番人
どうしてここを選んだの?

涼
俺、バスケやってんだよ

番人
そーなんだ

涼
で、さっきまで練習してた

番人
練習熱心なのね

番人
疲れているだろうし、

番人
さっそく始めましょ

涼
うん

番人
——あなた、名前は?

涼
七瀬 涼

番人
“りょう”……涼しげな名前ね

番人
あなた自身も、落ち着いて見える

涼
……よく言われるよ、“冷静だね”って

番人
でも、それは違う?

涼
そう思うやつが多いだけ

涼
……けど、ほんとは違うかもな

涼
感情で突っ走るって、兄貴にも言われるし

番人
兄弟がいるのね

涼
あぁ、七瀬 黎翔

涼
教師やってんだ

涼
昔からさっぱりしてて冷静で

涼
それに比べて俺は……

涼
まぁ、熱くなりやすいって言われる…

涼
特に…“あいつ”のことになるとな

番人
“あいつ”…?

涼
魅音……一ノ瀬 魅音

涼
……同い年の男

番人
……彼とは、どんな関係?

涼
昔から一緒だった……

涼
兄貴同士が仲良かったから

涼
でも、避けられてた…ずっと

涼
それでも、そばにいようって思った…

涼
アイツが笑わなくなったときに、そう決めた

番人
どうして、笑わなくなったの?

涼
……言わない

涼
軽々しく話せない。

番人
そっか、

番人
魅音くんにとって、大きなことだったんだね

涼
うん……

涼
それに、、

涼
深くは知らない、教えてくれない。

涼
……でもちゃんと知りたいと思ってる

涼
知ろうとすればするほど、アイツは俺を遠ざける

涼
それでも、そばにいたい……

涼
それだけ……

番人
感情で突っ走るって、そういうとこ?

涼
たぶんな

涼
俺は――冷静に見えて、

涼
魅音のことになると、それが全部吹っ飛ぶんだよ

涼
……笑えよ

番人
笑わないよ

番人
魅音くんのこと、好きなんだね

涼
……

涼
………うん

涼
“誰にも渡したくない”って思ってる

涼
……自分勝手だけどさ

番人
魅音くんにそれ、伝えてる?

涼
言葉にしたら、逃げられそうで……だから、まだ

番人
魅音くん、怖がってる?

涼
……うん

涼
たぶん、俺のことも、誰のことも…

涼
優しさも愛情も、全部…あいつは……

涼
…ッ

涼
笑ってるけど、ずっと泣いてるみたいな目してる…

涼
守りたいって思ったんだ、初めて

涼
ちゃんと、俺が守りてぇって

番人
じゃあ、どうして黙ってるの?

涼
……そばにいられるなら、それだけでいいって思ったから

涼
でも——

番人
でも?

涼
本当は……手、繋ぎてぇよ?

涼
ちゃんと、魅音と

番人
……きっと、それが叶う日が来るわ

番人
あなたの“願い”が、強いなら

彼の言葉はぶっきらぼうで、
優しさの裏返しみたいに、いつも不器用で。
でも、きっと彼は——
誰よりも、魅音の“味方”でありたかったんだと思う
——触れたら壊れそうな心を、
ただ、強く優しく、包もうとして。
──to be continued…
次に会ってほしい子はね、
狂おしいほど、誰かを愛してしまった子