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君の声をちょうだい

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君の声をちょうだい

1 - 君の声をちょうだい

♥

80

2023年05月07日

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💛

❤️、危ないから歩道側歩きなよ

❤️の肩を引き寄せて、並んで歩いていた立ち位置を交換する。

❤️

そんなの大丈夫だよ〜

❤️

俺子供じゃないんだしさ〜

呆れながら❤️が笑う。

💛

ダメだよ!

💛

もし車が突っ込んできたらどうするのさ!

💛

❤️は絶対車道側を歩いちゃダメだよ

❤️

💛ちゃん俺に過保護すぎだよ笑

💛

❤️は僕が守るからね

❤️

あはは

❤️

ありがとう💛ちゃん

2人して目を合わせてふふっと笑う。

そうだよ。

❤️は僕が守るんだ。

危ないものには近づけない。

❤️は僕の大切な人だから。

❤️

それにしても💛ちゃんの家で録音なんて久しぶりだなぁ

💛

ちゃんと覚えてきた?

❤️

結構いい感じに仕上げてきたよ

💛

さすがだね

❤️

今回の曲はなんだか意外とえっちだったね

💛

えへへ。わかった?

❤️

うん。歌詞見たときは純粋だと思ったけど、💛ちゃんの仮音源聴いて思ったよ

さすが❤️だ。

僕の考えている曲の世界をちゃんと掬い上げてくれる。

❤️の感性はとても綺麗なんだ。

💛

でも僕が思ってるような解釈してくれたってことは、❤️は変な妄想したでしょ?

❤️

んなっ!

❤️

そんなわけないよ!

❤️

というか作った💛ちゃんの方が相当エッチなこと考えてたんでしょ!

💛

❤️は僕より想像力豊だから

💛

❤️がどんな妄想したのか僕は知りたいな〜

❤️

う、うるさい!

❤️が顔を赤らめて頬を膨らませる。

きっとそれなりに過激な妄想をしたのだろう。

💛

ふふっ

💛

冗談だよ

本当に

可愛いなぁ。

💛

それじゃあ流すよ

あれから僕と❤️は僕の家で録音作業を開始した。

曲を流せば❤️は僕が欲しかった艶のある歌声で見事に歌い上げる。

もちろん可愛さもある。

本当に理想通りだ。

💛

さすがだね❤️

素直な言葉を伝えると❤️が可愛いらしく照れる。

今回の曲はメンバー曲ではなく2人のペア曲になる。

かけ合いを沢山入れたから❤️の表現力で見事な曲が出来上がっていく。

満足だ。

❤️はやっぱりすごい。

でも

もしかしたら

❤️はもっともっと官能的な可愛さを秘めてるのかもしれない。

背筋がゾクリとする。

知りたい。

可愛い❤️の全てを知りたい。

だが、そこを懸命に押しとどめる。

だめだ。

変なことを❤️に求めるな。

❤️は僕の大切な人で

僕がこれから先も守っていかなきゃいけないんだ。

❤️は綺麗で可愛い子なんだから。

❤️

そういえば💛ちゃん、あの映画知ってる?

💛

映画?

そう問い返すと、❤️が最近公開された映画の名前を言う。

❤️

俺さー、最近観にいったんだけど、すっごく過激でさ、もう観てて恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がないなかったよ〜

❤️

この歌で思い出しちゃった

💛

え?

あははっと照れた❤️を僕はじっと見つめた。

自分の中でモヤが小さく立ち上がる。

💛

1人で観に行ったの?

❤️

高校からの友達と2人で行ったよ

❤️

もうさぁ終わった後超気まずいの!

❤️

下調べなしにノリで観たからさ、あまりにも過激すぎて、お互い超照れてんの!

ウケるよね、そう❤️がケラケラ笑う。

💛

小さかったモヤがどんどん大きくなり僕の自制心を乗っ取りに来る。

僕の知らない❤️を見れるなんてずるい

僕も知りたい。

僕だってずっと❤️の内部に触れたいって思ってたんだ。

でも、誰だって知られたくない姿があって、

僕の欲望のために、❤️の内部にズカズカ入っていくわけにはいかない。

だから、いくら❤️のこと全てを知りたいと思っても、

我慢して側にいたんだ。

カッコいい僕でいたんだ。

それなのに、❤️は僕の知らない人に簡単にそんな姿を見せちゃって

ずるい。

僕もみたい。

❤️

なんかさぁ、純粋な子にどんどん付け込んでいくような展開でさ、その子が羞恥心の中どんどん溺れていくの

❤️

純粋ほどエッチなものはないよね

まるでもう自分には純粋さのカケラもないと言わんばかりに達観して映画の概要を語る。

💛

ふーん

でもいくら大人ぶったって

❤️は純粋な子だよ。

誰にも汚されていない、

君は綺麗なんだ。

そんな君の内部を簡単にも触れていいというのなら、

僕は

迷いなく

君の中へ入り込むよ。

💛

ねぇ、❤️

💛

視界を暗くしよう

僕はネクタイを持ち出し、それを❤️の目にかけた。

❤️

ちょっ!まって!💛ちゃん!?

💛

ほら動かないで

キュッと結んでしまえば、❤️の視覚は完全に無くなった。

ジタバタと慌てる❤️の両手を前から優しく握る。

💛

大丈夫。何も心配しないで

❤️

え!?何やってるの!?外そうよ!

💛

あれ?❤️暗いの怖いタイプ?

❤️

いや、暗いのは大丈夫だけど…

❤️

じゃなくて、怖いのは今の状況だよ!

