たまに夢を見る。
シオン
ゆあん
小さな頃によく遊んだ、男の子との記憶。
シオン
ゆあん
楽しそうに2人で笑う姿。
でも今は、こんにちはの言葉を交わすことも無くなった。
シオン
起きた後に来る頭痛。
きっと寝すぎたのが原因だ。
でも、二人で遊んで笑うところまでで、毎回夢は終わる
本当は、今でも彼と遊びたい。
昔みたいに元気に走り回るほどの体力も、大きな声も出ないが。
シオン
学校でたまに見かける程度の彼。
すれ違っても声をかけられないほど距離は遠くなっていた。
それは、自分に勇気がないから。
迷惑がかからないか怖いから。
抑え込む感情の代わりに、小さなため息がこぼれ落ちた。
授業中のうたた寝で久しぶりに見た、彼女と遊ぶ夢。
廊下を1人で歩く俺の頭は、彼女のことが気になって仕方なかった。
ゆあん
小さく呟いた本当の気持ち。
自分に勇気がないから話すことも出来ないのに、遊ぶなんて高望みだった。
夢のまた夢だと、声もため息も飲み込んだ。
でももし、
彼女が俺を必要としていたら。
そんな妄想もかき消して教室に戻ろうとした。
シオン
隣を横切る懐かしい香り。
彼女だとすぐに分かる。
でも、話しかけられない。
振り返って声が出そうになった時、手を伸ばして止めようとした時、声は止まり、その手は空を切った。
やっぱり俺には自信が無いんだ。
空を切った手を数秒見つめていた。
ゆあん
授業が終わり、皆が部活で忙しく学校を駆け回る頃、俺は先生に捕まった。
荷物を運ぶのを手伝って欲しいとの事だ。
俺は帰宅部で断る理由もないのでやるしかない。
終わって教室に戻ろうとした時、隣の教室に目をやった。
涼し気な風と、元気な掛け声が飛び込んでくる窓際に、彼女は立っていた。
シオン
俺に気づいてる様子もなく、教室にも誰もいない。
ただ、懐かしい彼女だけが、1人空を見上げていた。
まるでかぐや姫のようだと何故か感じた。
今から俺に、『私は空へ帰らなければなりません』と言いそうなほどに美しく感じた。
見とれるように見つめていると彼女が振り向き俺に気づいた。
驚くような顔をして、ほのかに悲しそうに微笑む姿は、ずっと昔と変わらない。
シオン
喋り方は変わっていた。
まるで名前は知っているが話したことの無いクラスメイトのような喋り方だ。
ゆあん
ゆあん
短い言葉しか出てこない。
本当はもっと、昔のように楽しく喋りたい。
彼女は同じ気持ちなのだろうか。
涼しげな夕方を告げる風が、俺たちの頬を撫でて行った。
主
シオン
主
主
主
シオン
ゆあん
主
主
シオン
主
主
主
主
コメント
7件
リクエストでカラフルピーチのえとさんと、じゃぱぱさんの仲悪い物語お願いします!
神では…?
初コメです! 続き待ってます!