主
主
主
主
主
主
主
※BL ※中太 ※自傷表現 ※エグい死ネタ ※救いがない
主
主
砂色外套、長身痩躯の影。
武装探偵社員、太宰治だ。
太宰の家の風呂場。
彼の周辺の床には、赤い華が咲いて居る。
ぽたぽたと液体の滴る音。
突如、太宰の背後の扉が音を立てた。
太宰 治
太宰 治
中原 中也
黒帽子の小柄な姿が現れる。
中也は心配そうな目を向けて云った。
中原 中也
太宰 治
ゆっくりと中也の方を向いた太宰の顔は、何時にも増して白かった。その腕には幾筋もの傷。
どう考えても、戦闘でついた物ではない。
太宰 治
中原 中也
中也は動かない。何も云わない。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
太宰 治
途切れ途切れの言葉。此方の方が叫んでしまいたくなる様な、悲痛な声。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
太宰 治
中原 中也
太宰 治
太宰 治
中原 中也
太宰の足元が失血でふらつく。
太宰 治
中原 中也
中也が太宰の腕を掴み、引っ張って無理矢理連れて行こうとする。
太宰 治
傷に直接触れられた痛みで、太宰が顔を顰める。
中原 中也
思わず中也が手を離した瞬間、太宰は走り出した。
中原 中也
中也はその後を追う。今の状態の太宰を放っておくのは拙い。
風呂場には、血に塗れたカッターナイフだけが残された。
中也は夜道を駆けた。
太宰が何処へ向かったのか…
川か、屋上か、否。
中也に捕まらないくらい短時間で行けて、確実に死ぬことができる場所。
中原 中也
考えついた直後、最寄りの踏切がけたたましく鳴き始める。
中也は自身に掛かる重力を無くして浮遊。標識を足場にして太宰の居るであろう場所へ向かう。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
中原 中也
中原 中也
太宰 治
太宰 治
電車が走る音が聞こえる。
時間が無い。
残りの時間で太宰を説得するのは、もう、不可能。
中原 中也
警笛が谺する。
中也は、太宰に向かって自身へと強い重力を掛ける。
太宰を衝撃から守る様に、抱擁した。
瞬間、異能無効化に依って中也の身体から重力が離れた。
太宰 治
残った勢いで河川敷へと飛び込む。
が、タイミングがズレた。
中也の左脇腹に強い、衝撃。
中原 中也
二人の身体が宙に踊った。
坂をごろごろと転がって行く。
途中、がんっと鈍い音がした気がした。
中也の後頭部辺りから、血の花弁が舞う。
漸く回転の止まった時、太宰は青褪めた顔を上げた。
太宰 治
中原 中也
太宰 治
太宰の上に乗った状態の中也が、力無く笑う。
中原 中也
太宰 治
中原 中也
太宰 治
中原 中也
中原 中也
中原 中也
中原 中也
太宰 治
中原 中也
太宰 治
中原 中也
中原 中也
中原 中也
太宰の視界が滲む。何が起こって居るのか、脳が理解して仕舞った。悟って仕舞った。
太宰 治
中原 中也
中原 中也
中原 中也
中原 中也
太宰 治
二人の周りには、中也の咲かせた赫い華が一面に咲いて居た。
其の華が、二人を祝福して居るのか、或いは嘲って居るのかは分からない。
黒帽子が中也から離れ、華に受け止められる。
中也、と呼び掛けてももう答は返ってこない。
何時もの軽口は、もう帰ってこない。
嘘だ。
声にならない声が、と或る夜空を染め上げた。
主
主
主
主
終
コメント
13件
泣くより先に絵にしようと言う考えが浮かんだ自分が怖い、、、 よし、中也そこ変われ、僕ならバカは風邪ひかないの原理でいける👍
うわぁぁぁぁぁぁぁ。。。 普通に悲しくて泣けてくる…… 中也ぁぁ死ぬなよぉぉ!! でも主様の作品自体はめっちゃ好こです!
けさぱささん!俺の力も使ってください! 中也ァァァァ太宰さんァァァァ