涙

口調が違うところがあります ご本人様には関係ありません

母親が死んだ

たくさんの人が泣いていた

父さんと母さんは仲が良かった

家族の仲が悪かったわけでもない

ただ俺は

泣かなかった

なぜ泣かないか

悲しすぎて涙が出ない

別にそういう訳では無い

俺が泣かない理由

簡単な話だ

なんで泣くか分からないからだ

人はいつか死ぬ

どのくらい生きるか

それは平等に割り振られている訳では無い

でも

人間は最終的に死ぬ

これは生物である限りは

全員に同じように与えられた

ゴールだ

それはみんなが知っていることだろう

そんな当たり前なことが起きている

人はいつか死ぬ

どんな天才であろうと

死ぬ

どうせいつかは自分も死ぬ

こんな簡単で当たり前な事なのに

なぜ泣くのかが俺には理解できない

ただ周りの人はみんな泣いていた

そんな状況を見て

俺は改めて実感した

あぁ…俺は

なんて冷たい奴なのだろう

母さんが嫌いなわけじゃない

ただ泣く意味が理解できないだけ

数日後

俺には友達がいない

ほとんど感情もない

葬式も泣かない

ほとんど喋らない

こんな奴に話しかけようなんて誰も思わないのだろう

俺も別に1人は好きだし

どうでもいいのだが…

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

サラサラな青い髪

吸い込まれそうな綺麗な瞳

少し赤い頬

小さく可愛らしい口

どこをとっても綺麗だった

お昼

🐱…とかいう転校生は

明るく優しく

勉強も運動もできる秀才らしい

今も

食べ終わった

放課後

そこから俺らは

とても仲良くなった

毎日のように一緒にいて

沢山遊んで

俺も笑顔が増えた

でも…生き物にはいつか終わりが来る

俺だってよく知っていたのに

🐱が死んだ

急な事故死だった

急なことすぎて頭の整理が追いつかなかった

あれ…?

なんだろう…この気持ち

なんか言葉に出来ないけど…

苦しい…?

俺…

泣いてる…?

なんで…?

当たり前のことなのに

いつか死ぬ事なんて知ってたのに

なんで…?

分かんない

でも

止まらない

俺は泣いた

何日も泣いた

そして気づいた

俺は寂しかったんだ

だから🐱が教えてくれた

感情を

俺はこれから忘れることはないだろう