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2 - 喧嘩ラップの檻の中で

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2025年05月09日

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重低音が、心臓の奥で脈打った。

シロ

次のアトラクションはこちらだよ、カケルくん

シロが歪んだ笑みを浮かべて手招きする。

彼の背後には、巨大な金属製の檻がそびえ立っていた。

そこは《BEAT GAGE》。

ラップで争い、言葉で殴り合う"言語闘技場"だった。

観客席には、ピエロ、着ぐるみ、スーツ姿の無表情な紳士淑女たち。

全員が興奮と期待に満ちた目でリングを見下ろしていた。

DJデスロール

ようこそ、BEAT GAGEへ!戦うのはーー自分自身!

スピーカーから流れた司会者DJデスロールの声が響く。

カケルの前に現れた対戦相手。

それは、自分そっくりの少年だった。

けれど目が鋭く、口元には挑発的な笑み。

カケル

お前……

カケル

俺だよ、カケル。お前が普段、押し込めてる本音の塊。"マジでムカついてんだろ?"

ビートがなる。

試合開始。

カケル

お前さ、真面目ぶってでも中身スカスカ
人と比べて劣ってる自分にバーカ
それが怖くて空気読んでる
本当の声、どっかで潰してる

観客が沸く。

カケルの心がチリッと焼けた。

カケル

そんなことない!俺は……俺は……!

カケル

なに?"人のため"だの"気を使ってる"だの?嘘つけ、ただ嫌われたくないだけだろ

カケル

お前の優しさ、全部演技
偽善で塗り固めたペテンのメイク

カケルの息が荒くなる。

ビートが急に止む。

静寂の中、彼の心臓だけが鳴っていた。

カケル

……ほんとに、そうなのかな……

カケル

本音なんて、誰にもぶつけたことない

カケル

自分のこと、ずっと偽ってた

静かに、でも確かにカケルの声が響く。

カケル

でも、それでも……俺は、俺でいたい!

言葉に力が宿った瞬間、リングが音を立てて崩れた。

観客は消え、シロは笑ったまま手を叩いた。

シロ

合格。さあ、次のアトラクションへ行こうか?

カケルの足元に、一枚のパンドラカードが落ちていた。

"あなたの中の怒りを解放しました"

ーーFAKE LAND、その2枚目の招待状。

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