よし ... 、 今の内に逃げよう。
そう考え、音を立てないようゆっくりと扉を開け、近くに青年が居ないことを確認して、目の前に見える玄関の方へ向かった。
フェリ
おかえり ♪
菊
ぁ ...
その時、私はどんな顔をしていたかは、鏡が無かったため分からなかったが、恐らく 絶望をこれでもかと言うくらい露わにしていたのだろう。
フェリ
で、玄関に何か用があったの ?
フェリ
菊。
機嫌の悪そうな青年の機嫌を良くしようと お得意の営業スマイルを御見舞したが、
菊
いえ、
特に何も無いですよ。
特に何も無いですよ。
フェリ
へ -
青年は更に機嫌を悪くした。
フェリ
まぁいいや、
ほら、早くリビングに戻るよ
ほら、早くリビングに戻るよ
菊
は、はい。
フェリ
あ、そうそう !
フェリ
俺の自己紹介がまだだね。
フェリ
俺は
フェリシアーノ•ヴァルガス
フェリシアーノ•ヴァルガス
フェリ
適当にフェリって呼んで
菊
分かりました。
フェリシアーノ ... さん ?
フェリシアーノ ... さん ?
フェリ
さんは無し
菊
... 呼び捨てですか?
フェリ
勿論
フェリ
もしかして嫌 ?
菊
いえ、ただ単に
呼び捨ては慣れていないませんので ...
呼び捨ては慣れていないませんので ...
フェリ
ふ - ん
フェリ
そうなんだ
フェリ
あと、フェリでいいってば
菊
あ、はい。
菊
フェリ ... 君では駄目ですか ?
フェリ
う - ん ...
まぁそれでいいよ
まぁそれでいいよ
フェリ
菊は菊の呼び方で良いよね ?
菊
えぇ、まぁ
フェリ
ん、なら決まり
フェリ
改めて宜しくね、菊 ♪
菊
はぁ、此方こそ宜しく御願い致します。 ?
菊
フェリ君。
あれ、何故宜しくなのでしょう ... まぁ、細かい事は後回しに ... 出来たら楽なんですけどね。
Continuar .