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ぬし
滉斗
元貴
涼架
朝の光が薄くカーテンを透かしている時間
元記はベッドの端で両腕を抱え込み
腹部を押さえて小さくうずくまっていた
元貴
呼吸は浅く、額には汗が滲む
昨夜から続く違和感
それが今朝になって鋭い痛みに変わった
さらに押し寄せる吐き気
立ち上がるだけで司会が揺れる
元貴
声はかすれて自分でも聞き取れない
スマホに手を伸ばすが、指が震えてLINEを開くことすらできない
通知が何件も来ているのが見えるがラ内容は読めなかった
同じ頃、仕事場では若井が落ち着かない様子で歩き回っていた
滉斗
涼架
りょうちゃんも心配層に画面を見つめる
若井はため息をつき、もう一度電話をかける
しかし、コール音だけがむなしく響いた
滉斗
滉斗
涼架
滉斗
2人はすぐに荷物をまとめ、急いで元貴の家へ向かった
元貴の家の前に着くと、若井は迷いなくインターホンを押す
反応はない
滉斗
若井が合鍵でドアを、開けると、室内は静まり返っていた
涼架
りょうちゃんが声をかけても返事はない
その時
元貴
かすかなだが、衝撃的な音が奥の方から聞こえた
滉斗
若井が走り出し、りょうちゃんも続く
トイレの扉は半開きで、2人が覗くと、元貴が便器にしがみつくように吐いていた
扉が震え、髪は額に張り付き、呼吸は乱れている
滉斗
若井が駆け寄る
元貴は反応しようとするが、身体が言うことを聞かない
目はうつろで、焦点が合っていなかった
元貴
小さく呟いた瞬間、身体がぐらりと傾く
滉斗
若井が咄嗟に抱きとめ、背を支える
涼架
りょうちゃんが過去を覗き込むが、元貴の瞼は半分落ちていた
元貴
再びこみ上げる吐き気に、体が大きく震える
若井は背中を優しくさすりながら、必死に声をかけた
滉斗
滉斗
りょうちゃんは冷静に見るとタオルを取りに行き 戻ってくると元貴の口元をそっと拭いた
涼架
涼架
元貴はかすかに首を横に振った
喉がひりつき、飲むどころではない
滉斗
若井が額に触れた瞬間、驚いたように息を呑む
滉斗
元貴
いい終える前に、元貴の体がまた若井に寄り掛かった
滉斗
涼架
りょうちゃんはスマホを操作しながら言った
元貴
元貴の声は涙混じりで震えていた
若井は きっぱりと首を振る
滉斗
滉斗
りょうちゃんもそっと元貴の背に触れながら言う
涼架
涼架
元貴はこの言葉に力が抜けるように目を閉じた
元貴
その小さな声を聞いて二人は顔を見合わせる
不安はある。でも、今は守るだけだ
滉斗
静かなトイレの中にらその約束だけがあたたかく響いた
ぬし
元貴
滉斗
ぬし
ぬし
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