えむ
司
えむ
司
こうやって、司くんとあたしは病院を出て、無事結ばれましたとさ…
午前9時
えむ
そんなに上手くいくわけないよね。
看護師
えむ
医者
えむ
『少しづつ、良くなってる気がします!』と書いた紙をお医者さんにみせた
医者
医者
えむ
『友達と話しました。』
医者
『伝えてません。』
医者
医者
真っ赤な袋から伸びてる線があたしの腕の中に入っている
えむ
医者
えむ
ダメ
えむ
ダメなのに
えむ
『最後に、みんなとお話がしたいです。』
医者
えむ
こうして、司くんと会うのも最後になってしまった。 寧々ちゃんとも、類くんとも、 みんな、みんなと離れ離れになる 一生会えない。
午後2時
看護師
えむ
看護師
えむ
看護師
えむ
看護師
えむ
えむ
『あたし、お外に行きたいです。』
看護師
えむ
看護師
ぺた、ぺた、
えむ
寧々ちゃんは認めてくれるだろうか、いきなりで怒らないだろうか。 類くんのプロポーズは上手くいったのだろうか。司くんはどう反応するのか。あたしは生きてて意味が無いんじゃないか。
えむ
ダメ、泣いちゃダメ、お外に行きたいんだった、お外の空気吸って、安心しなきゃ。
えむ
もう桜が咲く季節になったんだ。4月、司くんの誕生日にはもうあたしはいない。最後にプレゼントでも残してあげなきゃ。
えむ
司くんは泣くだろうか。怒るだろうか、笑うだろうか、
えむ
落ちてきた桜の花弁を手に取り、ロケットペンダントの中に入れた。
えむ
ぎゅう、ロケットペンダントを握るあたしの手は音が鳴っていた
午後7時
えむ
『ただいま』そのメモ帳を持つあたしの手は震えていた
看護師
『最後なら、とってもわんだほいしたいなぁ!って思ったんです!』涙目になりながらこんなの伝えるなんて、あたしってばバカ?
看護師
えむ
看護師
えむ
『そう!そうなの!司くんって、あたしの彼氏で、有名なお星様なんですよ!』泣きそうになったのに司くんの話題でちょっと安心しました。
えむ
『もう、寝たいです。』
全て忘れて、もう寝よう。ご飯を食べて、本を読んで、(パラパラとだけど)目を閉じて、誰にも届かないおやすみを呟いた
コメント
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物語悲しいけど好き…、