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主
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百年の檻、百年の祈り
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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 死ネタ⚠️ 警察官パロ⚠️ 黄様若干翠様に嫌われ⚠️ パクリ禁止⚠️
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Prolog 百年の檻
夕暮れの大学構内は、誰もが早足だった。
連続殺人事件が続くこの街で、「一人で帰るな」という言葉は、もはや挨拶のようなものになっていた。
だが、美琴は聞かなかった。
自宅は歩いて十五分。
街灯も多い。
何より、心配するほどのことではないと、そう信じていた。
空気はひどく乾いていた。
十一月の風が、街路樹の葉を震わせ、どこか遠くで警笛が短く鳴った。
その音に、美琴は思わず顔を上げる。
夕焼けはもう赤を失いかけ、夜の気配がじわじわと街を侵食していた。
――その時だった。
空気を裂くような悲鳴が、住宅街の角から響いた。
反射的に、美琴は走り出していた。
大学では警察行政を学んでいた。
将来は人を救う仕事に就きたい。
そんな理想だけで身体が動いた。
だが、走る足は何度も躓き、心臓が喉の奥を叩く。
助かれ!
助かれ!
助かれ!
角を曲がった先に、少女が倒れていた。
白いコートが赤に染まり、目の焦点はすでに定まっていなかった。
その横に、黒い影が立っている。
刹那、視線がぶつかった。
――逃げた。
その影は何も言わず、何も残さず、夜の中に溶けていった。
美琴の身体は動かなかった。
ただ、倒れた少女に駆け寄ろうとした瞬間、彼女の血が噴き出して、美琴の顔と胸に降りかかった。
熱い。
温かい。
だが、それは確かに「命の終わり」の温度だった。
息を飲むように周囲の人影が集まり、誰かが叫んだ。
気づけば腕を掴まれ、怒号と警笛の中に呑まれていく。
目の前の現実が、音を失っていく。
取調室の蛍光灯は、真っ白で、どこまでも冷たかった。
何を言っても、誰も聞いてくれなかった。
証拠は――血まみれの服と、目撃者の証言。
それだけで、世界は「彼が犯人だ」と決めつけた。
机を叩く手は震え、涙も出なかった。
声を張り上げても、ただ静かに記録係のボールペンが走る音だけが響く。
日が経つごとに、叫びは虚空に吸われていく。
社会は忙しい。
正義もまた、忙しい。
ひとりの青年の叫びに、耳を傾けている暇などないのだ。
そして、判決の日。
重く、鈍い鐘のような声が、裁判長の口から落ちた。
――懲役百年以内、死刑執行。
静寂が訪れた。
まるで世界全体がその瞬間、息を止めたように。
その日は、美琴の誕生日だった。
十一月二十五日。
人は生まれた日に、死を言い渡された。
皮肉で、滑稽で、そしてあまりにも美しい偶然。
手錠が鳴る音だけが、法廷の中で微かに響く。
その音はまるで鎖のように、彼の運命を絡め取っていく。
呟きは、誰にも届かなかった。
それでも、心の奥底では知っていた。
この百年の先に、祈りがあるなら。
それが、罪であれ冤罪であれ――彼は、生きて、その意味を確かめるしかないのだ。
鉄の扉が閉じた。
「生」と「死」の境界が、確かに鳴った。
百年の檻が、美琴を呑み込んだ。
そして、百年の祈りが始まった。
Prolog・了
主
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡10
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コメント
1件
サムネは神だわ、作品も神だわでもう…昇天(?) 感動作なら絶対泣くやん…