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重低音が、心臓の奥で脈打った。
シロ
シロが歪んだ笑みを浮かべて手招きする。
彼の背後には、巨大な金属製の檻がそびえ立っていた。
そこは《BEAT GAGE》。
ラップで争い、言葉で殴り合う"言語闘技場"だった。
観客席には、ピエロ、着ぐるみ、スーツ姿の無表情な紳士淑女たち。
全員が興奮と期待に満ちた目でリングを見下ろしていた。
DJデスロール
スピーカーから流れた司会者DJデスロールの声が響く。
カケルの前に現れた対戦相手。
それは、自分そっくりの少年だった。
けれど目が鋭く、口元には挑発的な笑み。
カケル
カケル
ビートがなる。
試合開始。
カケル
観客が沸く。
カケルの心がチリッと焼けた。
カケル
カケル
カケル
カケルの息が荒くなる。
ビートが急に止む。
静寂の中、彼の心臓だけが鳴っていた。
カケル
カケル
カケル
静かに、でも確かにカケルの声が響く。
カケル
言葉に力が宿った瞬間、リングが音を立てて崩れた。
観客は消え、シロは笑ったまま手を叩いた。
シロ
カケルの足元に、一枚のパンドラカードが落ちていた。
"あなたの中の怒りを解放しました"
ーーFAKE LAND、その2枚目の招待状。