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椿

…………

椿

なん………でも………

愛杏

知りたいから見舞いについてきたんだろ?

愛杏

ほら、聞けよ

愛杏

希音達が帰ってこない間に

愛杏

………と言っても

愛杏

あいつらもグルだからそこは大丈夫か笑

椿

椿

な、何でそこまで………

愛杏

じゃあ、まずはそれが質問ってことで

愛杏

理由は単純

愛杏

俺があいつらの兄だから

愛杏

あいつらは嘘をつく時、何かしら変化があるんだよ

愛杏

希音は普段通りにしようとしすぎていつもより口数が増える

愛杏

有音は瞬きの回数が増える

愛杏

それを見て判断したまでだ

椿

………

愛杏

………それで?

愛杏

他には?

椿

…………

椿

(ここで話を伸ばしてても特に意味はない………)

椿

(聞く………しかないか、)

椿

………なんで

椿

………皆に嘘をつくの、?

愛杏

ん〜………何でって言われてもなぁ

愛杏

………まぁ強いて言うなら

愛杏

自分が傷つかない為、だな

椿

傷つかない……為、?

愛杏

そう

愛杏

ありのままの自分で接すると

愛杏

誰かに否定された時

愛杏

人によってはもう二度と立ち上がれないくらい

愛杏

傷つくだろ?

愛杏

その点、偽りの自分で接すると

愛杏

誰かに否定されても

愛杏

本当の自分ではないから

愛杏

傷は半減するんだ

愛杏

だから俺は嘘をつく

愛杏

自分が傷つかないために

椿

………

椿

(わかる………、)

椿

(愛杏君の言いたいことはすっごくわかる、)

椿

(だけど………)

椿

…………

椿

………じゃあ、

椿

………いつから自分を偽るようになったの、?

愛杏

………3つ目の質問か

愛杏

いい質問だな笑

愛杏

じゃあ

愛杏

ここからは俺の昔の話をしようか

俺らが生まれたのは

かなり有名な家なんだけどな

まぁ昔っから教育がキツくてキツくて

お母さん

愛杏?

お母さん

何なのこの点数は

お母さん

たったの95点

お母さん

どうして100点が取れないの!!

愛杏(小2

ご、ごめんなさっ………

愛杏(小2

で、でも………

愛杏(小2

クラスでは1番点数が良くてっ………!

お母さん

はぁ?

お母さん

クラスで1番!?

お母さん

100点を取れなかったら意味が無いでしょう!?

お母さん

それともなに?

お母さん

お母さんの言ってることが間違ってるって言いたいの?

愛杏(小2

ビクッ………

愛杏(小2

………いいえ、違います、

愛杏(小2

………次こそご期待に添えることの出来るよう頑張ります、

お母さん

えぇ、次こそよろしくね

お母さん

部屋に戻りなさい

愛杏(小2

………はい

愛杏(小2

………(勉強中)

希音(6歳

………

希音(6歳

………愛杏にぃ、?

愛杏(小2

愛杏(小2

希音?どうかした?

希音(6歳

………あ、あのね、

希音(6歳

こ、今度が運動会があるんだけど、

希音(6歳

その………お母さんにも見に来てほしくて、

愛杏(小2

………

愛杏(小2

わかった、兄ちゃんが伝えとく

愛杏(小2

だから希音はもう寝な

愛杏(小2

明日起きられないぞ〜?

希音(6歳

、!

希音(6歳

うん、!

希音(6歳

ありがとう、愛杏にぃ!

愛杏(小2

…………

愛杏(小2

………あの

愛杏(小2

お母さん、

お母さん

何?

お母さん

今お母さん忙しいんだけど

愛杏(小2

………希音が今度運動会あるみたいなんですけど、

お母さん

あら、そう

お母さん

それで?

愛杏(小2

………お、お母さんに見に来てほしいそうです

お母さん

………ふーん

お母さん

……愛杏、貴方は私の想像以上にバカのようね

愛杏(小2

え、?

お母さん

お母さんが忙しいの、わからないの?

愛杏(小2

わ、わかります、

お母さん

じゃあなんでその話をするのかしら?

お母さん

忙しくていけないことくらい、貴方ならわかると思っていたんだけど

お母さん

それに

お母さん

希音は出来損ないだから

お母さん

予定が空いてたっていかないわ

愛杏(小2

………え?

お母さん

有音もそうね

お母さん

勉強とスポーツはできるけど

お母さん

その他の習い事は全然

お母さん

コミニケーション能力も低いし………

お母さん

あぁ、思い出すだけで嫌になる

愛杏(小2

………

お母さん

せめて貴方くらいはしっかり私の望む道に進んで頂戴ね

愛杏(小2

…………す、

お母さん

え?

愛杏(小2

…………いやです、

お母さん

………は?

お母さん

愛杏、何を言ってるのかしら?

