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彰人

お前、瑞希…?

瑞希

ぁ…

瑞希

うん!!

彰人

髪と制服…

痛いとこ突くなぁ… そんなとこも、お姉ちゃん譲りだね。

瑞希

あ〜、イメチェンって奴!

適当な言葉を返す。 こんな言葉を君は、見抜いて… ボクを救ってくれるんじゃって… 期待していた。

彰人

そうか…

彰人

似合ってる…

何かが壊れた気がした。 似合ってる、じゃなくて… もっと違う… 『俺は、前の方が好きだよ』 とか、今のボクを肯定するんじゃなくて… いつものボクを肯定して欲しかった。

瑞希

ありがと!

此処に居るのが居た堪れなくなって、 何時もの屋上に向かった。

彰人

おいっ、授業!

瑞希

休むって言っといて!!

廊下を歩いている人が、 ボクの姿を見て、 驚いた様な顔をしていた。

瑞希…?

瑞希

杏!

瑞希

ボク、
イメチェンしたんだ!

瑞希

似合ってる?

軽薄な言葉がスラスラと、 口から飛び出す。

瑞希…

私は…

前の方が好きだった。

瑞希が好きな服を着て、
楽しんでる姿が…

瑞希

もう、いいよ…

何で杏は涙目なんだろう。 そして、 ボクは何で泣いてるんだろう。

あ、暁山さんじゃんww

女装辞めたんだww

ま、普通だよねー!

アンタ、男子なんだしw

心無い声が、脳を刺激した。

アンタ達、何様?

瑞希が何してようが、
瑞希の自由でしょ?

瑞希

ぁ…

杏がボクの味方って事は分かる。 けど… 嫌なんだ。 皆に迷惑、掛けてるから… 自分が、男子の服装をしても… 罪なんだ…

瑞希

……

気付いたら、逃げ出していた。

瑞希

嫌だ…

どんなボクでも、愛して欲しい… そんな願いは壊された。

瑞希かい…?

瑞希

類…?

ダメだ、こんな顔見せちゃ。 ボクは笑っていないと… 迷惑掛けちゃう…

髪を切ったんだね。

瑞希

うん、イメチェン…

リボンは付けないのかい?

瑞希

え…?

リボン…付けたい。 髪を短くしたって、 ピンとか、ハーフアップぐらいは出来る…

瑞希

けど…

瑞希

変なんだよ…?

変かどうかじゃないよ。

瑞希がしたいか…

それだけなんだよ。

瑞希

けど…

瑞希

けど…!!

反論が見付からなかった。 類は正論を言ったし… けど、ボクのは嫌だった。 今迄、言われてきた事を思い出して… 何で自分を貫けなかったんだろうって…

瑞希

うぅ…

瑞希

ごめん、類…

大丈夫だよ。

瑞希に、セカイに呼ばれた。

瑞希

絵名…

瑞希

ほんとにごめん。

瑞希

今迄、嘘吐いてきて…

今更、何なんだろうって思った。 嘘なんか吐かずに、 始めから言っていれば… こんな態度取らなかったのに。

絵名

無理。

ほんとに無理だった。 そう思ってしまう、自分が。 だから、言った。

絵名

アンタなんか…

絵名

大嫌いッ!!!

絵名

早く消えてよッ!!

瑞希を傷付けるのは、 始めから分かっていた。 けど… あんな酷いことを言ったのに… あっさりと許されるのは嫌で…

瑞希

ッ…

もういっその事… 許されなくても良いと思った。 此の儘、お互いに嫌い合って… 其の儘、お互いを忘れられる様に… 私は悪者を演じようと思った。

絵名

早く…

絵名

消えなさいよ…!

駄目だった。 絵名は許してくれなかった。 だったら… やっぱり、可愛いものは辞めよう。 だって、絵名が…

瑞希

まふゆに、
服はあげるとして…

瑞希

他は、
寧々ちゃん?

瑞希

杏は柄じゃないし…

ボクは、まふゆに服をあげて… リボンとかは、 寧々ちゃんにあげることにした。

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