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感動(T ^ T)涙出てきた(т-т)最高でしたぁ(т-т)
あめさんの物語の中で一番好きです。 長編ありがとうございます。
ブクマ失礼します!!
SOSのサイン -兄弟パロ-
※nmmn 赤微嫌われ 黄愛され 赤愛され 長編
すたーと
<赤くん早く起きてきて、っ!!
にいちゃん達の大声で目が覚める
赤
寝起きにもかかわらず、怒られてしまう焦りと怖さで胸の中はいっぱいだった
どうしようどうしよう と頭の中を駆け巡るなか
大きな足音が迫り来るのに気がついた
赤
目に涙を溜めながら急いでリビングに降りた
紫 side
末っ子の黄くんが熱を出した
熱を出すのは珍しくはなく、元々赤くんは他の兄弟に比べて体が弱かった
黄
桃
橙
次男、三男、四男と焦りつつも黄くんのことを看病している中
黄くんの双子の兄、赤くんだけは降りてこなかった
さすがにありえないと思い、リビングから大声で叫んでも返事はなく
大きな足音をたてながら赤くんの部屋に向かうと大声で返事が返ってきた
紫
赤
紫
赤
問いただしても返事なんてなくて、
紫
さすがに呆れたので赤くんの朝食作るよう頼んだ
赤
いつまであの調子でいるのだろうか
赤 side
紫にいに頼まれ黄ちゃんのお粥を作って、部屋に運ぶ
赤
そう言うと青にいが雑に返事をしてお粥を俺の手から奪うように取った
青
青
今日も、また始まった
赤
青
俺だって料理が上手いわけじゃない
仮に料理ができても俺はまだ中学生だよ、?
部活だって遅くまであるし、帰宅部のにいちゃん達よりも疲れていると思う
桃
赤
今の桃にい言葉は俺が遅刻しないようにするための言葉ではなく、
邪魔だと訴える、遠回しの言葉だった
赤
やっぱり俺って、
黄くんと双子なのに
たったの数分差だけなのに
愛されてない
部活が終わり、へとへとになりながら家に帰った
赤
もちろん返事なんて返ってくるはずはなく、
1人静かに俺の部屋に繋がる階段を登った
鞄を机に置いてベッドに体を沈ませる
明日は休みだから今日はゆっくり寝れるかな、なんて考えていると
黄くんの部屋から紫にいの声が聞こえた
赤
紫
紫
赤
さすがにびっくりした
もう夜の11時だというのにまだ中学生の俺を買い物に行かせるなんて
赤
紫
紫にいは明らかに機嫌を悪くして、気味悪く笑った
紫
赤
紫
逆らったらどうなるか分からない
そう思い渋々了承した
赤
買い物に行って帰ってきた時刻は、日をまたぐ直前だった
橙
橙にいが大声で紫にいの名前を叫ぶと、紫にいがリビングの方から姿を見せた
紫
紫
心配してくれるんだと思った
だって途中で雨が降ってきたから今の俺はずぶ濡れ状態
でも心配なんかしてくれるわけなかった
紫
赤
紫
流石にありえないと思った
確かに黄ちゃんの方が体は弱いけど、こんな俺でも弟なんだよ
赤
やっぱり謝ることしか俺にはできなかった
紫
それだけ言い残すと、紫にいと橙にいは俺の前からきえていった
誰も心配なんかしてくれない
現に橙にいだって心配してくれなかった
こんな俺は本当に家族なの??
寒気を感じて目が覚めた
昨日お風呂に入って布団をかけずに眠ってしまっていたみたいだ
赤
体を起こすと頭に激痛が走る
怠く重い体を無理やり起こして机の上にある体温計を手に取った
ポヤポヤとした頭に ピピピッ と体温計の音がした
脇から体温計を取り出すと、37.9℃ と映し出されていた
昨日雨の中歩いたからか、
もしくは布団をかけずに寝たからか
どっちにしろ風邪をひいてしまったことに変わりはなかった
そんな俺の体調なんか関係なく、リビングからは兄達の焦る声
早く下に降りなければまたら怒られる
〝赤くんは黄くんの お兄ちゃんでしょ?〟
俺って本当にお兄ちゃんなのかな
だって黄くんの双子ってら言われてるのに愛されてない
黄くんと同じ血筋なのにら愛されてない
愛されないのは俺が無能だから?
