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夜
時計の針が、日付を回ってしばらく経っていた
薄暗い部屋の天井を、ただぼんやりと見つめる
……寝れない……
香月の笑顔
その瞳の奥にあった「静かな支配」と「獣のような欲」
目を閉じれば、あの視線が脳裏をよぎる
皮膚に焼きついたような――ぬるりとまとわりつく“欲望の予感”
怖い……
自分を囲ってくる4人とちがう
言葉は穏やかなのに、妙に“終わり”を感じさせる目だった
……あの人に、もし見つかったら……
ぶるり、と肩が震える
布団をかぶっても、指先の冷たさが消えない
……誰か……
気づけば、足がベッドから出ていた
無意識に、部屋を抜け出していた
組の廊下
寝静まった空間の奥――微かに明かりが漏れる部屋がある
麗央
小さく扉を開けると、そこにはソファに座ってスマホをいじっていた零斗の姿があった
零斗
彼が振り返る
ほんの一瞬、驚いたように目を見開いたあと――ふっと眉を下げた
零斗
うなずくのも悔しくて、唇を噛んだまま立ち尽くす麗央に、零斗はため息まじりに手を伸ばす
零斗
その言葉に、身体が自然と動いた
ソファの横に腰を下ろすと、零斗がゆっくりとブランケットをかけてくれる
そしてそのまま、何も言わずに肩を抱いた
零斗
麗央
ぽつりと、初めて言葉がこぼれる
麗央
零斗
零斗の声は、珍しく静かだった
零斗
それだけ
なのに、どうしてか、その言葉が胸に染みた
ふいに、ぐっと腕が引き寄せられる
零斗の肩に、額が触れる
その体温に触れた瞬間、ふっと力が抜けた
麗央
気づけば、零斗のTシャツの袖を小さく指で握っていた
その手は、ほんの少しだけ震えていた
零斗はその震えに気づいていた。けれど、何も言わず、ただ、ブランケットをもう一度かけ直す
零斗
夜はまだ深い
けれど、その胸の中に、麗央はほんの少しだけ“眠気”を思い出していた
だいふく
だいふく
だいふく
だいふく
コメント
6件
零斗くん言ってることがカッコよすぎる
じゃあ私も敬語なしで行こうかな~? (少しめんどくさいし) それより、尊すぎんか? 吐血しそう…グハッ あっやべッ
2回連続投稿ありがとうございます!!通知来た瞬間すぐ見にいっちゃいました笑 セリフとか、そのキャラにしっかりあったものを考えられるのほんとに尊敬します! 全部がたまらなく最高で、まじでずっと見てられます!💧