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そして寮について俺の部屋につくと、ベッドに座る。

たくさん泣いて顔が赤くなった俺の横に、一人の男が座る。

こいつは青山ともや。俺たちの寮は人数が多いから、1つの部屋を2人で使う。

こいつとはクラスが別だし、全然絡むような奴じゃなかったけど、部屋が同じだから仲良くなった。

そんなともやは俺の顔をそっと覗き込む。

ともや

…泣いてんの?

あやと

…うん

あやと

…まぁ、色々あって

ともや

大丈夫?

あやと

…いやっ…

あやと

大丈夫じゃない…

俺がそう言うと、ともやは立ち上がり、俺の前に来る。

そしてそのまま、俺の事を抱きしめた。

あやと

…何…してんの…?

ともや

…俺が兄ちゃんにされてたやつ

あやと

…へ?

ともや

兄ちゃんさ

ともや

いつも俺が泣いてたり落ち込んでたりしたら

ともや

こうやって抱きしめてさ

ともや

大丈夫って背中さすってくれて

ともや

…それを今やってる

あやと

…どうせそれ子供んときだろ

ともや

…うん

ともや

…まぁ、そうだけど…

ともや

でも今は俺に甘えて?

ともや

今だけはお前の兄ちゃんになってやるよ

あやと

ふっ笑

あやと

なにそれ笑

ともや

よかった

ともや

笑ってくれた

あやと

あぁ…

あやと

ありがとな

あやと

なんかちょっとだけ気が楽になった

ともや

いえいえ〜

ともや

困ったことがあったらいつでも言えよ〜?

あやと

うんっ

あやと

ありがと

そしてその夜。

…あーあ

明日どうしよ…

絶対嫌われたよね…

俺は寝る前にそんなことを考えながらも眠りについた。

そして翌日。

俺は学校につき、いつものように真が教室に入ってくるのを待つ。

真が教室に入ってくると、俺は慌てて挨拶をする。

あやと

お、おはよ!

…おはよ…

あっ…返してくれた…

もしかして怒ってない?

あやと

あ〜…

あやと

真、その…

あやと

昨日は…

わりぃ、ちょっと今話しかけないで

考え事してるから

あやと

あ…

あやと

うん…

あやと

ごめん…

怒ってる…どうしよう…

あぁもう、ほんと俺ってバカ…

その後何度も真に話しかけようとしたけど、その度に言い訳をして避けられた。

そんな日々が続いたある日の昼の時間、真は少し泣きそうな顔で教室に入ってきた。

なんか心配になって、話しかけても多分避けられるけど、勇気を出して話しかけた。

あやと

…真

あやと

…なんかあった?

俺が恐る恐るそう聞くと、真はこくりと頷く。

避けてこない…

…ちょっと話聞いてくんね?

あやと

えっ…

あやと

いいけど…俺でいいの?

相談できるのお前しかいないから

あやと

…そっか

そして俺たちは、屋上に移動した。

屋上にあるベンチに座ると、しばらく黙っていた真が口を開く。

…蓮に嫌われた

俺のせいだよね…

…あのな、俺、蓮にちゃんと気持ち伝えたくて

そんで毎日蓮のこと探してたの

でもさ、すっごい避けられて

それでも俺諦めずに蓮のこと追いかけ回しててさ

そしたらさっき「もう俺に近づかないでください」ってはっきり言われちゃって

俺普通に傷ついてさ…

マジで泣きそうなんだよね…

そう言ってうつむく真を見て、俺は罪悪感がした。

あやと

…ごめん

あやと

…俺のせいで

あやと

こんなことになっちゃって…

ううん

もういいよ

そんなに怒ってないから…

真の意外な気持ちに俺は驚く。

あやと

…ほんとに?

