真一郎と別れた陸斗、春菜、美香、和樹、雄星は夏休みが終わり、始業式をおこなっていた。
そして校長の話が長かった始業式が終わり、陸斗達は教室に戻ってきて帰りの用意をしているところだった。
陸斗
え…ない!ない!
陸斗
やばいどうしよう!!
美香
そんなに叫んでどうしたの?
陸斗
真一郎から貰った約束のバッジがないんだよぉぉ!!!
春菜
はぁ?
雄星
陸斗………それマジか?
陸斗
最悪だぁーー!
そして和樹がトイレから戻ってきた
和樹
あ?なにそんな馬鹿みたいに騒いでるんだ?
美香
陸斗君が約束のバッジをなくしたんだって
和樹
は?お前馬鹿なの?
和樹
てか家においてきたんじゃないのか?
陸斗
いーや!登校してカバンの中身観たらちゃんとあったんだよ!!
春菜
はぁ………とりあえずみんなで探すよ!
雄星
とりあえず帰りの用意を済ませるか
美香
うん
そして美香、春菜、和樹、雄星は帰りの用意を始めた
春菜
……………え?
春菜
私も……約束のバッジ……ない
雄星
俺……も…
和樹
え。みんななくしたのか?馬鹿だねぇー
和樹
ってえええええ!!!
和樹
俺もないんだけど!
美香
私もない!
美香
どういうこと?
担任
おいこら!!
担任
さっきからうるさいぞ!静かにしろ!
陸斗
あ、すみません…
先生に注意された陸斗達は小声で話している
陸斗
これさ……全員がなくしたってのは考えにくいな
陸斗
つまり誰かが盗んだってことじゃないのか?
和樹
確かに全員がなくすっていうのは考えにくいけどさ
和樹
約束のバッジの存在を知ってるのは俺たちだけだぜ?仮に誰かが盗んだとしても……いったい誰か盗むんだよ
美香
一応……候補としては西田君達なんじゃないかな?
春菜
確かにあの人達は先生からマークされてるもんね
春菜
人の物を勝手に触ったりしてるし…
雄星
そうだな。聞いてみる?持ち物チェックとかしたり
陸斗
確かに聞いたりして持ち物をチェックするのが1番だけど……
陸斗
西田達がそんなの許してくれるか?
美香
多分駄目だと思うけど……一応聞いてみよう!
和樹
聞くのはいいけど誰が聞くの?アイツら問題児だし絶目つけられるぜ?
陸斗
…………
陸斗
俺が聞くよ
春菜
え、大丈夫なの?!
陸斗
ああ。約束のバッジは俺たちの宝物だ。絶対見つけてやる!
美香
頑張って!
和樹
西田の前に立つのは怖いけど…一応陸斗の後ろに立っているよ
和樹
き、聞くのはお前だからな!?陸斗!
陸斗
わかってるって
雄星
へへ!和樹ビビってやんのー
和樹
ビビってねーし!
そして陸斗は西田達のグループに近づき約束のバッジのことについて聞くところだ
陸斗
……なぁ西田
西田
あ?陰キャのお前がなに俺に話しかけてんだ
陸斗
ごめん……
陸斗
聞きたいことがあるんだ
西田
あーだりぃ。まあ聞いてやるよ。なんだ?
陸斗
俺のバッジ知らないか?カバンに入ってたやつ
西田
知らねーよ
西田
まさかお前、俺を疑ってんのか?
陸斗
いや!そういう訳じゃないんだけど…持ち物チェックしていいかな?
西田
あ?いい気になるんじゃねーよ。殴り殺すぞ
和樹
陸斗……諦めよう……無理っぽいぞ
陸斗
そうだな
陸斗達が諦めて帰ろうとした時、美香、春菜、雄星がこっちに走ってきた
美香
ちょっと!!
美香
西田君達!!
西田
あ?なんだよ
美香
もし私たちのバッジを盗んでいるのなら帰して!!私たちの宝物なの。もし返してくれたら…1万あげるよ!
春菜
え!美香何言ってるの?!
西田
え?
西田の目つきが変わった
西田は周りの部下達に視線を向けた
西田
おいお前ら……こいつらのバッジぬすんでないか?
西田
あるなら出せ!
西田の部下
え。知らないですよそんなの
西田の部下達は口を揃えて知らないと言った
西田
そーか……
雄星
みんな!もう時間だそ。帰るぞ!
陸斗達は西田の前を去り、教室をでて帰っていった
陸斗
西田は金が大好きだ。1万を武器にしても知らないってことは盗んだのはアイツらじゃなさそうだな
春菜
それに西田君の部下達も知らないって言ってたもんね!部下達は西田君に逆らうことはできないし
雄星
そうだよな。じゃあいったい誰が?!
和樹
他に候補はいないのか?
美香
うん……もうない
春菜
ええ
陸斗
いや
陸斗
まだ最後の候補がある!
春菜
誰なの?
陸斗
俺たちの中の誰かだ!
和樹
は?そんなの有り得るのかよ
雄星
でも…他にこれといった候補はいないし、そうなんじゃないのか?
春菜
約束のバッジは真一郎君から貰ったバッジだよ!?
春菜
この中の人がそんなことするなんて有り得ないよ。みんな真一郎君の別れを悲しんでいたし
陸斗
でも俺は!……こんなの言いたくないけど…この中にいると思っている!
陸斗達は怪しむ目で互いを見つめていた