俺には才能がないと思う。
喧嘩にも、運動にも、勉強にも。
全てが平均。
喧嘩に関しては一切できない。
そんな自分が嫌いだ
だから、いつも笑顔でいる。
何の才能が無くても、笑えば何とかなる。
笑っていなきゃ、皆が離れて行ってしまうのでは無いかと、怖いから。
だから、皆の前で俺は、俺自身のことで泣いたことは無い。
なにかに感動したり、
嬉しかったり、悲しかったり。
そんな才能の無い自分が嫌いだ。
楡井
おはようございます!
蘇枋
おはよう。楡くん。
桜
…なんかお前、最近元気ねーよな
楡井
?
楡井
な、何言ってるんすか!
楡井
俺が元気じゃない事なんて無いんすよ!
だって、そうじゃないと皆が離れていってしまうかもだから。
桜
…俺だってそう言いてぇよ
楡井
?
桜
KELLと戦ったあと、俺熱出しただろ?
桜
だから俺だってそんなずっと元気じゃねぇんだ。
桜
人間、どこもかしこも完璧な人間なんていないんだからよぉ。
楡井
…
蘇枋
…それも楡くんの凄いところなんじゃない?
蘇枋
ずっと笑顔でいるって、中々できる事じゃないよ
蘇枋
それも一種の''才能''だよ。
楡井
さい…のう…?
俺にも才能があるのか?
桜
だってお前、人の名前と顔覚えんの得意じゃん。それだって''才能''だろ。
本当に?
蘇枋
才能が無い人なんて居ないんだよ。
才能…
楡井
……俺にも
桜
?
楡井
才能があるって思っていいんすか、?
楡井
喧嘩もできない。運動も勉強もそこそこ。
楡井
そんな人が
楡井
才能があるって思ってもいいんすか…?
桜
…
蘇枋
勿論だよ
楡井
ぁ、……ポロッ
楡井
ぁ、れぇ、?涙、とまんねぇ、……グスッグスッ
蘇枋
…初めて''自分から''泣けたんじゃない?
楡井
ぇ゙、ぐ、ズビッボロボロ
この涙の理由は分からない。
ただ、
悲しい涙ではないだろう。
この物語は、私の今の心の状況を楡くんに置き換えて作りました。
なんか、どうしても自分には才能がないって思ってちゃうんですよね。
勉強も普通。運動も普通。
何やっても普通の点数しか出せないんです。
ピアノだって、将来の為に続けてるつもりだけど、 自分にピアノの才能があるのかも分からない。
学校とか、家で泣いたら、 「引かれるんじゃないか」、 「友達が離れていってしまうんじゃないか」 と思ってあんまり泣けないんです。
小話失礼しました。