うん

あと、お前と友達やめるとかなったら俺ほんとに1人になっちまうし

こうやって話聞いてくれるのもお前しかいねーからさ…

だから

いつもありがとな

あやと

そういうところがダメなんだよな…

…そういうこと急に言うから、もっと好きになっちゃうんだよ…

ほんとだめな男だな…俺って…

あやと

…あのさ

あやと

しんは蓮くんのことが好きだし

あやと

蓮くんも真のこと好きで

あやと

俺も…

あやと

俺もそれくらい真のことが好きなんだ…

あやと

そんで…

あやと

もしかしたらまたあの日みたいなことするかもしんねーし

あやと

自分抑えられねぇかもしんねぇ…

あやと

それでも…

あやと

もし真が迷惑じゃないなら…

あやと

真のこと…

あやと

好きでいていいかな…?

俺が震える声でそう言うと、真は急に笑い出す。

ふっ笑

あははっ

あやと

は!?

あやと

なんで笑うの!?

いや

だって

そんなんさ、俺に確認しなくてもいいだろ?

別に俺のこと好きでもいいし

それに仮に俺がヤダとかやめろとか言ってもどうせ好きな気持ち捨てらんねーだろ?

だからいいよ

別に俺の事好きでも

あやと

…ありがとう

うれしかった。

なんか安心した。

そしたら涙が出てきた。

でも、真にはバレないようにした。

しんは見た目が怖いし、無愛想かもしれない。

それでも本当はこんなに優しいし、ちゃんと人の気持ちを考えてくれるし、あんな酷いことをしたのに許してくれた。

だからこれからもそばにいる。

しばらくしたら予鈴がなったので、真と教室に帰った。

その日、俺は寮につき、自分の部屋に入ると、すぐにベッドに飛び込む。

あやと

はぁ…

あやと

よかった…

昼の出来事を思い出し、安堵していると、思わず心の声が漏れる。

そんな俺に気づいた同室のともやは俺のベッドの方に近寄ってくる。

ともや

何が良かったの〜?

あやと

ん?

あやと

あ、いや

あやと

ちょっと喧嘩?

あやと

してた人と仲直り出来たからなんか安心して…

ともや

ふーん…

ともや

喧嘩…誰と?

あやと

真、同じクラスの

あやと

ほら、前泣きながら帰ってきただろ?

あやと

そんとき喧嘩してさ

あやと

俺、真のこと好きでさ

あやと

だから泣けてきちゃって

あやと

あの日泣いてた

ともや

好き…なんだ…

ともや

その人のこと

あやと

…あ、ごめん

あやと

変だよな、そんなの

あやと

男が男に恋するなんてさ

ともや

…いや

ともや

別に変じゃないよ

ともや

…俺もそうだし

あやと

えっ

あやと

マジ?

ともや

うん

ともや

マジマジ

…なんか、割と男が好きな人多いんだな

…なんか安心したわ

あやと

…でも

あやと

真にも…好きな人がいるの

あやと

で、その子も真のことが好きで

あやと

…両想い…なんだよね

あやと

…でも真は、俺の事好きでいていいって言ってくれた

ともや

…へぇ〜

ともや

じゃあその2人は付き合ってるの?

その質問に、俺は言葉がつまる。

あやと

いやっ…

あやと

その…

あやと

俺が…

あやと

俺のせいで…

あやと

なんかその…

あやと

仲悪くなっちゃって…

あやと

俺があの日、あんなことしたから…

ともや

…何があったか聞いてもいいかな?

あやと

…うん

そして俺は、あの日の出来事を全て話した。

俺が話してる間、ともやは黙って話を聞いてくれた。

俺が全部話し終わると、ともやはゆっくり口を開く。

ともや

…そっか

ともや

ありがとね

ともや

話してくれて

あやと

ううん…

あやと

お前もありがとな

あやと

俺の話聞いてくれて

ともや

…あのさ

あやと

ん?

しばらく沈黙が続き、俺の方を見て口を開く。

ともや

俺は…

ともや

好きだよ

あやと

…え?

あやと

何が

ともや

…あやとのこと

【創作BL】俺の好きな人と俺を好きな人

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