第三話/だ れ
その美しい少年が通り過ぎると、なおきりくんは、ただひたすらに呆然としていて上の空だった。 肩を揺さぶってやっと気が付いたくらいだ。
Eto
Naokiri
Naokiri
Eto
急にテンション落とすなよ いつもみたいにハイテンションになりなよ。 なーんて言えるはずもなく、私は荷物を抱えて部屋を後にした。
通り過ぎた彼は幸せの匂いがした。 やけにニコニコしたその表情は人を惹き付けるような笑顔で、つい目で追ってしまった。
でも、俺は見た。 もふくんが彼に笑顔を見せているのを。 無性に腹立たしかった。 初めて目にする笑顔はどこかぎこちないような、中身が無いような笑顔だったけれど…
悔しかった
Naokiri
Eto
Naokiri
Eto
Naokiri
Naokiri
Eto
何とも言えないこの感情をどう説明しろと言うのだ。 1人で、勝手に悲しくなっているのが恥ずかしくて会話を流してしまった。
Eto
Naokiri
Naokiri
Eto
Naokiri
Eto
Eto
Eto
Naokiri
我ながら阿呆な質問だと思う。 もふくんがニコニコしてたんだもの、仲良くない訳がない。 それでも、現実では無かったと信じている自分がいる。 だから、こんな質問を…
Eto
Eto
Naokiri
Eto
Naokiri
Eto
Naokiri
Naokiri
Eto
Naokiri
俺の頭を軽く叩いたその手は、あたたかくて愛をたっぷり含んでいた。 出会って数日の先輩とここまで仲良くなれたのは、自分でも不思議に思う。
もふくんとも心の距離を縮められたらな… なーんてね。
Donuku
Runa
Noa
Donuku
Noa
Donuku
どぬく君は根っからの人たらしだ。 きっと苦手な人にも優しくするタイプ…と私は分析している。 簡単に言えば"勘"だけどね
Mofu
Donuku
Noa
Mofu
Runa
どぬく君… 所々抜けている所が可愛いんだよね。 でも人付き合いは得意… その反対、もふくんは何でもかんでも完璧にこなすけど人付き合いだけは不器用。 二人で一人みたいな所があるかも笑
もふくんが笑ってくれるんだもの 彼がいればもふくんはきっと大丈夫。
半ば、それは祈りだけれど。
Mofu
Donuku
Mofu
Donuku
Donuku
転入生の「な」から始まる人… あの人か 一体何の用事だろう。 あまり絡むようなタイプではない気がするけれど…
Mofu
Donuku
Mofu
Donuku
Donuku
Mofu
Mofu
Donuku
Mofu
Donuku
Mofu
そう言うとどぬくさんはこちらを振り向いて微笑んだ。 思い立ったらすぐ行動に移すところは昔から何も変わっていない。 子供の頃から、支えてもらってばっかりだ。 頭が上がらない。
一人でも複数人でも、どちらでも上手く生きていける彼が心底羨ましい。 なんだか、心が酷く冷たい。 雪山にたった1人で遭難してしまったような感じだ。
Donuku
もふくんやっぱ冷たいな なおきりくん(?)を探しつつ心の中で考え事。 「心開かれてるよね」って言われるけど全然そんな事ない。 俺が一方的に干渉しているだけで、もふくんから寄ってくる事はあまりない。
そもそも、彼の心を開くなんて出来やしないのだ。 開かずのこころ。 物語のセリフみたいだな笑
Donuku
Donuku
過ちも、罪も全部。
Donuku
放課後
Eto
Noa
Eto
絶対無いよ〜 なんて、口が裂けても言えない… 見つけなきゃ帰れないのだから… くそっ!
Noa
Eto
Eto
Noa
Eto
Noa
Eto
Noa
Eto
Noa
Eto
Noa
Eto
Eto
Noa
Eto
Noa
Eto
Noa
内気なもふくんにも心を許せる人が現れますように。 でないと、もふくんが壊れてしまいそう。私には出来ることなんて無いから…
今はだた私とのあさんの幸せの詰まった笑い声が図書室に木霊していくだけ。 もふくんの姿など見えない。 彼の心など、もっと見えない。 せめて、彼の寂しげな空気を私達の笑顔で上書きして行ければ… なんて、思ってる。