愛杏(小2

………僕は、

愛杏(小2

………いや

愛杏(小2

俺はもうお前には縛られない

お母さん

なっ………!!

お母さん

あ、貴方、!

お母さん

母親に向かってなんて口の聞き方をっ、!!

愛杏(小2

母親?

愛杏(小2

毒親の間違いじゃねぇの?www

愛杏(小2

俺はまだ小2だけど

愛杏(小2

あんたのおかげでこっちの方はだいぶいいんでね(頭を人差し指で指す)

お母さん

ッ!!

お母さん

黙りなさい!(花瓶を放り投げる)

愛杏(小2

ッ、(頭に当たる)

愛杏(小2

………ポタ………ポタ………(頭から血が出てくる)

お母さん

ふん、これに懲りたら

お母さん

二度と変な口聞かないようにね

愛杏(小2

…………

愛杏(小2

…………わかりました

愛杏(小2

………失礼な態度を取って申し訳ありませんでした、

お母さん

わかったらいいのよ

お母さん

さぁ、早く勉強に戻りなさい

愛杏(小2

……………

有音(小1

………兄ちゃん、

愛杏(小2

ん?有音、まだ起きてたのか?

愛杏(小2

どうかした?

有音(小1

…………頭、どうしたの、

愛杏(小2

んー………

愛杏(小2

タンスの角に頭ぶつけた!笑

有音(小1

………ほんとに?

愛杏(小2

もちろん

愛杏(小2

俺が有音に嘘つくと思うか〜?

有音(小1

………………

有音(小1

………フルフル(首を横にふる)

愛杏(小2

だろ?笑

愛杏(小2

俺のことはいいから、お前はさっさと寝な

愛杏(小2

希音はとっくに寝てるぞ〜?

有音(小1

…………わかった、

有音(小1

…………、

愛杏(小2

ス………(包帯を巻いた頭に触れる)

愛杏(小2

……………ニヤッ

数日後

お母さん

だから!

お母さん

ここはこうだって言ってるでしょ!?

お母さん

もう!何回言わせるつもり!?

愛杏(小2

………………

お母さん

愛杏!返事をしなさい!

ピンポーン

お母さん

お母さん

こんな時間に誰かしら……?

お母さん

郵便物は特に頼んでいないはずなのだけれど

お母さん

私が戻ってくるまでにそこの問題終わらしときなさいよ

お母さん

はい、どちら様ですか?

警察

こんにちは、早乙女さん

警察

貴方を虐待の容疑で逮捕します

お母さん

………は?

お母さん

え、ちょっと待ちなさいよ

お母さん

虐待?

お母さん

何か勘違いしてるんじゃないかしら、警察官さん?

お母さん

私は虐待なんてしてませんよ?

お母さん

仮にやっていたとしても証拠なんて─

警察

証拠ならありますよ

警察

貴方が息子さんに花瓶を投げつける動画がね

お母さん

…………は?

警察

さぁ、署までご同行願えますか

お母さん

ーーーっ!!

お母さん

あいつッ、!!!

愛杏(小2

…………(ドアを少しだけ空けて様子を見ている)

愛杏(小2

ざ・ま・ぁ(口パク)

お母さん

〜〜〜〜ッ!!!

お母さん

ふざけるなッ!!!

お母さん

私があんたに位使ったと思ってるんだッ!!!!

お母さん

恩を仇で返しやがってッ!!!!

お母さん

この恩知らずッ!!!!

愛杏(小2

(勝手に言っとけ)

愛杏(小2

(小2の頭脳にも勝てない大人なんて興味ないね)

希音(6歳

……お、お兄ちゃ………(泣

愛杏(小2

愛杏(小2

ガバッ(希音に抱きつく)

愛杏(小2

よしよし、怖かったな、

愛杏(小2

もう大丈夫だからな、

有音(小1

…………

愛杏(小2

ほら、有音も怖かっただろ?

愛杏(小2

おいで

有音(小1

…………いいプイッ(顔をそらす)

愛杏

そんでもってその時に気づいたんだ

愛杏

有音は母親が怖かったんじゃない

愛杏

俺が怖かったんだってな

椿

、!

愛杏

当時はわならなかったが今ならわかる

愛杏

あいつは俺がカメラを仕込んでいるところを見てたんだ

愛杏

あいつの目には

愛杏

"自ら傷付きに行き母親を逮捕させた兄"に見えただろうな笑

愛杏

ただ俺は確実に死なない自身があったわけじゃない

愛杏

あの時の傷も未だに残ってる(髪をかき上げて傷を見せる)

愛杏

命かけながら

愛杏

地獄の環境から救い出した弟に

愛杏

怖がられたらどうだ?