愛されないのは俺だけ本当の兄弟じゃないから??
熱のせいかマイナスなことばかり考えてしまう
今日は調子が悪いな
そんなことを考えている間に今日も紫にいから大声で呼ばれてしまった
こんなことを考えているより、早く行かないと
だって俺はお兄ちゃんだから
お兄ちゃんだから???
リビングに降りていたのは桃にいだった
桃
赤
桃
まだ黄ちゃん、体調悪いんだ
俺と同じ
桃
そっか、薬を買いに行かないと
赤
桃
桃にいは大きくため息をついた
お兄ちゃん
お兄ちゃん??
赤
桃
ダメだ、頭が思うように働かない
赤
赤
なんとなく気まずくなって、俺は逃げるように家を出た
桃 side
俺が赤に呆れていた頃
急に
<ねえ、俺ってお兄ちゃん?
そんなことを言われた
何を言っているのか理解出来なかった
だって赤がお兄ちゃんなのは当たり前のことだから
黄という弟がいるのだから
我に戻ったかのような赤は、謝罪をして逃げるように家を出て言った
黄もあんなお兄ちゃんと双子だなんて可哀想
そう思った
赤 side
家に着いた頃にはもう息が荒れていて、
今にも気を失うのでは無いのかと思った
赤
紫にいは大きくため息をついて怒るのかと思えば、呆れて
無言でビニール袋を奪い取った
赤
もう
笑うことしか出来ない
俺は静かにベッドに眠った
桃 side
夕方になり、黄の様子が少しづつだけど落ち着いてきた
橙
紫
青
確かに朝買い物を頼んでから1回も見ていない
紫
桃
何となく空気が悪くなったように感じた俺は、逃げるように赤の部屋へ向かった
桃
ドアをノックしても、名前を呼んでも返事はかえってこなかった
桃
一声かえてドアを開けると、ベッドの上に横たわる赤
静かに顔をのぞき込むと、顔を真っ赤にして息を荒らしているのに気づいた
桃
声を出さずにはいられなかった
俺の大声を聞いて黄以外の兄弟が赤の部屋に集結した
青
橙
みんな驚いていた
知らないうちにもう1人の弟が苦しんでいたのだから
桃
紫にいの顔は真っ青だった
紫
みんながら取り乱しているなか、俺まで取り乱してどうする
桃
青
脇に挟んでしばらくすると音が鳴った
数字を見ると39.6℃ と表示されていた
橙
桃
紫
薬を飲ませてしばらくすると落ち着いたのか、
赤の顔の力が少し抜けたように感じた
紫にい以外がうとうとしてきていると
赤の指が ピクっ と動いた
紫
桃
赤
目が覚めた、そう少し安堵した瞬間
安心が不安へと変化した
赤
赤が頭を抱えて声を思い切り絞りだした
桃
その声を聞いてうとうとしていた青橙も目が見開いていた
赤
どうしよう、どうすればいいんだ?
桃
焦るな、焦るな焦るな、っ
赤を落ち着かせろ
桃
思いっきり赤を腕の中押さえ込んだ
すると赤は暴れるのを辞めて小刻みに震えだした
赤
桃
赤
桃
そっか、
今朝の赤は SOS のサインだったんだ
きっと、壊れる寸前だったんだ
ごめんね
桃
桃
赤
桃
桃
桃
赤
赤
赤
赤
赤
桃
紫
そのあとはみんな、静かに泣いた
自己嫌悪に蝕まれている
きっとそれはみんな同じ
きっと謝っても許しては貰えない
そんなの分かってる
だけど、今ぐらい赤を安心させてあげたい
赤に、笑顔でいてもらいたい
無責任だって分かってる
だからこそ、
赤を支えていたい
たとえどんなに嫌われても、拒まれても
これからは陰で守り続けたい
泣かないで欲しいから
傷ついて欲しくないから
今俺たちできることは、暖かい環境で赤の帰りを待つこと
赤
〝家族みんな、大好きだよ〟
fin
途中で切ろうと思ったけど、切ると続きがかけなくなるのでひとつにまとめさせて頂きました
最後の方雑でしたが最後まで閲覧して頂きありがとうございました