テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
私は、自分の席が好きじゃなかった。
窓際でも、前列でもない。
クラスの真ん中、目立たない場所。
のあ
返ってきたテストを見て、私は小さく笑った。
一位の名前は黒板に大きく書かれている。
自分の名前は、誰も読まない。
昔からこうだった。
モブ
声をかけてきたのはクラスメイトの女子。 名前を呼ばれるだけで、少し安心する。
のあ
“いるけど、目立たない” それが、私の立ち位置だった。
廊下が少し騒がしくなったのは、昼前のこと。
モブ
モブ2
その名前を、私は知っていた。
同じ学年の別クラス。
顔が整っていて、スタイルも良くて、
男女問わず話題にされる存在。
——自分とは、関係ない人。
そう思っていた。
ゆあん
後ろから声をかけられて、 私は一瞬だけ背筋を伸ばした。
のあ
明るくて、少し無邪気で、 クラスの中心にいる人。
ゆあんくんは、 “二番目”の私にも、 普通に話しかけてくれる。
ゆあん
のあ
その会話だけで、胸がじんわり温かくなる。
——好き。
気づいたのはかなり前だった。
でも、この気持ちを口にする勇気はまだなかった。
昼休み。
私はいつも通り、一人でお昼を食べていた。
そこに、ゆあんくんが現れる。
ゆあん
のあ
心臓がはねた。
のあ
二人で並んで座る。
それだけで、世界が少し変わった気がした。
——今度こそ。
今度こそ、何かが変わるかもしれない。
そう思った、その瞬間。
えと
明るい声が、空気を切った。
振り向いた先にいたのは、噂の人。
えとさんだった。
えと
ゆあんくんの表情が、一気に柔らかくなる。
ゆあん
幼馴染。
その一言で距離が決まる。
私は、何も言えなくなった。
えとさんは、 私に軽く会釈をした。
えと
のあ
それだけ。
それだけなのに、
彼女と私の間に、見えない線が引かれた気がした。
少し離れた所で、うりがその様子を見ていた。
視線の先には、えと。
うり
誰にも聞こえない声。
想いはすでに、交差し始めていた。
私は、お弁当の中身を見つめながら思った。
——まただ。
——また、 何かが始まる前から 私は二番目なんだ。
それでも。
この恋だけは、 簡単に諦めたくなかった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!