愛杏

流石の俺でも傷つくわ笑

愛杏

それで思ったんだ

愛杏

俺が

愛杏

勉強もスポーツもなんでも出来る優等生で

愛杏

素直な子供だったら

愛杏

母親も満足して

愛杏

あいつらに冷たくすることもなかったんじゃないか

愛杏

俺が罠を貼る必要はなかったんじゃないかってな

愛杏

俺が優等生だったらあいつらも

愛杏

俺も傷つかずにすむ

愛杏

それにもしまた希音や有音に怖がられるような事があっても

愛杏

それはもう本当の俺じゃないから

愛杏

大したダメージは入らないしな

愛杏

何より周りからの信頼度も上がる

愛杏

俺はこれからも一生

愛杏

なんでも出来る優しい優等生を演じ続けるんだ

椿

…………

椿

………確かにいつもの愛杏君は優しいよ、

椿

………僕、昔お兄ちゃんがいたから、

椿

愛杏君のこと、勝手にお兄ちゃんと重ねたりしてさ、

椿

…………でも、ボソッ

椿

…………でもね、

椿

そんなんじゃ、有音君達が悲しむよ、

愛杏

は?

愛杏

なんでだ?

愛杏

演じることであいつらから見た俺は

愛杏

優しくて完璧なお兄ちゃんなんだ

愛杏

どこに悲しむ要素がある?

椿

…………だよ、

愛杏

あ?なんて?

椿

………大好きだからだよ、

椿

愛杏君のことが大好きだから、

椿

嘘ついてほしくないんだよ、

椿

愛杏君の中での嘘をつくっていうのはつまりさ、

椿

その人を信用してないから嘘をつくんじゃないの、?

愛杏

………は?

愛杏

…………お前、俺が希音達のことを信用してしてないって言いたいのか?

愛杏

俺はこの世界の誰よりもあの2人を大切に思ってるッッッ!!!!

愛杏

そんなこの俺がッッッ!!!!

愛杏

信用してないってッッ!?!?!?

椿

だってそうでしょ!!!

椿

本当に二人のこと信用してるならさ、

椿

ありのままの自分を出しても

椿

受け入れてくれるって思わないの!?

愛杏

!!!

椿

………さっきさ、

椿

希音君が言ってたよ、

希音

あ、もちろん

希音

僕の知ってる愛杏にぃが偽りでも嫌いになったりはしないよ?(コソッ

椿

希音君達は昔から今もずっと愛杏君が大好きで、

椿

自分の事を心の底から信用して

椿

いつか本当の姿を見せてくれるんじゃないかって

椿

ずっと待ってるんだよ、

愛杏

………そんなの

愛杏

嘘かもしれないだろ

椿

希音君達が………

椿

愛杏君にそんな嘘つくと思う、?

椿

それは愛杏君自身が1番良く知ってるんじゃない、?

愛杏

…………

椿

…………それに

椿

そんなんじゃいつか………

椿

愛杏君の体にも限界がくるよ

椿

人って

椿

体の怪我は目に見えるけど

椿

心の怪我は見えないからさ、

椿

知らないうちにどんどん怪我が増えて行って、

椿

いつか取り返しのつかないことになるんだ、

愛杏

…………知ったような口ぶりだな笑

椿

……笑、

椿

まぁね、笑

愛杏

…………わかった

愛杏

俺の負けだ

愛杏

………本当の自分を見せるかはわかんねぇけど

愛杏

一度3人で話し合ってみる

椿

………!!!!

椿

うん!!!

ガチャ(ドアを開ける)

椿

ふぅ…………(扉を閉める)

希音

椿君、!!

希音

どう………だった?

椿

…………

椿

多分もう大丈夫だよ!

椿

本人は3人で話し合うって言ってたけど………

椿

………もう結論は決まってるみたい(ニコッ

希音

そっ………か…………

希音

良かったぁ〜…………(その場に座り込む)

希音

って、まだ気抜いちゃダメか、!!!

希音

次は僕たちの手番だよね、!!!

希音

が、頑張らないと…………

有音

………そんな気張らなくても大丈夫だろ

希音

だ、だって!!

希音

この十数年間で初めて

希音

本当の愛杏にぃと話すんだよ!?

希音

楽しみすぎるし緊張するよ〜、………

有音

…………別に

有音

いつも通りでいいだろ

有音

どんな愛杏でも

有音

愛杏は愛杏だ

希音

………それもそっか!!

希音

よーし!!

希音

いってくるね!椿君!!

希音

本当にありがとう!!

椿

!!

椿

うん!いってらっしゃい!

有音

…………

有音

椿

椿

有音

…………

有音

…………ありがとな

有音

…………その…………

有音

………やっぱお前すごいわ笑(少し笑う)

椿

〜〜〜〜!!!

椿

ありがとう、!!

椿

有音君も

いってらっしゃい!

この作品はいかがでしたか?

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コメント

16

ユーザー

めちゃくちゃ凄いですね最高でした続きあったら待ってます!

ユーザー

コメント、フォロー失礼しますm(_ _)m 続き待ってます!

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