❤️

なんで俺目隠しされてんの!?

❤️

💛ちゃん!?どうしたの!?

❤️は大きく困惑している。

💛

❤️、この状態で歌ってみようよ

❤️

へ!?

握っている❤️の手を引き寄せ耳元に口を近づける。

💛

"もっとえっちに歌ってよ"

❤️

ひぅっ///

❤️の耳元で囁けば、❤️の肩がはねた

💛

ふふふ

💛

ほらね?

💛

視覚を奪うことで❤️の他の感覚器官が研ぎ澄まされているんだ

💛

さらに何も見えないからこそ想像がしやすくなる

💛

僕は❤️がもっと艶っぽく歌っている楽曲を作りたいなぁ

💛

やってみようよ。ね?

❤️は抵抗をやめたものの、眉を八の字にする。

可愛いなぁ。

僕は嘘はついてない。

自分の言葉に責任をもてる。

もっともっと

❤️の甘美な魅力を最大限に出した楽曲を作ってみたい

何の偽りもない

本心だ

ただ、そこの奥底には

僕の欲望で溢れている

ただ、それだけのことなんだ

ね?❤️

何も見えていない❤️に、

目を細め、僕はにっこり微笑んだ。

❤️の後ろに周りヘッドフォンを装着してあげる

❤️は慌てているようだが、流れはもうこちらのものだ。

💛

ほら、観た映画を思い出して

💛

どんなシーンでどうして恥ずかしくなったかもね

💛

そして、後ろの僕の存在を感じとるんだよ?

装着したヘッドホンの片耳をずらして、耳元で優しく語りかける

くすぐったかったのか、❤️は何度もコクコク頷いていた

💛

じゃあ曲流すから

💛

❤️の全てを僕にみせてね

聴こえているかわからない❤️に声をかける

視覚と聴覚を塞がれた❤️に残された感覚は

味覚

嗅覚

そして

触覚

僕は歌い出そうとする❤️に後ろから優しく、包み込むようにハグをする

❤️が僕の腕の中で強ばるのがわかった

❤️、僕を感じ取って

君を抱きしめているのは僕で

君を心から想っているのも僕だって

歌い出した❤️の声が震えている

戸惑いと焦り

でもその奥には

艶やかな吐息が交じる

背筋がゾクリとする

なんて色のある歌い方だろう

甘い

けどまだ熟れてない

もっともっと❤️の秘事を暴きたい衝動が増す

曲の盛り上がりにきた❤️は、頬が赤くなり、息が上がっているのもわかる

思わず❤️の首筋に吸い付いて

❤️の乱れる姿を見たい衝動に駆られたけれど

なんとか自制

でもその代わり

❤️の頬へ

触れるか触れないかのキスをした

❤️

ひぁ……!!!

❤️が肩をビクリとさせて声を上げる

その反応があまりにも可愛くて

声を出して笑ってしまった

なんて君は愛らしいんだろう

君の声が僕を狂わせる

もういっそのこと

君の声を、

💛

❤️の声僕にちょうだい…

❤️の唇に自分の顔を寄せる

後ろから❤️の顔を覗き込む体制となるため

必然と❤️に体重がかかり、❤️の眉間にさらに皺がよる

このあと僕らはどうなってしまうのか

頭の片隅のどこかには

そうやって自分で問うが

それよりも

❤️の声が欲しいと思った

❤️

ねえ、💛ちゃん!

❤️

もうこれとっていいよね?

❤️のすがるような声にハッと我に返る

気づけば曲はもう終わっていた

❤️の唇に重なる寸前だった

とっていいか、というのは

ヘッドフォンかネクタイか

いや、どっちもだろうか

そう考えながら

いつのまにかキツく❤️を抱きしめていた腕の力を弱める

ヘッドフォンとネクタイを取ってあげれば

目も耳も真っ赤にした❤️と視線が交じり合った

💛

ごめん、、、

💛

ちょっと音楽に熱くなっちゃった

❤️

❤️

💛ちゃんのばかぁ

❤️の拳が僕の胸に当てられる

💛

本当にごめんね

その後は、2人少しよそよそしくなりながらも

通常のやり取りをして、やることを終わらせて解散した

❤️

ねえ、💛ちゃん、

❤️

あの音源使わないよね

その日の夜遅く❤️からLINEがとどく

やっぱり気になっていたようだった

💛

うん、歌い方はすごく魅力的だけど

💛

音外しまくってたし、余計な音たくさん入ってたから使わないよ

💛

編集頑張ればいけなくはないけど、使いたい?

❤️

いや!いい!大丈夫!

❤️

最初に録ったやつにして!

「おやすみ」と書かれた犬のスタンプが届き、強制的LINEが終わる

少し距離おかれちゃったかなぁ…

苦笑いしながらスマホをとじる

実際ののころ

あの音源は音程が定まっておらず

僕の声や❤️の歌以外の声がはいってしまっていた

どこの部分を切り取っても

もとの❤️の歌と合わせると違和感でしかなかった

残念だが、最後に録った歌は使えない

だけどそれ以前に

❤️のあの艶やかな歌を

誰にも聴かせたくない

あれは僕だけのもの

僕だけの声

「純粋ほどエッチなものはないよね」

❤️の言葉を思い出し、背筋がゾクリと粟立つ

💛

まったくだね

あの官能的な声は

絶対に誰にも聴かせない

僕だけの❤️だから

おやすみ

僕の愛しい人

おわり

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