「青春旅行」
注意(attention) atkr二次創作 学パロ、年齢操作、 ダーク要素あり 魔法系(ファンタジー)要素大
第6話 糸を切る
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僕は願った。 でも、願いは届かなかった。
僕の能力は、大切な人に届かなかった。
何のための能力だったんだろう。
大切な人の力になれない、お飾りの能力なんて要らないよ。
面会時間が終わり、ドズルさんに引き剥がされるようにしてその場を後にした。
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お母さんとお父さんは、リビングでスマホをいじっていた。
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泣いた事を悟られない様、声を少し作った。
母
どうしてそんなに、他人事でいられるの?
お母さんとお父さんは、おんりーのこと好きじゃないの?
怒りが沸々と込み上げてきた。
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☃️
2人は、何も答えなかった。
また泣きそうになるのを堪え、僕は自室に飛び込んだ。
おんりー。
目を覚ましてよ。
話したい事、いっぱいあるんだよ。
僕は、ずっとずっと願った。
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医者、看護師に囲まれて、これまでと変わらずに眠る君。
医者
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医者
ベットサイドモニターは、正常な心拍を示していた。
規則的な電子音と、君の酸素マスクが白く濁る事だけが、君が生きている事を示していた。
嗚呼、おんりー。
本当に不幸な兄弟だね、僕達は。
貴方は椅子にもたれかかった。
休日の学園の図書館。 今日は、みんなでなんとなく集まる約束をしていた。
人気が少ないな。 窓から差し込む、冬の日光がプリズムを通したみたいにキラキラと輝いている。
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🐈
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真顔でそう言われ、僕は思わず笑ってしまった。
ドアが勢いよく開き、るざぴが入ってきた。
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相変わらず、ほわほわした空気を纏っているるざぴ。
💧🌙
🐈
君は頷いた。
🐷
💧🌙
しん、とその場が静まり返った。
🐷
静かに呟くmenさんの表情は、陰っている。
その後も、色々な話をした。
僕達の秘密の雑談は、終わらない。
目が覚めた時、喉がかひゅっ、と鳴った。
喉の奥に何かがつかえていて、うまく言葉が出ない。
ここ、何処?
自分のベットの脇のモニター、自分についた酸素マスクを見て、病院だと理解した。
ナースコールを押して、看護師さんを呼んだ。
医者
ここは何処か。
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やっと声が出せた。
医者
🍌
看護師
医者が来たり、大騒ぎだった。
あー、お兄ちゃんに会いたいな。
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僕が目覚めてから20分程して、お兄ちゃんが来た。
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ぎゅっと、抱きしめられた。
僕に繋がった管が邪魔だけど、そんな事は気にしていられない。
お兄ちゃんの身体、外の空気で少し冷たいな。
2人で笑った。
ずっとずっと、笑っていた。
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久しぶりの外出だった。
お兄ちゃんと2人きり。
それが、今は少しだけ気まずかった。
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🍌
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☃️
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その言葉が、少し嬉しかった。
あはは、お兄ちゃんは優しいな。
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強く抱きしめられて、笑ってしまった。
泣き笑い、と言った方がいいかな。
🍌
大粒の涙を溢して、大声で泣いた。
寝静まった街に、僕の泣き声が響いていた。
🐈
🐈
貴方…まろくんは、笑って断った。
🦍
🦍
🐈
愛想笑いの裏側に隠れた想いは、君自身以外は誰も知らない。
君は、20人の能力者の中で唯一の「能力:不明」の人。
🐈
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作中の用語を解説するコーナー
能力:不明とは 本来、産まれた時から能力がわかるのに対し、まろは能力者の中で唯一「能力がわからない」状態である。 現在は、全ての能力を最小出力で利用できる。
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