6話ー白沢家ー
俺は俺を買った人の家に 連れてこられた。
白くて大きな家。
白沢様いらっしゃいますか?
メイド
はい。
俺を買ったのは有名な会社の社長の息子 白沢怜さんらしい。
メイド
怜様はお部屋で寝ていらっしゃいます。
そうですか。
メイドさんと管理人が話している。
俺は窓の外の街の風景を眺める。
悠、おい
おい!
悠
ぅ"は、ッ…!
俺は腹を殴られた。
悠
げほ、っ…!…げほ…!
メイド
…。
ったく、…無礼の無いようにな
悠
…っ…は、い"…。
管理人はそそくさと帰っていく。
メイド
悠様。
悠
…っご、ごめんなさい…。
メイド
いえいえお気になさらず
メイド
少し後ろを向いてくださいませ
俺は後ろをむくと、腕の縄を外された。
悠
……っあ、…ぇ…
メイド
さ、まずお風呂に入りましょうか。
悠
…っは、はぃ……
自分の手首を見るとアザが着いていた。
とても広くて綺麗なお風呂。
悠
っん、…
メイド
痛くありませんか?
悠
っあ、はい…大丈夫……です。
するとメイドさんが微笑んだ。
メイド
悠様、お顔とお声が怜様にそっくりです。笑
悠
ぇ、ぁ…そ、う…ですか……
聞いた話だと、年齢は1つ上だとか。
メイド
悠様が髪をお切りになればどちらか分からなくなりそうです。笑
メイド
そこの椅子に座って少々お待ちください
悠
…は、ぃ…
綺麗な服を着せられた。
悠
……いい匂い、
しばらくするとメイドさんが戻ってきた
メイド
お待たせ致しました。
するとメイドさんは ドライヤーで髪を乾かしてくれた。
悠
……。
メイド
悠様の髪、とてもお綺麗ですよ。
悠
…いや、……そんなこと、…
メイド
いえいえ、十分お綺麗です。
メイド
はい、終わりました。
悠
……わ、ぁ…
メイドさんが俺の髪を 綺麗に整えてくれた。
メイド
さて、怜様のお部屋へ行きましょう。
悠
…はぃ、
コンコン
メイド
怜様、失礼します。
怜
ん、…
悠
…こ、こんにちは…
怜さんはベッドの上で本を読んでいた。
メイド
怜様がオークションにて引き取った悠様です。
怜
…あぁ、…
怜
悠、…か…こっちへ
悠
…は、ぃ……
メイド
…私はこれで、失礼しました。
怜
……悠…
怜さんは突然俺を抱きしめた。
悠
…ちょ、ぇ……ぁ…
怜
…白沢 優…
悠
…え、…。
怜
…君も知ってるだろう、
白沢優、俺の後から研究所に来て 名前が同じの小学生の男の子。
悠
……そ、その子が…どう、したんですか
怜
……僕の弟だったんだ。
悠
……え、…
怜
…でも、会えないまま死んでしまってね
怜
君と名前が同じで…咄嗟に声が出たんだ
悠
……ご、ごめんなさい…。
怜
…?…なぜ君が謝る、
悠
ぉ、俺が…守って…あげられたら、
怜
…いや、いいんだ…連れていったのは父だから…君は何も悪くない。
悠
……、
連れていったのは…… …俺と同じ、
怜
僕は体が生まれつき弱くて、会いにも行けなかった…、
怜
君が良ければでいいんだけど、
怜
…どうして優が死んだかわかるか…?
悠
……き、聞きたい……ですか、…?
怜
…君が良ければでいいよ、
悠
……。…
悠
…実験の負荷が、かかり…過ぎて、
悠
か、…身体中…ヒビが、入っ…て…
喋るうちに、あの時の事を思い出して 呼吸が早くなる。
悠
…は、…ぁッ…けほ、っ…
怜
…もういいよ、わかったから…
怜
無理な質問でごめんね。
悠
けほ、っ…けほっ…。
怜
……よしよし、
怜さんの手は暖かくて心地よかった。







