翌朝。
朝日が差し込む階段を駆け昇り、あたしは教室のドアを開けた。
美和
教室は、いつものように光があふれている。
でも···いつもと、違う。
あたしが入ったとたん、ガヤガヤしていた教室の中が、シン···と、静まり返った。
美和
もう一度言ったけど、誰も何も言わない。
由奈は、教室にいない···。
いつもなら、ワッと昨日のテレビの話で盛り上がる絵梨花と麻衣、千冬は、窓際で雑誌を見ている。
美和
美和
あたしは、絵梨花の肩に手を置いた。
すると絵梨花は、あたしの手をはらいのけた。
美和
絵梨花
麻衣
千冬
絵梨花は、麻衣と千冬と一緒にベランダに出て、楽しそうにおしゃべりしながら、雑誌を広げている。
あたしの方など見向きもしないで。
...ううん。
あたしなんて、まるでいないかのように。
教室を振り返ると、クラスメートのみんなが、あたしから目をそむける。
....どうして...?
あたしは、心臓がドキドキしてきた。
ガラガラッ
ドアが開いた
いつもの、うつむき加減に由奈が入ってきた
美和
いつもだったら、パッと顔を明るくして、「美和、おはよー!」と言ってくれる。
でも、今日は...。
由奈は黙って席に着くと、髪で顔を隠すようにして、教科書を出し始めた。
あたしは、体がスウッと冷たくなっていくのを感じた。
ベランダからは、絵梨花達の にぎやかなおしゃべりが聞こえてくる。
教室の中にもざわめきが戻ってきた。
いつもと同じ、喋り声、笑い声、誰かの歌声....。 いつもと、同じ。
でも....あたしは?
休み時間。
次は音楽で、移動教室だ。
みんな喋りながら、ゾロゾロと教室を出ていくのに、 今日はだれ1人としてあたしの近くには来ない。
あたしが席から立ち上がると、みんなあたしを避けるように目をそむけて、小走りで行ってしまった。
どうして....?
あたしは、一番理由を聞きたい人を追った。
彼女は教室から一番先に、逃げるように走り出た。
美和
追いついて腕を掴むと、由奈は叩かれそうになった子が小さく縮こませるようにして、立ち止まった。
青ざめた顔をうつむかせて、唇をかんでいる。
美和
美和
美和
美和
美和
あたしは必死で聞いた。
ゆなは親友だもの。何かあったのならきっと話してくれる。
ちゃんとあたしの話も、聞いて、分かってくれる。
きっと、あたしの味方になってくれる。
....でも....。
ゆなは何度も首を振って、あたしの手を振り切って、行ってしまった。
美和
残されたあたしは、呆然と立ちつくした。
手。
小学校の時から、ずっと繋いでいた手。
その手を由奈は、振り切った。
悲しくて、苦しくて、涙がこぼれそうになった。
その時、後ろの方から、クスクスと、笑い声が聞こえてきた。
絵梨花と、麻衣と、千冬。
絵梨花
麻衣
笑いながら三人はあたしをわざと避けるようにして、廊下を走って行った。
....何が、おかしかったの...?
小さくなっていく3人の後ろ姿を見ながら、あたしの中に黒い考えが広がってきた。
まさか.....絵梨花たちが....?
ううん!まさか。 絵梨花たちがそんなことするハズ、ない!
絵梨花たちが中心になって、あたしをクラス中で無視するなんて....。
理由がない。
だいいち、絵梨花たちは、仲良しの友達だよ。
でも...。
主
主
主
主
コメント
5件
ずっと出せなくてごめんなさい! 今日か明日には続きあげます!?
今、テスト期間だから、来週まで、出せないかも!(恋愛関係もあるから!)
みんなハートありがと!