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7 - 第7話 無能で無力

♥

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2025年10月05日

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「青春旅行」

注意(attention) atkr二次創作 学パロ、年齢操作、 ダーク要素あり 魔法系(ファンタジー)要素大

第1章第7話 無能で無力

春が近づく冬の庭は、日差しが僕達を包みこみ、とても心地よかった。

💧🌙

おんりーちゃん、紹介したい人がいるのっ‼︎

気怠げな雰囲気を纏うmenさんと、 ニコニコと笑顔を絶やさないまろくん。

対になっているのが何だか面白くて、クスッと笑った。

🍌

あ、えと…はじめまして、おんりーです…

そういえば退院したばかりで、人と話すのは慣れないって言っていたっけ。

🐷

俺がmen。まあ、気安く話しかけてよ。

💧🌙

こっちがまろくんだよ。

🐈

僕はまろっていうから、これからよろしく〜

🍌

お二人共、よろしくお願いします。

のんびりとした声。相変わらず2人とも落ち着いているなぁ。

思考覗きを解放した。

おんりーちゃん、やっぱり勘づいてるな。

この2人も能力者って事に。

🍌

あの…

🍌

貴方達も能力者ですよね?

その場がしん、と静まった。

その後、menさんがガハハと笑い出した。

🐷

ルザク君の言う通りだな…いやぁ、面白い

ヒーヒー笑っている。

🐷

俺の能力は、「真似っ子」だから…

menさんは目を瞑って、その場に座り込んだ。

🍌

おんりーちゃんの能力もコピーできるって事。

おんりーちゃんの中に入っている。

そう、これがmenさんの能力。

身体に適合する能力は、全てコピーして利用できるのだ。

🐷

ね?わかったでしょ?

すぐに戻り、目を覚ましたmenさん。

おんりーちゃんは、驚いて声が出ない様子だった。

🍌

操られるって、こんな感覚なんだ…

妙な所でしみじみしているね、おんりーちゃん。

また笑ってしまう。

🍌

まろさんは…っ…‼︎

息を詰まらせ、咽せている。 僕が背中をトントンと叩くと、おんりーちゃんは手に持っていたペットボトルの水を飲み干した。

🐈

僕は、みんなと違って、能力がわからないの。

🍌

いやっ…違う…

思考を読むと、確かに衝撃的なことが分かった。

「能力は既に確定しているが、体がついていっておらず、表面上では能力が開花していない状態になっている。」

まろくんの能力は、「嘲笑い」…即ち、嘲笑によってその人を不幸にさせられる能力だった。

まろくんの性格からは想像できない能力だなぁ。

🐈

僕、ちょっと用事あるから…また今度‼︎

そう言って、まろくんは走って行った。

僕はおんりーちゃんと顔を見合わせた。

🐷

何、なんか知ってるの?

🍌

…あれは…あの能力はっ…‼︎

☃️

おんりー…?

偶然ではないと思えるくらいのタイミングで、おらふくんがひょこっと顔を出した。

🍌

お兄ちゃんっ…

おんりーちゃんは、おらふくんに抱きついて、何かを伝えている。

ひそひそ声だから、何の話をしているのか、僕達にはわからない。

☃️

へぇ…

🐷

何があったん?俺、よくわかってないんだけど。

🍌

…場所を変えましょう。

長い長い昼休みは、あっという間に過ぎていく。

誰もいない空き教室に、僕達は場所を移した。

おんりーちゃんは、静かに話し始めた。

🍌

簡単に言うなら、あの方は既に能力を持っています。

🐷

え?そうなの?

🍌

「嘲笑い」は、嘲笑で他人を不幸にできる能力。

静かな教室、廊下の遠くの方から聞こえる生徒の声。

🍌

…僕達兄弟は、この能力の被害を被りましたよ。

💧🌙

そうだったの…?

