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琥珀

3 - 狼

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2022年03月13日

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中で何が起こってるんだ…?

気になった古論は、静かに扉を開き、先輩達が使っているロッカーの、反対側の物置に身を隠した

先輩

ほら、なんとか言ってみろよ

ガシャンッと音をたてながら、黄谷はロッカーに叩きつけられた

瑠生

っ…離してください!

先輩

てめぇのせいで、青柳とかいう一年に暴力振るわれたらどうすんだよ!

先輩

そ、そうだよ…!

先輩

黄谷はもともと、顔がよく、弓引きの才能にも恵まれ、人望も厚いということで、ごく一部の部員からひどく妬まれていたのだ

そして、青柳古論という一年が入部したのをいいことに、黄谷をいじめる口実をつくっているようだった

瑠生

はぁ…
僕は、間違ったことはしていません。

3人の男に囲まれたこの状況でもなお 強気な態度をとる黄谷が気に食わないのか、空気はだんだんとピリついていった

瑠生

それに、何なんですかあなた達…

先輩

な、なんだよ…

瑠生

わざわざ『3人で』こんなところに呼び出して

瑠生

群れることしかできない馬鹿が、偉そうに命令しないでもらえます…?

先輩

はぁ?ふざけんな!てめぇこそ一匹狼じゃねぇかよ!
一人じゃ何もできないだろ?!

瑠生

はっ…笑

先輩

何笑ってんだこら!

瑠生

知ってますか…?

『豚はどれだけ群れても狼には勝てませんよ?』

先輩

は、はぁ!?
殺されてぇのかてめぇ!

先輩

そうだ!ぶ、ぶん殴るぞ!

口論がヒートアップしていく

そこで、今までずっと黙っていた男が口を開いた

先輩

まぁまぁお前ら、そう熱くなんなって笑

先輩

で、でも…

瑠生

…?

随分と余裕そうな男に黄谷は違和感を感じた

先輩

さっき言ったろ?
恥ずかしい写真ばらまかれてもいいのかよ

瑠生

…そ、そんな写真あるわけない

黄谷には彼女がいたことはないし、ましてや女友達も片手で数えられるほどしかいなかった

もちろん、そういうコトもしたことはない

先輩

なぁ黄谷…

男はジリジリと近づいてくる

さっきまで強気だった黄谷も、少しだけ動揺しているようだった

後ろはロッカーだから逃げ道はない

するとニヤついた男の口からは、黄谷が一番恐れていた言葉が発せられた

先輩

今からお前の恥ずかしい写真、撮ってやるよ…

瑠生

!?

先輩

まじ?

先輩

え、っと…それは流石にまずいんじゃ…

先輩

あ?黙って言うこと聞け

先輩

っ…うん

先輩

よーし、おまえ抑えろ

先輩

おう

瑠生

やっやめて!

先輩

おい、豚は狼に勝てないんじゃなかったのかよ

瑠生

っ…

先輩

形勢逆転だなぁ…?

先輩

裸にひん剥かれないように頑張って抵抗しろよな〜?w

先輩

一匹オオカミくん?

瑠生

はなしてっ!

先輩

おいっあばれんな!

先輩

じゃあ脱ごっか

ニコリと笑いながらこちらを見て、道着に手をかけられた

瑠生

なっ正気ですか?!

先輩

まずは上からな?

今までにないくらいの黄谷の慌てっぷりを見て、男たちの顔からは笑みがこぼれていた

先輩

ほら、もっと頑張れよw

瑠生

あぁっ…ちょっと!

頑張れと言われても、後ろで黄谷の動きをふうじている男がいる限りそれは許されない

男は黄谷の目をしっかり見て、様子を伺いながらじっくり、ゆっくりと、道着をはだけさせていく

瑠生

っ…

今まで、男に上半身を見せることになんか何も感じなかったが、このように注目されてしまうと、なぜか恥ずかしさがこみ上げてくる

先輩

おい、やっぱり戻してやろうか〜?w

先輩

おいおい〜
焦らし過ぎだってw

先輩

なーんてなっ!

瑠生

っ…見ないでください…

一気に、二の腕のところまで道着を脱がされてしまい、まっさらな肌をさらけ出す

先輩

えっうわっ…w
こいつ乳首たってるぞ!

瑠生

!?

道着が擦れたせいか、男たちからは桃色の乳首がたっているのが見えた

先輩

!…

先輩

まじかよ。み、見られて興奮しちゃった感じ?w

瑠生

これはちがっ…!

いつも高値の花のような存在の黄谷が、こんな姿を晒し、顔を赤く染めて慌てふためく様子を見て、男たちは興奮していた

先輩

おいおいw
なんならこっちもたってんじゃねーの?

瑠生

いやだっ!そこはっ

男が袴に手をかけようとしたその瞬間

ガチャ、という音と同時がしてますドアが開いた

友達

おーい、古論どこいった?

先輩

?!

先輩

やべっwいくぞ

先輩

おうw

男たちは足早にその場を離れ、古論の友達に駆け寄った

先輩

おー!片付け終わったのか、おつかれさん

友達

先輩!まだいたんすかw

先輩

あ、あははw

先輩

よかったら俺らと一緒に帰らね?

友達

あーでも、体操着…

先輩

そのまま帰っていいだろw
行こうぜ

友達

あぁ、はい…?

男たちは友達を連れ、そそくさと更衣室をあとにした

黄谷の様子が気になった僕は、向こうのロッカーに駆け寄った

すると

瑠生

…っ、ぅ…

古論

僕が目にしたのは、静かに涙を流す黄谷だった

続く

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