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ある日、それは突然だった。 母からパニックを起こしてる状態で電話
千早
おかあさん。どうしたの？
千早
そんな慌てた様子だけど…
母
千早 落ち着いて聞いてね？
千早
うん。どうしたの？
母
お父さんが倒れたの。
千早
えっ!
母
もう…ながくないって…
母
明日が明後日が…
千早
うそ…やだよ…
千早
いまから行く
千早
病院どこ…？
母
○立○○大学病院
千早
わかった。
母
気をつけてくるのよ？
ガラガラ…
千早
お父さん…
母
あなた…千早が来てくれたよ？
千早
お父さん…死なないで。
千早
まだ…死んじゃいやだ！
母
そうよ…あなた…まだがんばって！
すると…父は最後の力を振り絞るように 「もう…○○○○くれ…」
千早
お父さん…
千早
聞こえないよ…
母
頑張って…あなた諦めないで。
千早
そうだよ。
千早
頑張って…お父さん
千早
私と
千早
お母さんのために
千早
もっと働いてよ。
千早
私とお母さんを裏切った分
千早
がんばって…
千早
お父さん…生きて。
すると…そこへ主治医がきて。 「ほんとに奥様いいんですか？ この薬を使うと…」
母
構いません。生きてほしいので…
そして、夜になり…
母
あなた頑張ってね？
母
生きてね。
すると…必死に言葉を 「もう…許して…くれ…」
母
許すなにを…？
母
昔…私と千早にしたこと？
母
ストレスが貯まるたびに
私達に暴力をふるって…
私達に暴力をふるって…
母
生活費も入れないのに…
ご飯がおかずが少なかったら
暴言はいてたことを？
ご飯がおかずが少なかったら
暴言はいてたことを？
母
ごめんなさい。あなた
母
心当たりがありすぎて
どの謝罪かわからないわ？
どの謝罪かわからないわ？
母
大丈夫ですよ。
もう全て許してます。
もう全て許してます。
その時に見せた笑顔は言うでもなく、 1番 笑顔怖いものだった事を…
母
だから…なるべく生きて下さい。
母
苦しみながら…ね。
ナース
505の金井さん。
だいぶ 苦しそう…
だいぶ 苦しそう…
ナース
だね…でも…
ナース
そこまでしても生きて
いてほしいのよ。家族は…
いてほしいのよ。家族は…
ナース
それに娘さんも花まで買って
お見舞いにきて…泣いてたよ。
お見舞いにきて…泣いてたよ。
ナース
ほんとにそうかな？
ナース
なんか気になることでも？
ナース
娘さんの花さぁ…
ナース
うん。
ナース
たしか…
百合と紫のヒヤシンスだよ？
百合と紫のヒヤシンスだよ？
ナース
そうだね。
もっちもかわいいよ？
もっちもかわいいよ？
ナース
でも…あれ
たしか…花言葉
偽りと悲しみ
たしか…花言葉
偽りと悲しみ
ナース
もしかして…
ナース
悲しみが偽り…
悲しくない。のかなって
悲しくない。のかなって
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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