肩を寄せ合った、顔立ちが似ている、仲の良い兄弟。

☃️

…僕が3歳、おんりーが2歳の頃。

☃️

優秀な親から嫌われて、親戚にも馬鹿にされて。

☃️

その時に…能力者が、力のない僕達を嘲笑った。

その時から、この兄弟は不幸な人生を歩むことが運命づけられていたのだ。

🍌

お兄ちゃんは人を救える能力を、僕は人を操る能力を手に入れた…

🍌

そして兄弟は、大人と能力によって不幸になった。

大人から見捨てられ、気味悪がられ、ないものとして扱われたおんりーちゃん。

大人から利用され、作り笑顔を浮かべ、周りに必死になって幸せを振り撒いたおらふくん。

🍌

あいつが笑わなければ…今頃俺達は"普通"でいられたのかなって。

その場が静まり返った。

🐷

なんか、わかるかも。

🐷

大人って、都合のいい生き物だからな。

笑顔を絶やさない彼の能力は、相当残酷なものだった。

僕は、彼が人を嘲笑う姿を見た事がない。

あの子は優しい。それは、僕にもわかる。

能力は、時には人を狂わす。

ここにいる全員が、能力に人生を狂わされたのだから、嫌なほどに説得力がある。

💧🌙

…まろくん…

もう昼休みの終わりを告げる鐘が鳴り響いた。

復学したけれど、相変わらずクラスには馴染めなかった。

俺が居ない間にできた、グループごとの見えない壁。

俺は、どこの壁の中にも居ない。

昼休みは、自分の家から持ってきた携帯ゲーム機をいじって暇を潰す。

それぐらいしか、する事がなかったからね。

🦍

ぼんさん、弁当一緒に食べましょうよ

ドズルさんに誘われて、俺はゲーム機を鞄にしまった。

🦍

この学園は、能力者が沢山居て面白いですね。

🍆

…俺はそれが嫌、かも

🦍

能力者が集結したら、四季が取り戻されるが、大きな代償が伴う。でしたよね?

🍆

そう。

俺は、それが怖かった。

誰にも傷ついてほしくない。

必要な犠牲、なんて存在しない。

俺は、小学生の頃にあの子をテレビでよく見かけた。

🍆

…まただ

テレビには、笑顔の少年が映っている。

おらふくん。

彼は、人を救える能力を持った人間。

☃️

これからも頑張りますっ‼︎

画面でにこやかに答える君が、大人に良いように使われて操られているのはなんとなくわかっていた。

俺は、能力者が利用されるのが嫌だった。

季節なんて、俺は要らないと、ずっとずっと思っていた。

人類の喜びより、20人の喜びの方が、俺は嬉しかった。

黙々と、箸で唐揚げを食べる。

両親が作る弁当は、とても美味しい。

🦍

まぁ、僕達のグループの後輩3人は皆複雑な過去を抱えていますよね。

🍆

グループ…?

🦍

あれ、言っていませんでしたっけ?

🦍

今後の能力者捜索の為に、グループを結成したんですよ。

🦍

まあ、まだおらふくんは正式には入っていないけど。

その言葉に、あのブラコンの眼鏡をかけた少年が頭をチラつく。

🍆

えっと、おんりーちゃん…?の影響?

ドズルさんはふふっ、と笑った。

🦍

まぁ、過去を考えれば仕方がないことですよ。

確かに、あの子達の性格上、兄弟の関係性は逆転している。

弟の方が兄に見えるのがとても不思議だ。

🦍

menも、色々な人と仲良くできてて良かったよ。

🦍

あの子は…友達が欲しいって言っていたから。

昼休みが終わり、チャイムが鳴った。

🍆

もう怠いし今日は帰るわ…

🦍

駄目ですよぼんさん、元気じゃないですか。

全部、能力でお見通しってか。

冷たい風が、屋上を通り抜けていく。

空には、綺麗な夕焼けが出来ていた。

吹奏楽部の楽器の音、運動部の選手達の声。

教室には、まばらに生徒がいるのがここからでもわかった。

放課後も、学校は騒がしい。

🐷

そんじゃ、帰りますかぁ〜

🟢

そうだねー、もう俺お腹すいたよ〜‼︎

🐯

お母さんが作るご飯が一番美味しいんだよな…

🐷

あ、今日は確かカレーだろ?

🟢

カレー…最高っすねぇ‼︎

妙にハイテンションなきおきおと、 それにツッコミを入れるたいたい。

こんな平凡な毎日が、いつまでも続けば良いんだけどな。

少なくとも、幼い頃のような生活には、 絶対に戻りたくない。

next→孤児院の少年達

作中の用語を簡単に解説するコーナー

嘲笑いとは 他人を嘲笑う事で、相手が不幸になる能力。 相手が不幸になり、自分の身体の負荷も大きい為、あまり良い能力ではない。 おんりー、おらふくんはこの能力の被害を被った人物である。

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