時は少々遡り、
ウミとスモーカーはプレゼントを見ていたが…
スモーカー
ウミ
特にねぇ!
スモーカー
ウミ
スモーカー
ウミ
てかガキって言った方がガキなんだぞ!
スモーカー
そういうとこがガキなんだ、自覚しろ
ウミ
ウミがスモーカーを殴ろうとするがスモーカーがウミの額を抑えているため当たらない。
スモーカー
スモーカーは葉巻の煙をウミの顔にフゥ〜とかける。
ウミ
くっせ〜、やめろよな!
スモーカー
何が食いてぇんだ。
ウミ
いっぱい食いてぇもんがある!
ウミが満面の笑みで言う。
ロー
「「???」」
ウミ
ローがウミの腕を掴み、早足で歩き始める。
ウミ
それを見ていたイッカクは
イッカク
可愛いじゃん!
スモーカー
あの野郎!
スモーカーがイライラしている。
それからウミの腕を掴み歩いていたローが立ち止まり、ウミの方へ振り向く。
ウミ
ロー
ローが小声で問う
ウミ
ロー
なんでアイツと楽しそうに歩いてたかって聞いてんだよ!
ローがイラついた口調で怒鳴る。
ウミ
…お前には関係ないだろ?
ロー
ウミ
さっき知らねぇ女と歩いてたじゃねぇか!
それだって私には関係ないし!
…関係ない、し…
ウミが一瞬泣きそうな顔をしたが走り出した。
ロー
ローはウミの名を呼びながら追いかける。
ウミは逃げながら"言いすぎた"と悔いていた。
そして10月3日
ウミの誕生日。
麦わらの一味の皆に祝われ、
サボ達"革命軍"
"キッド海賊団"
ガープ、スモーカー、たしぎ達からは電伝虫で祝われた。
そして夜になり、サニー号では宴が行われていた。
1度風に当たろうとウミは甲板へ出る
静かに風がウミの頬を通り抜けた後、少し強い風が吹く。
???
ウミの後ろから声が聞こえた。
そしてウミは振り向く。
ウミ
そう、この間気まずくなったローだ。
2人の間に気まずい風が吹く。
ロー
ローは1つ息を吐く。
ロー
ウミ
ローがウミにプレゼントを渡す。
ウミ
ロー
ウミがプレゼントを開ける
すると、
ウミ
ウミが帽子を手に持ち言う
ロー
ウミ
ウミがパァ〜と笑顔になる。
ウミの嬉しそうな笑顔にキュンとする死の外科医。
ウミ
ロー
ローの返事の後にウミは白い生地で黒のアザラシ柄のバケットハットを被る。
ウミ
ウミがニコニコしながら尋ねる。
ロー
ローが小さく口角をあげる。
ウミ
ウミは満面の笑みで言う。
ロー
ローは軽く頬を染め尋ねる。
ウミ
めちゃくちゃ気に入った!ありがとう!
ロー
ウミはローに言われてプレゼントの袋の中をもう一度覗く。
ウミ
ウミが目をキラキラさせる。
ウミ
しかもこんなにいっぱい!
ローはインスタントのお汁粉を大量に入れていた。
ロー
ローがフッと笑う
ウミ
ウミはプレゼントを大事そうに抱きしめ
"世界のつづき"を歌い始める。
ウミ
どうしてすぎる季節に消えてしまうの〜🎶
〜
〜
〜
ウミ
ロー
海風に艶のある黒髪を靡かせながら歌うウミを、ローに生きる意味を与えてくれた、あの少女を思い出させていた。
『生きる意味なんて難しいこと、私には分かんねぇ。 でもさ、意味なんてなくても生きてる事が意味なんじゃねぇかな?』
ロー
ローは確かめるかのようにウミに尋ねる。
ロー
それともただアイツに似た誰かなのか…)
ウミ
ウミが隣に居るローに尋ねる。
ロー
ウミ
生きる意味とか難しいこと、私には分かんねぇ。
でもまぁ、意味なんてなくても生きてる事が意味だろ。
ロー
ローが驚きを見せ、確信を持った。
12年前にコラソンと訪れたある島のある山で出会ったローより9つ下でローに生きる意味を教えた初恋の相手だ。
そしてついでに思い出したことがある。
あの時、出会ったのはウミだけじゃない。
幼いルフィ、エース、サボ。
あの日の事を思い出したことで、思い出のピースが揃った。
間違いなくウミはローの初恋の相手だと言うこと。
ウミ
ロー
ローが目を瞑り、微かに口角をあげる。
ウミ
ロー
そして、船室から一味が出てくる。
ナミ
ロビン
ロビンが揶揄いを含めた笑顔で問うてくる。
ウミ
ほらほら、この帽子!
ルフィ
しかもトラ男と同じ柄じゃねぇか!
サンジ
ロー
フランキー
ウミ
それからしばらくガヤガヤと騒いでいた。
その後、ローは潜水艦へ戻り、クルー達も寝床に着いていた。
だがウミだけは寝ることが出来なかった。
ウミ
なんで居ないんだよ…
サボだって祝ってくれた。
なのにエースが居ない…
ウミが涙を流して言う。
それから2時間後
ルフィ目線
ルフィ
あ、まだ夜か…
ルフィは寝ぼけながらも目を覚ます。
そしてルフィが部屋から出ると何処からか歌声が聞こえた。
ウミ
あの星明かりを、海の広さを
ルフィ
歌の聞こえる方へ近寄るとサニーの頭に座り、ウミが歌っていた。
ルフィはそのまま歌っている姿を聴きながら見つめている。
ウミが人の気配を感じたのか肩を跳ねさせる。
ウミが振り向くとルフィの姿があった。
ウミ
ルフィ
それにしてもお前、真っ白じゃねぇか。
どうしたんだ?
ルフィはキョトンとして聞く。
ウミ
風が吹き、自身の髪が見える。
ウミ
能力使いすぎたわけでもねぇのに!
※ウミは能力を使いすぎた時と、覇王色を使った時に髪が白くなる。
そして今、白くなっているのは目から水(涙)を流しすぎたからだ。
ルフィ
ウミ
ウミがツッコミを入れる。
ルフィ
ルフィが爆笑する。
ルフィ
ウミ
ウミが顔を背ける。
ルフィ
ルフィはウミを元気づけるように言う。
ウミ
思い出したくもねぇ。
ルフィ
ウミ
ルフィがニカッと笑う。
ルフィ
ウミ
寝たとしてもすぐに目が覚めちまうし
ルフィ
ルフィが察して言う。
ウミ
『エースが死んだのはお前のせいだ。』
『お前がインペルダウンに行っていたら助けられた命だ』
『お前な生まれて来なければ死ぬ事もなかったかもな』って笑いながら…だから眠りに着くのが怖くて…
ウミが小さく震える。
ルフィ
殺したのはウミじゃねぇ!
黒ひげと海軍、赤犬だ!
ウミのせいにしたやつ許さねぇぞ!出てこい!
ウミ
…前を向かなきゃ行けないってわかってるんだ。
でも…やっぱりまだ怖いッ…
2人の間に沈黙が落ちた。