○○
とりあえず上がらなきゃ、っ!!
濡れた体も拭かずドアを全力で押さえる。
蘭
あれ?
蘭
開かない?
○○
ふざけないでください!!
○○
なんで、なんで、、合鍵なんて持ってるんですか!?
○○
犯罪ですよ?!
蘭
それ反社に言う?(笑)
○○
とにかく!!!
○○
もう帰ってください、
蘭
なんで〜?
○○
だって、
○○
メイク、もう落としちゃったから、
蘭
え〜?なんで〜?
蘭
可愛いじゃん
○○
可愛くないです、
蘭
可愛いよ
○○
嘘つかないでください、
蘭
嘘じゃないよ
○○
ほんとに、
○○
帰って、
蘭
え、
蘭
泣いてる?
蘭さんに失望されたくないという気持ちが高まって涙が溢れ出した。
○○
ほんとに、ブスなので
蘭
…
蘭
分かった
蘭
でもまた来るから
蘭
その時は見せてよ
蘭
ありのままの○○ちゃん
ドアの向こうから蘭さんが歩く音がした。
○○
はぁ、
○○
なんか疲れた、
○○
うぅ、寒、っ
○○
もう1回入ろ
その時は見せてよ
ありのままの○○ちゃん
○○
ありのままの私って、
○○
そんな簡単に言わないでくださいよ、
○○
ありのままの私見たらどうせ離れるくせに
整形したとは言っても全ての顔を変えたわけじゃない
目と鼻だけ整形した。
他は全てメイクだ。
○○
自分に合うメイクもやっと見つけれて
○○
なのに、
○○
私の努力を水の泡にしないで、
○○
もう辛い思いするのは嫌なの、
もう、嫌われたくないの、
蘭
○○ちゃんなんであんなに焦ってたんだろ
蘭
ブスとか言ってたけど
蘭
俺そういうの気にしないのになぁ、
○○
私なんでこんな顔に生まれてきちゃったんだろ、
○○
もし顔を誰かと交換できるなら、
○○
蘭さんと交換したいな、
○○
でもそしたら蘭さんがブスになっちゃう!!
○○
それは嫌だな
○○
あ、
○○
なんだ、
○○
私も人の事見た目で判断してるじゃん、
○○
結局私は見た目でしか人を判断できない人間なんだ
○○
私ホント生きてる意味ないな、笑
○○
蘭さんはきっとモテるから誰かから必要とされる存在だよね
○○
私が居なくなっても困らないし
○○
あれ、?
私がいなくなって困る人いるのかな?
有名な人が死んでも数日経てばいつも通りの世界に戻る。
有名人でもなんでもない私が死んでも誰も悲しまないし世界も変わんないや、
○○
はは、笑
○○
なんか笑えてくる
○○
もう疲れたな、
バイトかさっきの事かは分からないけど
今日の疲れが私の不安に被せるように襲ってきた。
瞼が重くなって
意識が朦朧としてくる。
○○
このまま、
○○
永遠に眠れたらいいのに、
○○
朝なんて来なくていいのに、
そこで私の意識は途切れた。