相手にされなくなっていくんじゃないか。

逆に、また問題を起こせば気にかけてくれるんじゃないか。

彰人

……

職員室

天馬先生

うぅー……

神代先生

おや…どうしたんですか?最近は機嫌良かったのに。

青柳先生

あぁ…東雲の問題行動がまた増えたらしいです。

神代先生

え?!

天馬先生

それも、以前より問題を起こすように…

青柳先生

授業にも顔を出さなくなりましたね。

天馬先生

他校の生徒と揉めて、怪我もさせたらしくて、この前指導もしましたし…

神代先生

え、えぇ?!

神代先生

な、何かあったんでしょうか…?

天馬先生

分かりません…

青柳先生

神代先生も何も知らないんですか?

神代先生

はい、何も…

神代先生

というか、最近はあまり見かけなくなりまして…

天馬先生

むぅ…どうしたものか…

神代先生

東雲くんとは話したんですか?

天馬先生

ええ、もちろん。

天馬先生

でも、ほとんど何も答えてくれなくて…

神代先生

そうですか…

神代先生

うーん…一応、僕も話してみますね。

天馬先生

すみません、お願いします…!

神代先生

こんな所にいたのかい。

彰人

…あれ、神代先生じゃないですか。

神代先生

そこで何してるんだい?またサボり?

彰人

はい、まぁそうですね。

神代先生

…何かあったのかい?

彰人

え?

神代先生

ほら、家で何か…とか、友達と揉めた…とか。何か不安になるような事でもあったのかい?

彰人

ん〜…特には無いですね。

神代先生

そうかい…

彰人

ふわ〜…先生仕事はいいんですか?

彰人

俺、今日はサボる予定なんでこれ以上は意味ないと思いますけど。

神代先生

神代先生

少し話そうか。

彰人

え?

屋上

彰人

え、屋上なんかいいんですか?つか、今授業中…

神代先生

今の時間は、僕の授業が無いからね。それに、君はどうせサボるんだろう?

彰人

まぁ…

彰人

でも、なんで屋上なんかに…

神代先生

覚えてるかい?これ、屋上で育ててるヘチマだよ。

彰人

うお、本当だ。すげ〜

彰人

てか、先生野菜苦手なのになんでヘチマ育ててるんですか?

神代先生

いいかい?東雲くん。

神代先生

僕がこうやって丹精込めて大切に育てているヘチマ…食べられるわけが無いだろう?

彰人

…はい?

神代先生

このヘチマ達はたわしか化粧水にして使う予定だよ。

彰人

え、ヘチマでたわし?化粧水?

神代先生

おや、知らないかい?ならまた見せてあげるよ。

彰人

はぁ……で、これを見せたかったんですか?

神代先生

まさか。それもあるけど、それだけじゃないよ。

神代先生

ここは普段鍵のかかっている屋上。それで、今は授業中だ。つまり、誰も来ない。

彰人

…それが?

神代先生

何か言いたい事や相談事があるなら、聞くよ。

彰人

……

神代先生

疑問なんだ。一度やる気を出して、真面目に授業を受けたし課題も出していたのに…何故、急にやる気を失ってしまったのか。

神代先生

本当は、何かあったんじゃないのかい?

彰人

ダメだ。今言うべきじゃない。

そもそも、まだこの気持ちに名前なんかつけて無いんだ。

それに、今言ったらまた距離が遠くなるだけだろう。

でも、ここには誰も来ない。

こんなチャンスもう無いかもしれない。

いや、そもそもなんて言えばいいんだ?

言うつもりなんて無かったから何も考えてない

彰人

色々考えてはみたが、思いがけず口にした言葉は至ってシンプルだった。

彰人

先生、好きです。

神代先生

…え?

続く

先生、好きです。

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コメント

12

ユーザー

ああ😭好きです…フォロー失礼します‼️

ユーザー

イエーーーー!!

ユーザー

タイトル回収キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

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