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No.7
北斗と共依存
北斗side
これは俺の学生時代の話。
少しだけ振り返ろうと思う。
これまでの人生で、 何百回と聞いたセリフ。
○○と釣り合うわけないだろ、 呼び捨てとか何様だよ。
大抵の奴は、 何度めかのやり取りで 察して、同じ事を二度と 言わなくなる。
次第に、○○の話題を 振ってくる奴はいなくなった。
○○
松村北斗
○○
ただでさえ日にち合わないのに と口を尖らせる○○は、 バカレアが終わってから、 少しずつ1人での仕事が増えて 忙しそう。
○○
ぎょっとして横を見ると、 随分真剣な面持ちで 考えている○○。
松村北斗
○○
松村北斗
○○
松村北斗
こんな事を本気で言うから タチが悪い。
俺がどれだけ裏で 手を焼いているか、君が 知ったらどう思うだろう。
なんて、怖くて言えないけど。
松村北斗
○○
松村北斗
○○
遠くを見つめていた○○が こちらを見て、 「約束だからね!」 と笑う。
この笑顔をどうやって守れば いいか分からない俺は、 目を伏せて頷いた。
そんな話をして少したった頃、 ○○を迎えに行く途中、 廊下で耳にしてしまった、 最低な話。
ゲラゲラと下品に笑う奴は、 確か隣のクラスだったか。
松村北斗
松村北斗
頭にきてるのに、 目の前のこいつの事を 殴りたいのに、
○○の事が心配で、 くちゃくちゃの心のまま ○○の元へ走った。
松村北斗
壁にもたれている ○○が顔をあげた。
○○
松村北斗
赤く潤んだ目をした○○は、 鼻をすすって笑う。
…なんで笑ってるの…?
○○
松村北斗
続々と下校して行く 生徒たちが、俺たちを 振り返っていき、ヒソヒソと 話す声がやたら耳障りだ。
たまらず○○の手首を 掴んで、早歩きで空き教室を 探す。
○○
○○
松村北斗
少しだけ冷静になれた頃には 校舎の端まで来ていて、 目の前の教室には、 『保健医不在』と書かれた 札が掛かっている。
ゆっくり扉を開けて、 ○○を椅子に座らせた。
俺が掴んでいた手首は赤くなり ○○の白い肌との コントラストが美しい。
松村北斗
○○
松村北斗
理由を知っているのに 知らないふりをして聞く俺は 酷い男だろうか。
○○の目には、 再び涙が滲む。
○○
○○
○○
松村北斗
○○
松村北斗
○○
ジャニーズにいるというだけで 女子の反感を買いやすく、 なかなか心を開ける友達は いないようだった。
唯一の友達を無くしたのに、 最低な俺はどこか安堵している
松村北斗
○○
松村北斗
○○
これまでも、 あらゆる言葉で、行動で、 ゆっくり○○を縛ってきた。
○○の両手をぎゅっと握る。
○○はもう、 何も見なくていいよ。
俺が目になってあげるからね。
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