愛子
あっ!やば!急がなくっちゃ!
トイレから出た私は空き教室へと向かう。
愛子
はぁはぁ。
今私が向かっている空き教室で何がやっているかというと
部活! 具体的には美術部!
私は美術部に入っている。
自分の趣味で入ったからクラスの友達は1人もいない。
でも私にとって週2の美術部は何よりも待ち遠しい存在
何でかって?
それは…
愛子
遅れてごめんなさいっ!
大和
おっ!愛子ちゃん!
大和
部活始まったばっかだから大丈夫!
早く座って座って!
早く座って座って!
この人は私の一個上の先輩
そう、私はこの人がいるから美術部が楽しみになる。
あ、もちろん絵を描くのも楽しみだけどね…!
顧問
今日は自分の好きな物を描いていいぞ!
顧問
終わったら皆で見せあうぞ!
愛子
(じゃあ私は…ペットの犬でいっか!)
愛子は試行錯誤しながらしなやかにペンを動かす。
愛子
(尻尾はこんな感じでっと…)
愛子
(…てか、さっきから大和先輩がずっとこっち見てる気が…!?)
大和
…カキカキ
顧問
じゃあ時間だっ!
顧問
まずは○○から見せてくれ!
○○
私はリンゴを描きました。
工夫したところは……。
工夫したところは……。
顧問
ありがとう。次は大和!
大和
はい。俺は愛子ちゃんを描きました
ザワザワ…
愛子
え!?
大和
描いた理由はいつも笑っていて元気で俺に元気をくれるからです。
大和
好きなものと言われて1番最初に出てきたのが愛子ちゃんでした。
顧問
はい!予想外だったけどこれも良いだろう。
顧問
じゃあこれで今日は解散だ!
気をつけて帰るように!
気をつけて帰るように!
愛子
や、大和先輩!
大和
ん?あ、絵の事だろ?ごめんな。
愛子
いや、違います。
愛子
あ、あの一緒に帰りませんか?
大和
おう!
愛子
まさかあんな絵を描いていたなんて…笑
大和
好きなもの、いや好きな人って言われてすぐに愛子ちゃんを描こうって思って//笑
愛子
ありがと!
愛子
私の描いた絵の犬いるでしょ?
大和
う、うん
愛子
その犬の名前ね、ヤマトなの!
愛子
私が小学三年生のときにつけた名前で、
愛子
実は大和先輩っていう意味も込めて描いてみたの。
愛子
右下見てみて//
右下をよく見てみると…
ヤマトと大和先輩と仲良くなれますように。
愛子
実はヤマト全然私に懐いてくれなくて笑
大和
じゃあ俺は愛子に懐いてやる。
愛子
え?
大和
いや、やっぱ何でもない笑
愛子
気になるでしょーっ!
大和先輩、気付いてた?
小学校の頃から人気の大和先輩。
後輩の私には気付いてなかったよね
私と大和先輩は実は小学校の時から
一緒だったんだよ。
だから犬にもヤマトって付けたの。
今、小学校からの恋が叶いました。
大和先輩が言った言葉本当は聞こえてましたよ。
ちゃんと私に懐いてくださいよ。
私の好きな物はあなたです







