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「青春旅行」
注意(attention) atkr二次創作 学パロ、年齢操作、 ダーク要素あり 魔法系(ファンタジー)要素大
第7話 無能で無力
春が近づく冬の庭は、日差しが僕達を包みこみ、とても心地よかった。
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気怠げな雰囲気を纏うmenさんと、 ニコニコと笑顔を絶やさないまろくん。
対になっているのが何だか面白くて、クスッと笑った。
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そういえば退院したばかりで、人と話すのは慣れないって言っていたっけ。
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💧🌙
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のんびりとした声。相変わらず2人とも落ち着いているなぁ。
思考覗きを解放した。
おんりーちゃん、やっぱり勘づいてるな。
この2人も能力者って事に。
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その場がしん、と静まった。
その後、menさんがガハハと笑い出した。
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ヒーヒー笑っている。
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menさんは目を瞑って、その場に座り込んだ。
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おんりーちゃんの中に入っている。
そう、これがmenさんの能力。
身体に適合する能力は、全てコピーして利用できるのだ。
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すぐに戻り、目を覚ましたmenさん。
おんりーちゃんは、驚いて声が出ない様子だった。
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妙な所でしみじみしているね、おんりーちゃん。
また笑ってしまう。
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息を詰まらせ、咽せている。 僕が背中をトントンと叩くと、おんりーちゃんは手に持っていたペットボトルの水を飲み干した。
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思考を読むと、確かに衝撃的なことが分かった。
「能力は既に確定しているが、体がついていっておらず、表面上では能力が開花していない状態になっている。」
まろくんの能力は、「嘲笑い」…即ち、嘲笑によってその人を不幸にさせられる能力だった。
まろくんの性格からは想像できない能力だなぁ。
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そう言って、まろくんは走って行った。
僕はおんりーちゃんと顔を見合わせた。
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偶然ではないと思えるくらいのタイミングで、おらふくんがひょこっと顔を出した。
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おんりーちゃんは、おらふくんに抱きついて、何かを伝えている。
ひそひそ声だから、何の話をしているのか、僕達にはわからない。
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長い長い昼休みは、あっという間に過ぎていく。
誰もいない空き教室に、僕達は場所を移した。
おんりーちゃんは、静かに話し始めた。
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静かな教室、廊下の遠くの方から聞こえる生徒の声。
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💧🌙
肩を寄せ合った、顔立ちが似ている、仲の良い兄弟。
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その時から、この兄弟は不幸な人生を歩むことが運命づけられていたのだ。
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大人から見捨てられ、気味悪がられ、ないものとして扱われたおんりーちゃん。
大人から利用され、作り笑顔を浮かべ、周りに必死になって幸せを振り撒いたおらふくん。
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その場が静まり返った。
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笑顔を絶やさない彼の能力は、相当残酷なものだった。
僕は、彼が人を嘲笑う姿を見た事がない。
あの子は優しい。それは、僕にもわかる。
能力は、時には人を狂わす。
ここにいる全員が、能力に人生を狂わされたのだから、嫌なほどに説得力がある。
💧🌙
もう昼休みの終わりを告げる鐘が鳴り響いた。
復学したけれど、相変わらずクラスには馴染めなかった。
俺が居ない間にできた、グループごとの見えない壁。
俺は、どこの壁の中にも居ない。
昼休みは、自分の家から持ってきた携帯ゲーム機をいじって暇を潰す。
それぐらいしか、する事がなかったからね。
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ドズルさんに誘われて、俺はゲーム機を鞄にしまった。
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俺は、それが怖かった。
誰にも傷ついてほしくない。
必要な犠牲、なんて存在しない。
俺は、小学生の頃にあの子をテレビでよく見かけた。
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テレビには、笑顔の少年が映っている。
おらふくん。
彼は、人を救える能力を持った人間。
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画面でにこやかに答える君が、大人に良いように使われて操られているのはなんとなくわかっていた。
俺は、能力者が利用されるのが嫌だった。
季節なんて、俺は要らないと、ずっとずっと思っていた。
人類の喜びより、20人の喜びの方が、俺は嬉しかった。
黙々と、箸で唐揚げを食べる。
両親が作る弁当は、とても美味しい。
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その言葉に、あのブラコンの眼鏡をかけた少年が頭をチラつく。
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ドズルさんはふふっ、と笑った。
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確かに、あの子達の性格上、兄弟の関係性は逆転している。
弟の方が兄に見えるのがとても不思議だ。
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昼休みが終わり、チャイムが鳴った。
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全部、能力でお見通しってか。
冷たい風が、屋上を通り抜けていく。
空には、綺麗な夕焼けが出来ていた。
吹奏楽部の楽器の音、運動部の選手達の声。
教室には、まばらに生徒がいるのがここからでもわかった。
放課後も、学校は騒がしい。
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妙にハイテンションなきおきおと、 それにツッコミを入れるたいたい。
こんな平凡な毎日が、いつまでも続けば良いんだけどな。
少なくとも、幼い頃のような生活には、 絶対に戻りたくない。
next→孤児院の少年達
作中の用語を簡単に解説するコーナー
嘲笑いとは 他人を嘲笑う事で、相手が不幸になる能力。 相手が不幸になり、自分の身体の負荷も大きい為、あまり良い能力ではない。 おんりー、おらふくんはこの能力の被害を被った人物である。