この恋が叶うとき [完]

バタン

ドアの前で聞いてた蘭ﾁｬﾝ

あと何日こんな日々が続けばきがすむのだろうか

無駄だとわかっていても希望を捨てきれないでいる自分に絶望している

蘭兄さんからもれる不気味な笑みは、鳥肌が立つような恐ろしいものだ

バンッ！

満面の笑みを浮かべてそう言った竜胆は蘭を止めに入った

3人が出ていく

見送るような、 悲しいような、 でもどこか嬉しそうな、 そんな顔をしていたお兄ちゃん。

もう会うことは無いだろうから。

さようなら。

バタン.....

姉ちゃんにどんどん依存していく兄ちゃんが怖かった

見えない希望さえも信じていて欲しかった

その日は突然なんの前兆もなく起こった

この人ならきっと紅愛を、姉ちゃんを幸せにしてくれるだろう。 でも、兄ちゃんは？ おかしくなった兄ちゃんの心は誰がその傷を癒すの？

バタン

閉まった扉を見て兄ちゃんは泣いていた。 泣いていることに自分でも驚いているようだった。

俺にはどうすることも出来ない。 だから、泣いていることに兄ちゃんの背中を静かにさすって

俺なんかが何か言ったところでどうこうなることでもない 最初から俺は止められなかった時から俺は終わっていたんだ

この 姉ちゃんと三ツ谷の“恋” 兄ちゃんの叶わない“恋” 誰かが傷つかずに終わることは不可能だったんだ

何も出来ない無力な自分に腹が立つ 悔しい 兄ちゃんはそんなに姉ちゃんがいないとダメなの？

ああ、結局いつだって