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続き
もう一気に投稿します、
Ama.
俺で良かったら、相談乗るよ?
麦
えっ?
麦が驚いた表情で俺の顔を覗き込む。
Ama.
(まぁ、そうだよね、)
Ama.
(会ったばっかの相手にこんな提案したら、変だよな...)
麦
......その、
麦
正直な話、就活を始めてから手応えのようなものが全くなくて...w
麦
だけど、周りに相談出来そうな年上の人も居なくて、
麦
だ、だから、とても助かります...!
麦の言葉に、俺はほっと胸を撫で下ろす。
俺の提案は、麦にとって好印象だったようだった。
それに、と麦が付け足す。
麦
事情はあまり分かりませんけど、
麦
貴方が一生懸命な事は伝わりましたから。
麦
悪い人ではないんだろうな〜って、
麦
あ、
麦
そういえば、お名前......
Ama.
あ、まじだ、
この子のことを子麦粉本人だと決め込んで話してたせいか、
俺の事を話すのを、すっかり忘れていた。
Ama.
俺は、あま。
麦
あまさん、ですね。
Ama.
...うん、
Ama.
(出会ってまもないから仕方ないとはいえ、)
Ama.
(こむと同じ顔と声で、さん付けされると少し違和感あるな...w)
Ama.
(こむは、俺の事を最初からあだ名で読んでたし、)
Ama.
......
......あれ?
こむって、どんな声してたっけ?
こむの姿が、目の前の麦と重なってって、
かつて当たり前だったこむの存在が、不透明になっていく。
麦
......あまさん?
Ama.
あ、うん、ごめん...
Ama.
(考え事...してる場合じゃねぇな、)
目の前の子は、こむ本人では無いのかもしれない。
それでも、こむと何かしら関わりのある人ではある気がする、
麦と接点が作れるこのチャンスを、逃す訳にはいかない。
俺は思い切って、麦に提案してみる事にした。
Ama.
もし...嫌じゃなかったら、
Ama.
連絡先交換しませんか...?
麦
......
麦
...ふふっ、
Ama.
えっ?
麦の反応が意外で、俺は少しだけ動揺する。
Ama.
ごめ...嫌だった...?
麦
ううん、そうじゃなくて、
麦
あまさん、今朝は凄い勢いで迫ってきたのに、今回はやけに慎重だなーって、
麦
なんか、それが可笑しくて...
Ama.
いや、あの時はアドレナリンがバーって出てたというか...w
麦
あははっ...w
麦
なんですかそれ...w
麦
......メール、ですよね。
麦はスーツのポケットからスマホを取り出す。
麦
実はですね、
麦はスマホに目線を向けたまま呟いた。
麦
初めにあまさんに声をかけられた時、この人は何を話してるんだろうって疑問はあったんですけど、
麦
嫌悪感とか、嫌な気持ちはあまりなかったんですよね、
麦
いきなり声をかけられたのに、
麦
それって、なんだか、不思議ですよね、
店員
いらっしゃ...
店員
また来たのかよ、
Ama.
こんちゃ、
今日はカフェで、麦に就活のアドバイスをする約束をしていた。
店員
...空いてる席どーぞ。
特に意識するでもなく、俺の足はあの席へ向かっていた。
席に座ると、窓の外をぼんやりと眺めながら、麦が来るのを待つ。
Ama.
(約束したはいいけど、)
もしかしたら麦、来ないかも知んないな、
いや、もしかしなくともだ。
常識的に考えればほら、昨日あったばっかの男から就活のアドバイスとか、
Ama.
(ほんと、余計なお世話だよね...)
Ama.
はぁ......
「ごめんなさい」