嫌いじゃない。

おれはそっぽを向く。

おれはゆっくり首を縦に振った。

ゆぺくんはもう一度抱きついてきた。

おれは膝の上に座っていたからもちろん避けることができない。

…だからって抱きつくことないよね？

最悪な予感がした。

次の日、昨日の予感は見事に的中してしまった。

隙間なく繋がれた手。

その手は恋人繋ぎにされている。

教室に入るとそう聞かれた。

隣に目をやるとにっこり笑っている。

え何勝手におれを彼女にするの。

周りを見てみるとクラス全員がおれたちを見ていた。

そんな見なくても良くね？

いや勝手に話を進めるな、

めんどくさいことにしないでよ

小声でそう言ったからきっと周りには聞こえてない。

小声で返す。

昨日…あぁ、なんか決められたわ。

ほんとに付き合ってるか疑われたらいけないから見せつけよう的な…

だから恋人繋ぎで登校する羽目になったのだ。

ゆぺくんはドアの方は移動した。

手が繋がれているからおれも強制的に移動する。

ドアにおれと繋がれた手をつく。

いわゆる壁ドン。

これをみんなの前でやるとかゆぺくんは恥ずかしくないのか？

ゆぺくんと目が合って、すぐに逸らした。

と今度は逆の手でおれの顔をあげる。

これは顎クイ。

彼女いたことないのに上手にやるのなんなん、…

「え、あのさくらが！？」と周りはびっくりしている。

でもゆぺくんのせいだし！

他の人だったら絶対顔が赤くならないもん！

気付いたら周りにみんながいた。

どうやらおれが本当に照れたのか確認しに来たみたい。

ほんっと最悪…ここから逃げたい…

ちなみにゆぺくんは少し不服そう。

ゆぺくんはみんなの方を向く。

ゆぺくんは微笑んだ。

いつもは何も思わないがなぜか少しかっこよく見える。

ちなみに周りはというとさっきの出来事に圧倒されていた。

あれからというもの、手紙が来ることはなかった。

…それって尖ってた時期のアルバム…

分かるかもしれないけど、おれはだいぶおとなしくなった。

あの時のおれを殴りたい。

ゆぺくんに出会えたことだけは良かったけどね。

毎日愛を伝えてくれるゆぺくんが好きだ。

ここまで読んでくださりありがとうございます！

スクロールお疲れ様でした！