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ぐへへへへへへへへへへ
kuro
kuro
ひいね
ひいね
kuro
初兎
If
初兎
初兎
If
If
If
なんで…
なんで…?
なんで…??
一緒に手をつないだだけで「記念日」になるなんて…と少し違和感を覚えていたのだ。
複雑な表情をしている俺に、しょうが、笑顔でこんなことを言った。
初兎
If
俺は、素直に「うん」と答えることが出来なかった
「記念日」に喜びを感じなくなった瞬間だった。
趣味は合うもしれないが、価値観は合わないかもしれない。うきうきしている初兎を前に、俺はそんなことを考えていた。
それから初兎は、ことあるごとに「記念日」を作っていた。
2人で初めて遊園地に行った記念日。
あいあい傘記念日。
ファーストキス記念日。
あまりに「記念日」という言葉を聞きすぎたせいで、俺のなかでは、そこから特別な感じが失われてしまった。
特別感が失われるどころか、それが、はっきりと負担なものに感じたのは、初兎が全ての「記念日」をスマホのスケジュール管理アプリに登録しているのを知った瞬間だった。
俺が初兎のスマホをのぞき見したわけではない。
初兎
If
と、初兎がカフェでスマホを取り出して操作し始めたので、「何してるの?」と俺は尋ねた。
初兎
初兎
If
「毎日が記念日」なんて、幸せを体現したキャッチフレーズのようだが、実際に自分がその立場になった今、俺には、笑っている自分を想像することができなかった。
そして、
「あれ」
を見てしまったのだ。
いつものように記念日を制定した初兎が……ちなみに、その時は、「2人で将来の俺らのことを話す記念日」だった…
例によって、スマホのスケジュール管理アプリの画面を得意気に見せてくれた。
If
その時、見るとはなしに、明日以降…つまり未来の予定が見えてしまったのだ。
3日後には「付き合い初めて1ヶ月記念日」が控えている。
それはもちろん問題は無い。
問題は、その翌日だ。そこには「付き合い始めて初めてのケンカ記念日」が、そして、さらにその3日後には、「初めての仲直り記念日」という文字が書かれていた。
If
If
If
初兎
If
初兎
If
でもそう考えると、今までのデートのなかで、ちょっとだけ気になっていた疑問が氷解する。
If
初兎
初兎は俺に対して、とても優しい。たいていのことは、俺の俺の言うことは尊重してくれる。
If
初兎
If
初兎
If
初兎
初兎
If
おそらく今日は「2人で初めてパンケーキを食べた日」と制定されてしまっていたのだろう。
初兎
If
初兎
If
初兎
If
初兎
If
If
初兎
If
『この店に来た絶対ホイップバターパンケーキを食べなきゃ』と言ってきたから、『2人で初めてホイップバターパンケーキを食べた記念日』かもしれない…
それとも…『俺のおすすめのパンケーキを、まろちゃんが食べた日』?
そんなことはどうでもいい。俺は、どんよりした気持ちになった。
初兎は「俺という人間」と付き合っているのだろうか、それとも、記念日を作るために、俺と付き合っているのだろうか?
初兎
初兎
If
そういえば…
初兎が告白してくれた時、「がんばるよ」と言っていた。
「がんばるよ」には「大変だけど」というニュアンスが隠されている。
あのときは、それが、ちょっとだけ不器用な初兎がなりの愛情表現だと思っていた。でも、あれは、文字どおり、率直な表現だったのかもしれない。
俺と付き合うことは大変なことなのだろうか。
「記念日」を制定するのは、カードにスタンプを押してもらうのに近いのかもしれない。
初兎
ぼんやり考えこんでしまった俺の顔をのぞきこんで、初兎が尋ねる。
初兎は、俺にスマホの中の「未来記念日」を見られたことに気づいていないのか、とても幸せそうな表情をしている。
そのことがまた、俺をげんなりさせた。
If
初兎
If
初兎
𝑒𝑛𝑑